「生活の党」代表に選出された衆議院議員・小沢一郎氏のスピーチ全文

2013-01-28 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

代表に選出された衆議院議員・小沢一郎氏のスピーチ全文
「生活の党 参議院議員森ゆうこ」ブログ2013年1月28日 (月)
 ただ今は,ご出席の皆さまの総意を以って新しい出発にあたって党の代表をということで,ご推挙を賜った訳でありますけれども,この皆さまのご推挙を引き受けるにあたりまして,わたくし自身,何人かの方がたからお話しを頂きました時に,非常に考え,どうすべきか,ということに悩みまして,やはり,このような皆さまの御厚意を受けるに当りまして,なお,心の中に,自分が代表に就任して果たして本当に皆さまのために,そして,国民のために,或いはまた日本の国の将来のために,いいのだろうか,という自分自身の心に問いかけている状況であります。
 その理由は,ひとつは昨年の総選挙におきまして,色々な原因はあったといたしましても,本当に多くの仲間,同士を失ってしまいました。当選してもらう事が出来ませんでした。その事につきまして,自分自身として本当に心から強く責任を感じております。そういう意味におきまして,形の上では,勿論「未来の党」に合流し嘉田代表の下で闘った訳でありますけれども,自分の皆さんに対する,同士に対する協力と力添えが充分出来なかったという思いで一杯で御座います。そういう自分自身の気持ちが,ひとつ。
 それから,もうひとつは,わたくしは色々と「表に立て」「表に出ろ」「先頭に立て」という事を多くの方から言われております。
 自分自身,何も,今までも,これからも,陰に隠れているつもりはありませんけれども,ただ,わたくしが代表として,或いは先頭に立って政治活動を行えば,必ず,皆さんも御承知の通りに,過去の3年半の権力の濫用による,私自身の政治活動は制約された3年半でありましたけれども,それに象徴されるような意図的な批判や誹謗中傷に晒される。まあ私自身は我慢すれば済む事ですけれども,その事によって皆なに迷惑を掛けるんじゃないかと,そういう思いを,たいへん強く持ち続けております。
 そういうようなことで,本当に今日に至るまで,何人かの方からこのお話しを聞く度に,思い悩んで参った訳であります。
 しかしながら,今申し上げました事は,既にこの会場にお出での皆さんが御承知の事であり,その事を分かった上で敢えて自分に代表を命ぜられた事なのだろうと,そのように考えまして,ここまで皆さんから御支援頂き,信頼頂き,御推挙頂く以上は,自分も非常な決意をもって,その代表の責任を果たさなければならない。(満場・拍手15秒間) 
 (小沢議員・少し涙)有難う御座いました。
 今,本当に皆さんの御厚意を,直接,いただいて,その決意を新たに致しました。その御心添いは,わたくしの力の及ぶ限り,全力で皆さんと共に,国民のために,日本の国のために,頑張って参りたいと思います。(満場・拍手)どうぞよろしくお願い致します。(小沢議員・礼)(満場・拍手20秒間)
 御推挙頂き,自分も皆さまの前で決意を申し上げましたので,この機会に党の代表として,若干,自分の思いを申し上げたいと思います。
 政党の命は,やはり政策でございます。
 勿論,まだ日本の風土の中では,論理的・合理的な政策とその説明が必ずしも素直に選挙結果に反映するということには,まだ残念ながら至っておりません。しかしながら,わたくし共は飽くまで,何と言われようとも,我々が国民の皆さまに約束した,そして我々の信念に基づいた政策を,その大義の旗を,飽くまでも掲げて行かなければならない。
 それが,政党のあるべき姿だと思います。
 この,政策の基本はわたくしが敢えて今申し上げるまでもなく,先般の選挙においても,そしてまた「国民の生活が第一」という我々の基本の原則,或いはまた,更に,もう少し遡れば「政権交代」の時に,国民の皆さまに御訴えした,それで約束した,その原点に戻れば自ずから決定されるものと,わたくしは,そのように考えております。
 我々は飽くまでも,国民の生活,命と暮らしとを守って行く,この事を前提といたしまして,政策をあらためて『生活の党』として政策を訴えて参りたいと思います。
 今日は基本政策の発表もある訳でございますが,この基本の政策を,できればぜひ,広範な国民の皆さん,そして有識者の皆さんの御意見,御協議を頂いて更に質的に良いものをつくり上げて行きたい。
 特にあと半年で参議院の選挙でありますので,出来るだけ早急に,そしてより良い,いいものを国民の皆さまに,あらためて,申し上げたい。そのように考えておるところであります。
 それから,もうひとつは政党,そして民主主義の,正に基本は,因って立つところは,主権者の総意。主権者の総意を示されるものは,選挙であります。
