インテリジェンスレポート 内調・加賀美正人参事官が自殺 日本版CIA「内閣情報調査室」の闇

2013-04-15 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉

インテリジェンスレポート 大物メンバーが自殺 日本版CIA「内閣情報調査室」の闇
現代ビジネス「経済の死角」2013年04月15日(月)週刊現代
「自殺するような人ではなかった」—亡くなったキャリア官僚を知る人はみな、口をそろえてこう言った。謎の死の背景にあった国家間の情報戦。完全秘密主義の内閣情報調査室をレポートした。
 *まるでミステリー小説
  4月1日、午後3時7分。
  険しい表情で首相官邸へと入っていく二人の男の姿があった。一人は北村滋・内閣情報官。内閣情報調査室のトップだ。
  3時17分、同行していた防衛省の木野村謙一・情報本部長が先に官邸を出た。そこからさらに10分間、北村氏は安倍首相と「密談」を続けたのだった。
 「会談内容は極秘扱いですが、もちろん、同日朝に自殺した内調大物メンバーの件に間違いありません。防衛省の情報本部長が同席したことからも、国家機密漏洩の可能性も含めて、緊急の会談が持たれたのでしょう」(官邸担当記者)
  時計の針を7時間前に戻そう。
  4月1日、午前8時前。東京都渋谷区恵比寿の閑静な住宅街に、消防車のサイレン音が鳴り響いた。
  通報のあったマンションの一室に駆けつけた消防隊員は、内側から目張りしてあったドアを蹴破って、浴室へ入った。
  浴室内は練炭のたかれた跡があり、床には内閣情報調査室・加賀美正人参事官(外務省から出向中・享年50)の遺体が横たわっていた。
  通報をしたのは、加賀美氏が同居している母親の介護を務めるヘルパー。浴室のドアにあった「死んでいます。部屋に入らないでください」と書かれた奇妙な張り紙を見てのことだった。
  この加賀美氏の死は官邸と外務省に大きな波紋を呼び、それがいま永田町にも広がりつつある。
「『介護疲れによる自殺のようだ』と外務省幹部はふれ回っていたが、どう考えても家庭の事情による突発的な自殺とは思えない。練炭という苦しみを伴う方法からみても、加賀美氏には何か、確実に死ななければならない理由があったのではないか。
  さらに言えば、そもそも、加賀美氏の死は本当に自殺なのか……」(自民党議員)
  なぜ一人の外務省キャリアの死が、ミステリー小説のような憶測を生むことになるのか。
  謎解きを始めるにはまず、内閣情報調査室(内調)という耳慣れない組織の実体を知らなければならない。
  内調の役割について、元内調幹部は言う。
 「内外の情報を収集、分析し、それを首相官邸に上げる、内閣総理大臣直轄の諜報機関で、いわば日本版CIA。組織のトップは内閣情報官で、その下に約200名の人員がいる。メインの諜報部門は国内部門、国際部門、経済部門の三つ。それぞれ約50名の調査員を抱えているが、各自がどんな調査をしているか、席が隣の人間にもわからない。国内外の膨大な秘密情報が集約される、日本で唯一の諜報機関だ。めいめいが独自の人脈で情報収集をしており、諸外国の中枢まで食い込んで情報をとってくる者もいるが、逆に相手国に取り込まれて『二重スパイ』に堕してしまう危険性も常にはらんでいる」
  慶応大学を卒業し、'86年に外務省に入省。対ロシア外交のエキスパートだった加賀美氏は、今月末に予定されている安倍首相の訪ロにも深く関わっていたと言われている。
  その矢先の自殺だけに、ますます疑念は渦巻く。
 「そもそも外務省から'11年に内調に出向したのは、高齢の母親の介護のためや、出世コースから外されたためなどと噂されているが、それは『隠れ蓑』のようです。加賀美氏は父親が国連大使まで務めた外務省エリートで、いわばサラブレッド。『鈴木宗男殴打事件(後述)』の当事者でもあり、外務省としてはゆめゆめ粗末には扱えない人材です。
  実際、加賀美氏は同い年の世耕(弘成・官房副長官)さんと非常に近く、訪ロにも同行する世耕さんが、加賀美氏に密命を与えていたのではないか、とも言われています。世耕さんとすれば、外務省本省にいるよりむしろ、官邸直轄の内調にいてくれるほうが、仕事が頼みやすいという事情もあったのでしょう。
