NHK NEWS WEB 7月31日 21時59分
アメリカの情報機関による個人情報の収集について、CIA=中央情報局の元職員が告発したことについて、CIAの元長官が30日、NHKのインタビューに応じ、「情報を入手する方法や情報源を暴露してしまった」と述べ、アメリカの諜報活動に長期的な影響が出るという見方を示しました。
インタビューに応じたのは、アメリカ空軍の諜報部門出身で、NSA=国家安全保障局や、CIAの長官を歴任したマイケル・ヘイデン氏です。
ヘイデン氏は、CIA元職員のスノーデン容疑者による告発について、「スノーデン元職員が漏らした機密はコップやバケツの水程度の量ではなく、水道管を壊したようなものだ。われわれがアメリカ国民の安全のために、どこからどのように情報を手に入れているのかを暴露してしまった」と述べ、今後何年にもわたってアメリカの諜報活動への影響が続くという考えを示しました。
そしてヘイデン氏は、「すでにテロリストが交信方法を変え始めている」と述べ、具体的な影響が現れていることを明らかにし、監視の対象者がメールや電話の使用を控える可能性があると指摘しました。
また、スノーデン元職員が香港に滞在後、モスクワの空港で足止めされていることに関連し、「中国もロシアも高度な情報機関を持っている。彼らがあらゆる手段を講じて情報の入手に動くことに疑いはない」と述べ、元職員が持ち出した情報が中国やロシアの政府に渡っている可能性が高いとの見方を示しました。
一方、情報機関による個人情報の収集にアメリカ国内でも反発が強まっていることについて、ヘイデン氏は、情報機関はこれまでよりも透明性を高める必要があるとの考えを示しました。
*◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
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