 その意味で今申し上げましたように,参議院の選挙が6か月後,半年後には通常選挙が行なわれる予定になっております。この参議院の選挙は,今までの選挙戦にも増して,本当に日本の将来にとって大事な,大事な行く末を左右する選挙戦だと思います。
 昨年の選挙で,自公は衆議院で3分の2の議席を獲得致しました。もし,夏の参議院選挙で,同様に自公,そして自公に連なる勢力とが一緒になって,結果として同じような参議院においても議席を占めるという事になりますと,本当に,その場その場でやりたい放題の政治が行なわれるという可能性が非常に強い。
 勿論,国民にとっては何党であろうが,民主党であろうが自民党であろうが,どの党であろうが,国民のための良い政治をしてくれればいい訳でありますけれども,今日(こんにち)の新しく誕生した安倍内閣そして自公の状況を垣間見ておりますと,非常に,日本の将来にとって,危うい。危険な要素が見えて来ております。
 勿論,単純に右とか左とかと言う事ではありませんけれども,それぞれの政党の或いはリーダーの理念・信念に基づいてその論理的結果で結論が出されるものであれば,それはそれなりに国民も我々も含めて意見はしてみてもそれなりに理解をすることが出来る訳でありますけれども,今日(こんにち)の状況を見ると,そのような理念や或いはしっかりした論理や合理性というものは,感じられません。その時々の,その時の思い付き,或いはその時々の自分の感情でもって色んな事を言い,色んな行動をするというきらいが,非常に強く,感じられます。
 今日は具体的な色んな事を申し上げる訳ではありませんけれども,俗に言われる「憲法改正」やなんだかんだと言う話しであります。
 特に,最初に黙祷致しました。アルジェリアでの問題が発生致しました。国際情勢を今日は言う話しではありませんが,こういうような不安定な状況は,わたくしは今後も更に続くのではないかと思っております。そういう中でですね,自衛隊の派兵ということが,また,言われるようになり,マスコミの場でもそれが当然であるかの如く議論がなされております。これも,謂わば日本人の生命や,或いは日本人の権益が危うくなった時に他所に軍隊を派遣するということは,正に海外派兵そのものでありまして,これは,あらゆる戦争というものも,そういう美名の下で群を外へ派遣してきた。これが戦争の大きな理由であります。
 わたくし共は勿論,わたくし共の,国民の生命・財産を守ることをしっかりと行動しなくてはなりませんけれども,国際問題を一国の軍事力によって解決するという事は不可能である。そして更に紛争を大きくするという事は,過去の歴史を見ても,そしてまた,最近のイラクやアフガンがどうだという事を考えてみましても,世界最強の米軍,何万投入しようが,決して民を安定させることはできないということを証明している訳であります。(満場大拍手・7秒間)
 わたくし達はそういう意味で,第一次大戦後には国際連盟,そして第二次大戦後には国際連合を,世界の総意として作った訳であります。
 まだまだ,国連なんて当てにならないと,機能しないということを仰る方もおります。勿論充分でないことは,その通りであります。「北朝鮮の核実験の非難決議」も,ようやく,妥協の産物で出来たような状況でありますから,充分な機能を発揮できていないことはその通りですけれども,しかしながら私達はやはり,より良いものを,そしてより多くの国民の皆さまの,そして地球上の皆さんの理解を得ながら紛争を解決し,平和を維持しなければならない。
 そういう事に考えを致せば,当然この単独な海外派兵という事が,どういう意味を持つのかということは当然分かるはずでありますけれども,わたくしはそういった議論が,メディアの間でも全くなされずに,ただ人質になって日本人の命が失われたという事のみで海外派兵という事に道を開くような議論というのは,非常にわたくしの言う基本の平和貢献にも反しますし(満場拍手6秒間)それから,わたくし共が国際社会で生き延びて繁栄をし平和を守って行く上では,わたくしは全く短絡的な議論だと,心から思っております。(満場拍手7秒間)
 ちょっと横道にそれてしまいましたが,そういった中での現在の政権,そして参議院の選挙であります。従ってわたくし共は,今のような政治では駄目だと言う多くの人々と力を合わせなくてはなりません。
 しかしながら,その力を合わせる,連帯・連携の基本はやはり,政治の理念であり,基本の政策であると思います。そういう意味で私達は,我々が「国民の生活が第一」というその原則に基づいた政策を,大義を,最後まで掲げ,その共通する共有するお互いの力を,皆なでもって力を合わせて何としても参議院選挙においては,今言ったような無茶苦茶なその場その場の思い付きの政治を,させてはならない。そのための力を国会内において,参議院内において,維持して行かなくてはならない。そのように考えております。