  加賀美氏は内調で冷や飯を食っていたというより、本省よりも自由に動ける上に、内調に集まる情報も活用できる『別働隊』として、安倍政権の対ロ政策に関わっていた可能性が高い」(外務省職員)
 *死ぬはずのない人が死んだ
  この言葉を裏付けるように、加賀美氏が母親と同居していたマンションの住民はこう語る。
 「加賀美さん本人を何度か見かけたことはありますが、こちらから挨拶をしても返さないような人で、あまり家にも帰っていないようでした。挨拶をしないのは無愛想というより、あまり近所の人とかかわりを持ちたくないような、そんな避け方でした。お母さんは車イス生活で、介護が必要なんですが、ヘルパーさんに任せきりで手伝っている様子もありませんでした」
  そして、死の2日後に都内のカトリック教会で行われた、加賀美氏の通夜に参列した慶応大学の同級生もこう語る。
 「私は大学時代のゼミも一緒で、彼の結婚式の司会も務めた仲ですが、自殺したと聞いてとても驚いています。彼は身体も大きく、おっとりしていて、あまり思い悩むようなタイプではなかった。悩みを持っていたとしても、それは一般の社会人が共通して持つようなものだったと思います」
  さらに、同じく通夜に参列していた、息子が加賀美氏の親友だという70代の知人女性の話。
 「私は正人君が小さい頃から知っています。いつも明るくて元気な子でした。最後に会ったのは昨年の12月。一緒にお酒を飲んだけれど、その時もいつもと変わらない明るさでした。だから介護疲れのノイローゼで正人君が自殺をするなんて、信じられません」
  加賀美氏の省内での立場やこうした近しい人々の証言からは、自殺の原因が介護疲れといった、個人的かつ精神的なものでないことが浮かび上がってくる。
  加賀美氏とロシアの関係を語る上で、避けて通ることができないのが、前述した「宗男殴打事件」である。
  '02年にいわゆる宗男バッシングが起きた際、「かつて鈴木宗男に殴られた」と名乗り出たのが、この加賀美氏だった。
 外務省側が主張する概要はこうだ。'96年、北方領土とのビザなし交流が始まって5周年の記念で、日本の桜を植える計画を鈴木宗男氏が中心となって立てた。北方領土に向かう船上で、ロシアが求めている検疫証明書を外務省としては出せないと宗男氏に伝えると、逆上した宗男氏が加賀美氏を殴った。加賀美氏は全治1週間の傷を負った—。
 *北方領土をめぐる利権争い
 「亡くなった加賀美さんの冥福を祈りたい」と前置きしながら、宗男氏本人は本誌にこう語る。
 「身体が大きくて、相撲取りみたいな見た目でした。外務省の中には彼を『関取』と呼んでいる人もいましたね。でも、別に威圧感があるわけではなく、ちょっとボーッとした感じの人でしたよ。
  不思議でならないのは、私に殴られたというのならば、すぐに傷害罪で訴えればいいわけですね。ところが5年も6年も経ってから持ち出してきた。組織として、私に対して何かの時に、この話を使おうと考えておったんでしょうな。
  私としては、あの嘘話はなんだったのかと言いたいですね。『診断書がある』と言ったって、(北方領土への)船の中にだってお医者さんはいたし、根室で船を下りてから病院に行ったっていいじゃないですか。それをわざわざ東京に帰って、しかも知り合いの診察所に行ったわけですから、そんなのなんとでも(診断書を)書いてくれますよね。
  あれは組織ぐるみの陰謀だったと思います。外務省はそういうことをよくやるんですよ。亡くなったいまとなっては無理ですが、私はやはり、加賀美さんの口から真実を聞いて、事実関係を明らかにしたかったという思いがあります」
  この事件の背景を、外務省に詳しいジャーナリストはこう解説する。
 「実は加賀美さんは、モスクワ大使館に赴任していた時代にトラブルがあり、KGBに弱味を握られていたと言われています。それもあって、外務省と宗男さんが対立した時に、先頭に立って宗男バッシングをすることで省内での地位を保とうとした。
