【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)2日】パイレーツを退団した桑田真澄投手(39)が、1995年に右ひじ手術を受けた際の執刀医、フランク・ジョーブ博士(81)の自宅を訪れ、今年3月に痛めた右足首の触診を受けた。その結果、後日、改めて精密検査を受けることが決定した。検査の結果次第で完治のために手術の選択がある場合、桑田は「もちろん受ける」と断言。「手術は野球を続けるためにするもの」と、現役続行へ前向きな姿勢を見せた。
毎年の恒例行事が、今年は桑田の今後を大きく左右するものになった。右ひじ手術を受けた95年以降、毎年シーズン後に執刀医のジョーブ博士のもとを訪れていた右腕。初めて海を渡ってプレーし、メジャー昇格も果たした今年もこれまで同様、シーズンの“締め”として恩人との再会を果たしたが、思わぬ展開が待っていた。
自宅に招かれた右腕は、玄関に入って握手をした次の瞬間、ジョーブ博士の口から出た言葉に驚かされた。「右足の靴下を脱げ」3月のオープン戦で、じん帯断裂の重傷を負い、その後もテーピングをしなければ投げられない状態にあった右足首の診察が突然、始まった。
「けがをしてから5か月以上たっている今でも、これだけ腫れているのはおかしい。私の信頼している足首の権威に検査をさせて、今後の治療を考えよう。可能なら、できるだけ長くプレーしなさい」触診後の博士の言葉に、桑田の心は動いた。
「ジョーブさんからは『こんな状態でよく頑張ったな。よくやったな。ご苦労さん』と言われると思っていた。それが『まだまだ若い。やりなさい』だったんでね」最も信頼するドクターの言葉に、右腕は再びマウンドに上がるよう、背中を押された気がした。
今後、ロサンゼルス市内の病院で受ける検査では、エックス線、MRI(磁気共鳴画像)などの検査を受ける予定。結果次第では手術で完治を目指すことも考えられる。これについて桑田は「もし手術を勧められれば、もちろん受けます」と言い切った。
95年に右ひじじん帯を断裂したときには、医師から「野手に転向するならば手術は必要ない」と言われたが、投手を続けるためにメスを入れることを選択した。「僕が手術をするということは、日常生活のためじゃない。野球をするためです」検査結果によっては、現役続行へ動き出すことを明らかにした。
右足首をけがした当初も、手術で完治を目指すことを一度は考えた。だが「投げ始めるまでに3か月はかかる。シーズンが終わってしまう」と断念。今回は違う。今後手術してリハビリ期間を考慮しても、来年2月中旬のキャンプインには間に合うだけの時間の余裕がある。
「検査結果で、もうダメだと言われれば、あきらめるしかない。でも、そうでないならば、もう一度テーピングをしない状態で投げてみたい。やれるだけのことをやった、と思えなければ決断はできないと思うんです」桑田が野球人生最大の決断へ向け、検査に臨む。(2007年9月4日10時40分 スポーツ報知)
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右ひじ軟骨除去手術、福留の経過順調
(読売新聞 - 09月03日 21:32)
中日は3日、米ロサンゼルス市内の病院で右ひじ遊離軟骨の除去手術を受けた福留孝介外野手(30)が現地時間の8月29日に抜糸を済ませ、術後の経過は順調であると発表した。今後は同病院で週3回のペースでリハビリを行い、9月末に執刀医の診断を受けるという。
福留孝介:五輪どうする!?Rソックスも獲得に乗り出す
スポーツニッポン 2007年9月4日
レッドソックスが、今季終了後にFA権を取得する中日・福留孝介外野手(30)を獲得する方針を固めたことが3日、明らかになった。最大の補強ポイントが中堅手であることに加え、来季公式戦開幕を日本で迎えることが決定的。日本市場のさらなる開拓も視野に入れている。一方、日本球団も獲得競争に参戦するのは必至の情勢。加えて仮に大リーグ流出となれば08年北京五輪出場も難しくなるなど、さまざまな影響も予想される。
レ軍のラリー・ルキーノCEO(最高経営責任者)は本紙の取材に対し「日本人選手の獲得に興味はある」とし「フクドメの名前は知っている」と認めた。シーズン中ということから明言こそ避けたが、球団関係者によると、福留獲得の方針は球団内部では既定事実。エプスタインGMの指示を受けた球団スタッフが、日本から情報を取り寄せているという。
開幕からア・リーグ東地区首位を快走するレ軍だが、最大の補強ポイントが中堅手。昨季から俊足が武器のクリスプが務めているが、守備範囲の広さに定評がある一方、肩の強さは最低レベル。契約は08年まで残っているが、今年のトレード期限(7月31日)前にも放出に動いた経緯がある。
そこで白羽の矢を立てたのが福留だ。長打力と堅実性を兼ね備えた打撃に加え、守備でも4度のゴールデングラブ賞を獲得。特に肩の強さは大リーグ関係者から高い評価を受けている。本職は右翼だが、昨季は中堅で50試合に出場。レ軍は今季、外野の補殺数がリーグ13位(14位中)の20個で、右翼を守るドルーも故障がち。チーム構想に完全にフィットする。福留は06年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝・韓国戦で代打決勝2ラン。その実力は米球界でも広く知られている。
昨オフ、ポスティング・システム(入札制度)で松坂を、FAで岡島を獲得したレ軍は、日本人選手を高く評価。今後も国際スカウトのアジア部門を拡大する方針を決めている。さらに、来季は日本で開幕戦を行うことが確実。全試合で出場が可能な日本人野手の存在は、アジア市場の開拓という点からもメリットが大きい。
その福留は右ひじ痛により、7月24日に戦線離脱。現在はロサンゼルス市内でリハビリと静養に努めているが、来季のプレーには支障はない。また、FA権取得に必要な登録日数に29日足りないが、今季から適用される「故障選手特例措置」により認められる見通しとなっている。大リーグ志向の強い福留だけに「FA権行使→メジャー挑戦」を決断する可能性は高い。
とはいえ、福留がFA宣言すれば日本球団も獲得に乗り出すのは必至。いずれにしても福留の動向が今オフ最大の注目を集めるのは間違いない。
≪メジャー移籍なら五輪出場は“消滅”≫福留が大リーグ球団に移籍した場合、08年北京五輪に日本代表の一員として出場する可能性は事実上消滅する。8月に行われる北京五輪は、レギュラーシーズン真っ最中。大リーグ機構は過去にメジャー選手の五輪出場を認めておらず、レ軍のルキーノCEOも「現状では難しい」としている。一方、日本代表の星野仙一監督は8月31日に都市対抗を視察した際に「福留は貴重な戦力として考えている」と明言。今年12月に行われるアジア予選についても「ぎりぎりまで待つ」とした。福留は右ひじ遊離軟骨手術の影響でアジア予選出場は微妙。本大会も不可能となれば、星野監督の構想は大幅な変更を余儀なくされる。
<来栖のつぶやき>
桑田君のことも孝介のことも、とっても気になっていました。やっと朗報が得られました。胸がいっぱいです。非凡な二人の逆境の中での熱い姿。胸いっぱいになりました。祈っています。
でも、孝介、ドラへ帰ってきてくれるのかな。先の契約更改は不服だったし・・・。