 当面,わたくし共の党と致しまして次改選期を迎える6人の現職議員がおります。北から申し上げますと,青森の選挙区・平山君(参議院議員・平山幸司氏)と,新潟の選挙区・森君(参議院議員・森ゆうこ氏)そして広島の選挙区・佐藤君(参議院議員・佐藤公治氏),この3人が選挙の候補者として選挙戦に臨むことになります。それからまた,比例区でははた君(参議院議員・はたともこ 氏),広野君(参議院議員・広野ただし 氏),そして藤原君(参議院議員・藤原良信 氏)と,これまた3人の今現在,現職の候補者が夏の参議院選挙戦に臨むことになります。勿論,現職以外にも今一緒に選挙活動を共にしたい,参議院選挙にも参加したいと言う方もお見えになっておりますので,その皆さんの中からも候補者を決定しながら,一緒に力を合わせて頑張って行きたいと,そのように考えている所であります。
 いずれに致しましても本当に小さな所帯になってしまいましたけれども,考えてみますと,我々もそして民主党もですね,ちょうど合併前の状態に戻ったというような現状で御座います(笑いながら)。その事を思うと,よくこの状況の中から政権を取るまで頑張ったなあという思いを(満場笑いと拍手)しておりますけれども,正に,その事を考えてみれば,今日(こんにち)の現状からスタートしたそもそもの民主党政権でありましたが,わたくし達が心を新たにして,ほんとうに,国民の皆さんの,そして日本の国の将来を見据えて考えた時に,もう一度,国民の皆さまのための「国民の生活が第一」という基本原則,基本の理念に則った政権を,もう一度打ち立てたい(満場拍手・約20秒間)。
 こうして自分を省みず代表をお引き受けしたからには,今申し上げました,その決意をあらためて自分自身で心に刻み,そしてまた,皆さまの前で申しあげまして,わたくしの代表就任の御挨拶といたします。誠に有難う御座いました。(満場拍手続く)
(支持者書き起こし)
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生活の党、小沢代表を決定「もう一度政権奪取」 2013-01-25 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
 生活の党、小沢代表を決定「もう一度政権奪取」
 産経ニュース2013.1.25 13:37
 生活の党は25日午前、結党大会を東京都内の憲政記念館で開き、小沢一郎新代表を正式決定した。小沢氏は記者会見で「もう一度政権奪取を目指す」と表明。大会では「消費税増税の凍結」「2022年までの原発全廃」を掲げた基本政策も了承した。28日召集の通常国会前に新たな体制を整え、夏の参院選への準備を進める。
 大会での就任あいさつで小沢氏は「衆院選で仲間を失い責任を感じている。思い悩んだが、非常な決意をもって代表の責任を果たす」と強調。参院選に関しては「自民、公明両党が議席を占めると、やりたい放題の政治が行われる」と述べ、参院での与党過半数の阻止を目指す考えを示した。
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小沢氏、やっぱり“孤立” 民主からも…SP不在、影響力低下否めず 2013-01-24 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 小沢氏、やっぱり“孤立” 民主からも…SP不在、影響力低下否めず
 zakzak2013.01.24
 生活の党は25日、都内で結党大会を開き、小沢一郎衆院議員が代表に就任することで調整している。小沢氏は今年夏の参院選で、野党各党との共闘を目指すが、橋下徹代表代行(大阪市長)率いる日本維新の会や、渡辺喜美代表率いるみんなの党は、生活との連携に消極的。古巣である民主党の海江田万里代表まで生活との選挙区での競合を避けない考えを表明した。小沢氏の孤立はさらに極まった感がある。
 「選挙区が決まっていない人の選挙区を決めるのは当然の作業だ」
 海江田氏は23日、民主党が参院選で新潟、広島両選挙区への候補者擁立を決めたことについて、こう述べた。視察先の仙台市で記者団に語った。
 新潟は生活の森裕子代表、広島は佐藤公治氏という、小沢氏側近の生活議員が改選を迎えるだけに、永田町では「民主党が生活と選挙協力をしない方針に舵を切った」(関係者)と受け止められている。
 これは生活にとってはあまりにも痛い。
 小沢氏は、昨年12月の民主党代表選で、2011年8月の民主党代表選で自身が担いだ海江田氏が代表に就き、気心が知れた輿石東参院議員会長は相変わらず党を牛耳っていることを好感。参院選を見据えて「(野党第1党の民主党と共闘することは)もちろんだ」と語り、民主党復党も視野に入れていたとされるからだ。
