鳩山法相 「志布志事件は冤罪ではない」

2008-02-14 | 政治

2月14日8時0分配信 スポーツ報知

 鳩山邦夫法相(59)は13日、法務省で開かれた検察長官会同で、鹿児島県議選の公職選挙法違反事件について、「冤罪(えんざい)と呼ぶべきではない」と発言した。同事件では、捜査員による違法な取り調べが問題とされ、鹿児島地裁は昨年、被告12人全員に無罪判決を言い渡して確定している。「友人の友人がアルカイダ」発言など“失言”続きの鳩山法相だが、今回の発言を受け、野党からも「法相として不適任」とする声が上がっている。

 鳩山法相から、またまた“失言”が飛び出した。全国の地方検察庁の検察幹部を集めた会同での訓示の中で、鳩山法相は被告12人全員の無罪が確定した鹿児島の公職選挙法違反事件について「個人的な見解であるが」と前置きした上で、「志布志事件(選挙違反事件)は冤罪と言うべきではないと私は考えております」と発言した。

 この事件は、2003年の鹿児島県議選で当選した元議員が、同県志布志町(現志布志市)の集落で住民に現金を配ったなどとして公選法の買収などの罪に問われたもの。任意取り調べの段階で、鹿児島県警の捜査員が「踏み字」を強要するなどの違法な取り調べが問題とされた。鹿児島地裁は被告全員に無罪判決を言い渡し、検察側も控訴を断念している。

 鳩山法相は、この公選法違反事件と、2002年に強姦(ごうかん)容疑などで逮捕され実刑判決を受けた富山県氷見市の男性が服役後に無罪となった事件を比較。「氷見事件の方は人違いなので、冤罪ということでしょう」との考えを述べた。

 その上で、公選法違反事件については「あのようなことが起きたことは誠に残念。二度とああいう形にならないよう、努力しなければならない」と再発防止を訴えた。

 鳩山法相はこの日午後、「冤罪ではない」発言の真意について早くも釈明。「冤罪という言葉は服役後に真犯人が現れるなど、100%ぬれぎぬの場合を言う。(公選法違反事件は)社会通念上は冤罪といえるだろうけど、そうすると、すべての無罪事件が冤罪扱いになってしまうのではないかと思う」とした。


 野党は一斉に反発。昨年10月、日本外国特派員協会での講演で「友人の友人がアルカイダ」と発言し物議を醸すなど、“失言”が相次いでいる法相だけに、民主党の小沢一郎代表は「裁判所の判断を否定する発言で、法相として大変不見識だ」と批判。社民党の福島瑞穂党首も「鳩山氏は冤罪の理解が間違っている。有罪と立証できなかったのだから間違いなく冤罪だ。無罪なのになぜ『冤罪でない』とおとしめるのか理解できない」と指摘。波紋は広がりそうだ。

 ◆鳩山法相の問題発言  ▼ベルトコンベヤー 2007年9月25日、閣議後の会見で死刑執行について「自動的に客観的に(執行が)進むような方法を考えたらどうか」と、法相の署名なしでの執行に言及。執行の順番を決める方法を「ベルトコンベヤー」「乱数表」と表現し、批判される。

 ▼友人の友人がアルカイダ 同年10月29日、外国特派員協会で講演し、02年のバリ島爆弾テロ事件について触れた際「友人の友人がアルカイダ」と発言。

 ▼ペンタゴンから接待 同年10月31日、衆院法務委員会でいきなり発言を求め「田中角栄先生の私設秘書になったとき、毎月のように、ペンタゴン(米国防総省)がやってきて食事をごちそうしてくれた」。

 ▼兄弟で80億円の損 08年1月22日、閣議後の会見で世界同時株安について「私が40億円損しているということは兄も40億円損しております」「『兄弟同時損害』ということでしょうね」と危機感なく発言。 

最終更新:2月14日8時0分


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