 以来、加賀美さんのロシア人脈にはどこか危うさがつきまとうと言われるようになった。たとえば2月28日に、プーチン大統領に近いイシャエフ極東発展相が来日したが、加賀美さんは事前に世耕さんに『安倍総理が会う必要はない』と進言している。
  ところが直前になって森(喜朗・元総理)さんと宗男さんが動き、急遽、安倍総理との会談が組まれた。加賀美さんがイシャエフを安倍総理に会わせないようにしたことにも、何か裏があるとしか思えません」
  結果的に、安倍総理とイシャエフの会談は「4月の訪ロのよい先鞭となった」と言われているが、「そんな単純な話ではない」と語るのは前出の外務省職員だ。
 「森さんも宗男さんも2島返還論者として知られていますが、外務省の中にもクレムリンにも、それを面白くないと思う勢力がいるわけです。北方領土には様々な利権が絡んでいる。加賀美さんが過去の弱味も含め、KGBから揺さぶりをかけられていた可能性も十分にあるでしょう」
  最後に宗男氏が、国家の情報管理の観点からこう苦言を呈する。
 「内調の参事官であれば国家機密も扱っている。自殺と聞いて、私は真っ先に『情報漏洩は大丈夫か』と心配しました。官邸、内調、外務省はその点についてしっかり調査すべきです」
  機密情報が漏れていたとしたら、内調の責任は重大である。
 「週刊現代」2013年4月20日号より

 ◎上記事は[現代ビジネス]からの転載・引用です
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内閣情報調査室内閣参事官のA氏が練炭自殺 インテリジェンス業務には、激しいストレスがかかる 2013-04-05 
 自殺外務省キャリアと宗男氏の浅からぬ因縁… ロシア問題で激しくバトル
 zakzak2013.04.02
 東京・恵比寿にあるマンションで1日、内閣情報調査室内閣参事官のA氏(50)が練炭自殺しているのを発見された。このA氏、外務省のキャリア官僚でロシア問題の専門家として知られ、新党大地の鈴木宗男代表とは激しいバトルを繰り広げていた人物だった。
 1日午前7時50分ごろ、恵比寿南3丁目のマンション一室の風呂場で、A氏が倒れているのを119番で駆け付けた救急隊員が見つけ、間もなく死亡が確認された。
 風呂場は内側から目張りがされており、練炭がたかれた跡が見つかった。A氏は母親と同居しており、別の部屋には「中に入らないでください。死んでいます」との置き手紙があった。警視庁渋谷署ではA氏が自殺したとみて、調べている。
 A氏は外務省のキャリア官僚で、国際情報統括官などを歴任。鈴木氏が1996年5月に、北方領土・国後島を訪問した際、同行したA氏が鈴木氏に殴られたと騒動になった。
 この件について、A氏は「全治1週間」の診断書を出したが、鈴木氏は事実が違うなどとして、政府に対する質問主意書などで対抗していた。
 外務省関係者は「A氏はやり手として知られていた。あの鈴木氏相手でも引かなかった。ロシアの専門家で、安倍晋三首相のロシア訪問(4月末)でも活躍したはず。心身の不調でもあったのか。正直驚いている」と語っている。。

  ◎上記事は[zakzak]からの転載・引用です
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心理負担大きい情報業務
中日新聞2013/4/5 Fri.「本音のコラム」佐藤優
 1日朝、外務省から内閣情報調査室に出向している内閣参事官のA氏(男性、50歳)が、都内自宅の浴室で遺体で発見された。状況から練炭自殺をしたのではないかとみられている。筆者は、A氏をよく知っている。心から哀悼の意を表明する。外務省のキャリア職員でロシア語を研修し、インテリジェンス部局で勤務することの多い人だった。外務省では、国際情報統括官組織(前国際情報局)の幹部として勤務したことがある。
 インテリジェンス業務には、激しいストレスがかかる。適性のない人が、こういう業務に従事すると、心理的に追い詰められて自殺を図ることがある。筆者が国際情報局分析第1課に勤務したときも隣の課の首席事務官(外務省独自の役職で、他省の筆頭課長補佐に相当)が、地下1階のボイラー室で縊死した。このときは国際情報局が総力を挙げて、「ノイローゼによる自殺だから事件性や構造的問題はない」と新聞記者に働きかけ、大きなニュースにはならなかった。去年は、海上保安庁から出向している国際情報統括官組織の企画官が自宅で自殺した。種々の憶測報道がなされたが、外務省から納得のいく説明はなされなかった。