 さらに、第3極結集の展望も芳しくない。
 小沢氏は、12・16衆院選で、第3極が小選挙区で競合した結果、自民、公明両党が漁夫の利をさらって圧勝したことを受け、橋下氏らを念頭に「候補者を1人に絞らないといけないことが、なぜ分からなかったのか。小学生でも分かる」と発言。維新やみんなとの共闘にも自信を示していたが、「維新の石原慎太郎代表の『小沢嫌い』は変わらず、松井一郎幹事長(大阪府知事)もほぼ同じスタンスだ」(維新関係者)。
 独自の道を行く生活は25日の結党大会で新代表を決定する方針。森代表は今年に入り、「小沢一郎(氏や、彼の掲げる)『自立と共生』の理念の下に、みんなが集まっている」と語るなど、小沢新代表を示唆している。
 ただ、昨年末の日本未来の党の分裂劇で、他党の「小沢・生活アレルギー」は強まった感がある。一兵卒のときでもついていたSP(警護官)もいなくなり、小沢氏の影響力低下を印象付けている。
 苦境を脱する一手はあるのか。
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〈来栖の独白2013/01/24 Thu.
「候補者を1人に絞らないといけないことが、なぜ分からなかったのか。小学生でも分かる」
 矛盾の極みではないか。候補者を1人に絞らず、刺客を立てたのは誰か(小沢氏自身ではなかったか)。
 小沢氏の地元岩手では、それまでともにやってきた階猛(しな たけし)氏、黄川田徹氏に刺客を立て、野田前総理の千葉でも刺客を立てた。
 地元群馬から鞍替えし、千葉で野田前総理の刺客として立候補した三宅雪子氏は「党が違えば、ましてや政策が違えば、各党が候補者を出すのは当然の話。民主党も離党者のところに出しているし我が党が突出しているわけではありません」と言われるが、岩手の階氏も黄川田氏も小沢氏に付いて離党こそしなかったものの、消費税増税法案採決について階猛氏は反対票を投じ、黄川田氏は棄権している。小沢氏の公約の筆頭は反消費税増税であったはずで、ならば、いかほどの政策の違いというのであろうか。
 また、いま1つの政策「脱原発」であるが、これが選挙に勝つための方便でなかったのなら、なぜ俄かな[日本未来の党]分裂劇は起きたのか。脱原発という悲願を同じくする嘉田氏と斯くも易々と分裂したのか。
 民主党すり寄りなどを見せられれば、刺客擁立も[日本未来の党]分裂も、その論拠を喪うと言わざるを得ない。
 「生活の党」森裕子代表は『自立と共生』という極めて観念的、抽象的な言葉を繰り出している。これでは「生活の党」と名乗ってはいても、政策が掴みにくい。どの党でも、標榜可能だ。意味はどのようにも取れる。
SP(警護官)もいなくなり、小沢氏の影響力低下を印象付けている。
 いわゆる小沢一郎氏裁判は、でっち上げであった。既得権益のすべてが小沢潰しを画策した。有罪で確定させずとも、「刑事被告人」という身分を纏わせるだけで葬ることはできる。小沢一郎氏は、そのように抹殺された。
 12・16衆院選につき、小沢氏の「刺客擁立」手法に心冷えるものを覚えながらも私は小選挙区も比例も[日本未来の党]に投票した。が、今、氏の言う「反消費税増税」(民主党離党)や「脱原発」([日本未来の党]結党)の真意は何だったのか、空虚な感を否めない。
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小沢一郎氏は「このままだと大政翼賛会」と言うが/ ただ単に戦争回避ではなく、「平和」の質が問われている 2012-12-11 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 小沢一郎氏「このままだと大政翼賛会に」 初の首都演説
 スポニチアネックス2012年12月11日 06:00
 日本未来の党の小沢一郎前衆院議員が10日、4日の公示後初めて東京都内で街頭演説を行った。
 公示日は愛媛県内の山間で遊説をスタートさせ、序盤に郡部を回り都市部へと支持の波を広げる得意の「川上戦術」を今回も展開。この日は中野駅前を皮切りに、墨田区の東京スカイツリー前など6カ所で演説を行い、「聞き慣れない政党名だと思うが、ずっと言い続けてきた“国民の生活が第一”の政治信念はまったく同じだ」と訴えた。
 報道各社の情勢調査などで同党は劣勢で、「報道では自民党が勝利すると言われ、日本維新の会も民主党幹部も選挙後は自民党と連携すると言っている。こんな筋道の通らない話はない。このままだと戦前の大政翼賛会になってしまう」と批判。また、自民党の安倍晋三総裁について「首相の時には(ブレーンらが)核武装論議をすると言っていた」とした上で、自民党時代から“犬猿の仲”の日本維新の会の石原慎太郎代表についても「石原なにがしも核武装の話をしている。危なっかしい多数派が形成されてしまう」とけん制した。
