〈来栖のつぶやき 2008-10-14〉
自ら死を選ぶような人ではない。日本政府は、なぜ三浦さんを米国にいいように、させたのか。怒りが込み上げる。一人の邦人など、米国に連れ去られようが死のうが、どうでもいいのだろう。いや、無名の一邦人ではなく、それが三浦さんだったから、米国のするに任せたのか。日本の司法はなぜ、自らの判決を無力にされても平気なのだろう。
四半世紀前、想像に絶するほどの苛酷を極めたであろう取り調べにも三浦さんは潔白を主張して曲げなかった。強靭な精神の持ち主であることに違いないが、潔白でなければ耐えられない取り調べではなかったか。
膨大なマスコミ訴訟で8割もの勝訴を勝ち取った。殆どを本人訴訟で闘った。しかし彼はどこまでも合理的で情があった。独特の筆致で、無駄な文言の一つもなく、論理的な書面が彼の「鉛筆1本」から生まれた。「相手の言い分に教えられることもある。そういうときは、素直に『なるほど』と感心する。気持がいい」「あちらが解ってくれればいいことなので、解ってくれれば(支払い額を)負けてあげるんです」と言った。
明朗でpositiveな姿勢を崩さない人だった。確定判決前は余裕とユーモアに溢れていた。「『氏名不詳者』には、開いた口が塞がらない」と笑い飛ばした。
「ごめんなさい。心配かけました」と言って、今でも三浦さんが帰ってくるような気がしてならない。死は、信じられない。三浦さんの人柄について、恐らく私は僅かしか知らないのだろう。自死は腑に落ちない。受け入れがたい。
ロス捜査当局は新証拠を持っているなら、真犯人を挙げて戴きたい。出来るはずだ。
昨日、修院で告解をした後、聖堂に入り、三浦さんの冥福を祈った。もはや彼はこの世の人ではない。この世は「三浦がやったのではないか」との追及は、止めよ。彼は、この世から取り去られた。
今日に至ってなお、未亡人にカメラとマイクを向ける、人の心をもたないメディア。メディアは、これ以上の醜悪を止めよ。ロス疑惑においても光市事件においても・・・多くの重大事件に於いて、メディアの演じた役回りは無節操・醜悪に過ぎた。
米当局・日本政府・メディア・・・三浦さんの命を奪った「この世」に対する怒りが、私の全身を震えさせる。
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<三浦元社長>死亡真相究明まで遺体引き取らず 夫人が意向
(毎日新聞 - 10月13日 19:41)
米ロサンゼルス銃撃事件で、ロスへの移送直後に三浦和義元社長(61)が自殺したことについて、日本の裁判で主任弁護人を務めた弘中惇一郎弁護士が13日会見し、「残念でやりきれない気持ちだが、なぜ自殺と言えるか明らかでない」と語った。また三浦元社長の妻から電話があり、死亡の真相が究明されるまでは遺体の引き取りを拒否する意向を伝えてきたことを明らかにした。
弘中弁護士によると、最後に連絡を取ったのはロス移送直前の10日。三浦元社長から電話があり、「ロスにはきちんとした裁判をやるために自分の意志で行くんです。みなさんにもそう伝えてください」と元気な様子だったという。
しかし今月11日午後5時ごろ、弁護方針を伝えるため元社長の妻に電話した際に「自殺だということです」と知らされた。妻の声は悲鳴に近いものだったといい、自らも「驚いて信じられなかった」という。
元社長の家族は拘置所の刑務官への事情聴取など、死亡した経緯の徹底調査を米国側に要求しているという。弘中弁護士は「直前まで非常に元気だったわけで、死亡が自殺かどうかはっきりしていない。まず真相究明を第一に要求したい。また逮捕からの手続きは基本的人権を無視したもので、日米の捜査当局に厳重に抗議したい」と語った。【古関俊樹】
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◆ 27年目のロス疑惑ー洞爺湖サミットー共謀罪(中日新聞2008/3/7) 「三浦元社長逮捕」の行方2008/6/3
◇ 三浦和義元社長が手記 月刊誌「創」5月号(2008/3月23日付) 逮捕への憤りあらわに
◇ 弘中惇一郎著『無罪請負人』 (2014/4/10初版発行) / 三浦和義氏手記
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