 A氏の死に関して、外務省は誠実に真相究明をし、今後、インテリジェンス部局から自殺者が出ないような人事配置をしてほしい。(作家・元外務省主任分析官)

  ◎上記事は[中日新聞]からの書き写し(=来栖)
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「インテリジェンス 闇に消える内調幹部自殺 / 米国における日本のプレゼンスの低さ」 佐藤優 2013-04-17 
 情報界震撼、闇に消える内閣情報調査室幹部自殺 
 マスコミが報じない米国における日本のプレゼンスの低さ~佐藤優氏
 2013.04.12(金) JBpress 「マット安川のずばり勝負」2013年4月5日放送
マット安川 ゲストに元外務官・佐藤優さんを迎え、北方領土をめぐる対ロシア外交の現状をはじめ、インテリジェンスの問題や日米関係の懸念点などを幅広く解説していただきました。
*北方領土交渉の流れに変化、12年前に戻る
佐藤 今年2月、森(喜朗、元首相)さんがモスクワを訪問したのは、安倍(晋三、首相)さんの訪露を準備するという意味では非常によかったと思います。
 プーチン(ロシア大統領)さんは昨年から北方領土問題について「引き分け」などと言っていましたが、それがどういう意味なのかよく分からなかった。それが、日露双方が受け入れ可能な形を考えようということだと分かりました。ロシアとしては、何も条件をつけないで話し合いをするのであれば、何らかの妥協はしましょうと。
 ただし具体的なものはありません。ですから、この4月の終わりに安倍さんが訪露を予定していますが、その時は、1年以内くらいを目処に動かしていきましょうというような合意しかできないと思います。
 双方の外務省が1年以内に十分な準備を行って何らかの合意ができれば、来年プーチンさんが来日する時に北方領土問題は動きます。逆に、合意できなければ、プーチンさんは来日しない。そういう意味では日本の外務省の責任はこれから非常に重くなります。
 北方領土問題は、2001年に当時の森総理大臣とプーチン大統領が署名したイルクーツク声明をベースに交渉すれば、再び動き出す可能性があります。要するに、12年前に鈴木宗男さんが森さんと一緒にやろうとしていた路線に戻るということです。
 ただ12年経って、日本はその時よりも弱くなり、ロシアは強くなった。この状況でどういう妥協ができるのか、非常に難しい交渉になると思います。
 私としてはちょっと愚痴をこぼしたくなるのは、鈴木さんと私はあの時、国賊だと言われて捕まったわけです。ところが、いま政府がやっているのはあの時の路線です。それならなぜ捕まったのかと。
 まあちょっと早すぎたのか、もしくは12年経ってみんなが理解してくれたと思えば、それほど腹も立ちませんが。いずれにしろ、北方領土交渉の流れが変わってきたということです。
*内調幹部の自殺で、日本のインテリジェンス業界に震撼
 いま日本のインテリジェンス業界を震えあがらせていることが起きています。この4月1日、東京都内のマンションの1室で、内閣情報調査室の幹部が自殺したんです。
 この人は外務省から出向していて、米軍の学校でロシア語を勉強して、そのあとモスクワにも勤務している。さらに外務省の国際情報統括官組織の課長級の幹部でした。
 こういう世界の人が自殺するというのはたいへんな話です。精神的にものすごく強い人が配置されるわけですからね。自殺は間違いないようで、何か追い込まれるような状態になったんでしょう。
 しかし、この問題が闇に葬り去られようとしています。外務省も内閣情報調査室も、本人の名前すら明らかにしていません。
 ただ、鈴木宗男さんのホームページを見ると名前が出ています。実はこの人は、かつて鈴木さんがやっていた北方領土交渉に反対して、やめさせようとしていた外務省の幹部なんです。