 〈来栖の独白2012/12/11 Tue.
>大政翼賛会
>「石原なにがしも核武装の話をしている。危なっかしい多数派が形成されてしまう」(スポニチアネックス)
 朝日新聞12月10日の記事によれば、「核武装とか、『この国はけしからんからやっつけろ』とか。そんなことで国民の命と暮らしを守れるのか」」「自立することと軍備を拡大し、核武装までする、そして、他の国々と対決するということは、全然別の話だ。ただ単に、口先だけ勇ましいことを言って、本当に国民の命を守れるのか、国土を守れるか」と、ある。
 来たる衆院選挙の主な争点は、[日本未来の党]の主張によれば、消費税増税・卒原発・反TPPの3点で、これに脱官僚政治などが続くようだ。「憲法」については触れていない。これは、如何なものか。
 尖閣諸島周辺には中国の船が出没し、公然と「核心的利益」を表明している。中国の覇権主義の触手は、日本にだけではない。チベットやウイグルは既に中国の圧政下にある。周辺諸国との摩擦が絶えない。北朝鮮はミサイルの打ち上げを表明した。
 小沢氏の「ただ単に、口先だけ勇ましいことを言って、本当に国民の命を守れるのか、国土を守れるか」との言葉を、そのまま氏に問い返したい。
 このまま中国の言いなりになっていれば「戦争」だけは回避できるだろう。しかし、それは、この国がチベットのように、ウイグルのように、中国の属国になるということだ。憲法9条は戦争回避・軍事放棄を掲げてきた。占領国アメリカが押しつけ、望んだ「従順な被占領国ニッポン」であり続ける道筋を謳っている。そのように日本は戦後半世紀以上を生きてきた。米国は憲法改正させぬように、と改正には議会の3分の2以上の賛成を必要とするとした。
 が、そのアメリカが、近年、日本の憲法9条、非武装に頭を悩ませている。アメリカでは、改憲を望む声が日増しに高くなっている。アメリカの国力の衰弱に反比例するように、中国の軍拡が目覚ましいからだ。加えて、中東など世界的規模で反米の波が高まっている。
 このような国際社会のなかで、「平和」の質が問われている。ただ単に戦争が無ければよい、というものではないだろう。国家・国民の主権が尊重され、他国からの支配を受けないことが、真っ当な国としての要件だ。
  「戦争放棄」を謳う憲法によって集団的自衛権を行使しない日本を、世界は決して尊敬していない。ハード・パワーを出さず、ソフト・パワーで体よく利ザヤを稼ぐ日本を、世界は卑怯だとみなしている。これが国際社会の現実である。護憲を声高に主張する人々には、国際社会の動向に疎く、独り善がりが多い。例えば北朝鮮についても、彼の国が世にも貧しい暮らしをしながら技術立国であることを、どの程度認識しているだろうか。
 小沢氏は2009年に団を組織して訪中した。習近平氏を天皇さんに会わせたのも、小沢氏である。民主主義を断固認めず、核心的利益・覇権国家を標榜してやまない彼の国を鳩山内閣(実質・小沢政権)は「正三角形」と称して「日米中が対等に付き合う」と言った。国際社会とは、そのようなものではない。常に、力と力を見せ合い、戦っている。外交のひと言先には戦争がある。戦争を回避したいなら、属国・被支配を国民(未来=子孫)に強いる覚悟が要る。核武装は戦争のためではない。戦争抑止としての核の存在理由がある(核に転用できるという意味での原発の存在理由がある)。
 国とは、国土・領海・主権、固有の文化が守られる「国家」でなければならず、国民は何人からも支配されず、尊厳が守られねばならない。
 附けたりを一つ。
 第2バチカン公会議は現代世界憲章78のなかで次のように言う。平和とは、単なる戦争の不在でもなければ、敵対する力の均衡の保持でもありません
 聖書に示される「平和」(シャローム)の本来の意味は「傷付いた部分のない状態」のことである。戦争がなく一見「平穏」に見える戦後日本は、聖書のメッセージから見れば、必ずしも平和とは言えず、国民は平和ボケ(仮想平和)に陥っていただけなのかもしれない。自分の周りのあちこちに、差別され軽んじられ痛む人がいるとしたら、それは「平和」ではない。国と国との関係においても、戦争はなくとも支配する国と支配される国とに分かれるならば、それは「平和」ではない。平和とは、「小さくされた人」を守るために戦うことだ。支配されたり、見下されたりしてはならない。旧約聖書(エレミア6・13-14)は次のようにいう。
 《身分の低いものから高いものに至るまで、
 皆、利をむさぼり、預言者から祭司に至るまで、皆、あざむく。
 彼らはわが民の破滅を手軽に治療して、
 平和がないのに「平和だ、平和だ」と言う。》
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『世界の変化を知らない日本人』日高義樹著 2011年5月31日第1刷 徳間書店