*NSCとインテリジェンスとは役割が違う
 現在、日本版NSC(国家安全保障会議)創設の議論がなされていますが、NSCとインテリジェンスは別ものであることがあまり理解されていません。NSCをつくって、ここで情報を集めるんだと勘違いしている。
 NSCは何をするところかというと、戦争をするかしないかを決めるところです。高度な政治決断を行うところであって、情報を集めてくるのは別の部局がやらなければいけない。このへんのポイントを理解せずにNSCの議論をしている感じがします。
 また、総合商社などによるビジネスのインテリジェンスと、国家安全保障のインテリジェンスも違うものです。
 国家安全保障では、時には経済的にマイナスになってもやらなければいけないこともある。乱暴なことを言うと、自国の国益に有害な人には死んでもらうこともあるわけです。
 ビジネスではそういうところまではやらない。そこまで踏み込まないといけないのが、インテリジェンスの真実の姿なんです。
 では、日本はどう対応すればいいのか。インテリジェンスをどうやって育成するのか。それは政府機関でやるしかありません。我われは陸軍中野学校などの伝統を持っていますから、そのへんを復活させればいい。
 ただ、現代的な民主的な統制の下でのインテリジェンスをどういうふうにやるかはなかなか難しい課題です。
 本当に秘密裡に処理しなければいけないことは、そのためにおカネもつけないといけない。おカネというのは、民主主義国家においては透明にしなければいけませんから、その中で完全な機密費をどうやってつくるかというのはけっこうたいへんな話です。
*安倍首相の訪米で露呈した日本のプレゼンスの低さ
 2月の安倍さんの訪米は、日本では成功だと言われています。ところが、東郷和彦(京都産業大学教授)さんという私の前の上司に聞いた話では、まったく違います。
 東郷さんは先日アメリカに行ってこられたんですが、アメリカにおける日本のプレゼンスがほとんどないというんです。例えば、安倍さんの訪米について、ワシントン・ポストは8面に掲載していたという。それはアフリカの国のトップが訪米した時のような扱いと同じです。
 また、中国軍のレーダー照射事件について、アメリカのエリート層の多くが、日本のでっち上げだと思っているというんです。
 中国はものすごくプロパガンダをやりましたから、事情をあまり詳しく知らないアメリカ人は政治家も含めて、日本のでっち上げだと見ていると。そういうことが日本には伝えられていません。
 これから日米関係を強化していかなければならないわけですが、いまアメリカで一番注目すべきことは「シェール革命」です。シェール層にある天然ガスや石油を採ることで、アメリカは2030年代くらいにはエネルギーの輸出国になります。
 その時にアメリカがどういう戦略を取るのか。再びパックス・アメリカーナということで、アメリカの影響力を世界中に広める方向でいくのか。それとも、世界から嫌われて面倒くさいから、例えば中東などから手を引くのか。
 これまではエネルギーが必要だから中東から手を引けなかったけれど、自分のエネルギーを持てば手を引くこともできます。
 アジア地域についても、金持ちケンカせずということで、中国と住み分ける可能性が高い。
 すると日中の争いは勝手にやってくれ、我われは知らないよということになりかねません。すでにそういう感じに少しなっています。日米関係も、アメリカのエネルギーがどうなるかで大きく変わってくると私は見ています。
*佐藤 優(さとう・まさる)氏
元外交官、文筆家。インテリジェンスの専門家として知られる。第38回大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞した『自壊する帝国』の他、『獄中記』『国家の罠-外務省のラスプーチンと呼ばれて』『3.11 クライシス!』『世界インテリジェンス事件史』など著書多数。

  ◎上記事は[JBpress]からの転載・引用です *リンクは来栖
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