 

       

 

第5章 民主党は日米関係の歴史を壊した
p134~
 私のいるワシントンのハドソン研究所には、アメリカの情報機関で分析官をやっていた人物がいる。彼の話によると、アメリカ政府は小沢一郎はじめ民主党首脳の対中国政策と動きを綿密に監視してきた。
 「中国からの情報もあれば、アメリカ情報調査局や国家安全保障局(NSA)などからの情報もある。あらゆる情報が担当者の手許に集まっている。日本の民主党と小沢元代表が中国に接近していく動きは手にとるように明らかだった」
 民主党の小沢元代表は、中国を取り込んで日中の協力体制を作り、アメリカを牽制して外交的にアメリカに対する強い立場を作ろうとした。こういった小沢元代表はじめ民主党首脳の動きは、私ですら耳にしていたのだから、多くの人々が知っていたに違いない。
 小沢元代表が「沖縄の海兵隊はいらない」と言ってみたり、日米安保条約に反対したりしているのをアメリカが苦々しく思ったのは、単に反米的な姿勢だからというだけでなく、中国と手を組んでアメリカに対抗しようとしたからである。
p135~
 小沢元代表の師ともいえる田中角栄元首相も、アメリカに対抗するために石油資源を獲得しようとしてアメリカに敗れた。田中元首相は結局、アメリカの石油メジャーと激突してしまい、ニクソン大統領とアメリカのCIAに打ち負かされてしまった。
 小沢元代表と民主党のアメリカに対する反乱は、そういった過去の出来事と比べるとあまりにも矮小である。まず小沢元代表の態度は中国と対等に手を結ぶというよりは、明らかに中国におもねっていた。民主党政権が発足した当時、長年の同盟国であるアメリカのワシントンではなく、まず北京に挨拶に行くべきだと示唆した態度などに、中国に対するあからさまな媚がよく表れている。

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『アメリカに潰された政治家たち』孫崎亨著(小学館刊)2012年9月29日初版第1刷発行
第2章 田中角栄と小沢一郎はなぜ葬られたのか
p93~
 2.最後の対米自主派、小沢一郎
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中国の奥の手は「敵国条項」中西輝政 月刊WiLL:2013年2月号 2012年12月20日発売

 

    

 

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文藝春秋2010年2月号【独裁者の肖像 小沢一郎「天皇観」の異様】 中西輝政
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『日本の悲劇 怨念の政治家小沢一郎論』 中西輝政著
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色あせた剛腕…小沢氏“深まる孤立” 維新そっぽ 民主は擦り寄り警戒/小沢氏にSPは、もうついていない 2013-01-22 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
  今回は8人いる参院議員も、6人が今夏に改選を迎える . . . 本文を読む
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