「北朝鮮特別代表を処刑」 米朝首脳会談物別れの責任で 韓国メディア 2019/5/31

2019-05-31 | 国際/中国/アジア

「北朝鮮特別代表を処刑」韓国メディア 米朝首脳会談の責任で
 NHK NEWS WEB 2019年5月31日 17時57分 北朝鮮情勢
 韓国メディアは、2回目の米朝首脳会談に向けてアメリカとの交渉を担当した北朝鮮側の特別代表が、会談が物別れに終わった責任を問われて処刑されたと伝えました。韓国政府は、事実関係を確認できないとして慎重な見方を示しています。
 これは韓国の大手紙 朝鮮日報が、北朝鮮の消息筋の話として31日の朝刊の一面で伝えたものです。
 それによりますと、ことし2月に行われた2回目の米朝首脳会談に向けてアメリカ側との交渉にあたった北朝鮮のキム・ヒョクチョル特別代表は、会談が物別れに終わった責任を問われて会談の1か月後に当局の調査を受けたということです。
 その結果「アメリカ側に抱き込まれてキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長を裏切った」と判断され、スパイの疑いで首都ピョンヤン郊外のミリム(美林)飛行場で処刑されたということです。
 また、交渉を統括していたキム・ヨンチョル朝鮮労働党副委員長は強制労働の処分を受け、会談に同行したキム委員長の妹のキム・ヨジョン(金与正)氏も謹慎中だと伝えています。
 一方、この報道について韓国統一省の副報道官は31日の定例記者会見で「確認できない」と述べ、韓国大統領府の高官も記者団に「以前にも北に関連した報道はあったが、違った場合も多かった」と述べるなど、韓国政府としては慎重な見方を示しています。

■処刑? キム・ヒョクチョル特別代表
 キム・ヒョクチョル氏はことし2月、2回目の米朝首脳会談に向けて、国務委員会に所属する特別代表としてアメリカとの実務協議を担当しました。朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、米朝首脳会談当日の紙面にキム委員長が滞在先のホテルの一室でキム特別代表と向かい合って座り、報告を受けている写真を掲載しました。
 写真にはキム特別代表がキム委員長の発言を聞きながら、右手にペンを持ってメモしている様子が写っていて、キム特別代表が首脳会談にあたって重要な役割を担っていたことがうかがえます。
 朝鮮中央テレビが米朝首脳会談の翌週の3月6日に記録映画を放送した際には、ベトナム政府主催の晩さん会に出席したキム特別代表がテーブルに座って拍手している様子が映っていますが、これ以降、キム特別代表の動静は公式には確認されていないものとみられます。
 このためキム特別代表の処遇をめぐって関心が集まっていました。

■強制労働?キム・ヨンチョル党副委員長
 朝鮮労働党副委員長 キム・ヨンチョル氏は、キム朝鮮労働党委員長の側近として知られ、去年6月に開催された史上初の米朝首脳会談と、ことし2月の2回目の米朝首脳会談では、いずれも首脳会談に先立ってワシントンでトランプ大統領と面会し、キム委員長からの書簡を手渡すなど、首脳会談の実現に向けて重要な役割を果たしてきました。
 2回目の米朝首脳会談のあと最高人民会議の代議員に再選し、先月行われた最高人民会議ではひな壇に座る姿が朝鮮中央テレビで放送されています。
 その一方で韓国の情報機関は、キム副委員長が統一戦線部長を退いたことを明らかにし、会談が物別れに終わった責任を問われたのではないかという見方も出ていました。

■謹慎?キム・ヨジョン氏
 キム朝鮮労働党委員長の妹、キム・ヨジョン氏は過去2回の米朝首脳会談に同行するなどキム委員長の側近として厚い信頼を受けているとみられてきましたが、ことし3月以降、国営メディアでその動静が伝えられていません。
 去年6月の史上初の米朝首脳会談に同行した際には、アメリカのトランプ大統領とともに共同声明に署名するキム委員長のすぐそばで補佐する姿が確認されました。
 ことし2月の2回目の米朝首脳会談にも同行し、特別列車がベトナムの駅に到着した際、キム委員長が降りる前にヨジョン氏が降りて周辺を確認するなど、キム委員長を身近に支える存在であることが改めて印象づけられました。
 しかし北朝鮮の国営メディアを分析しているラヂオプレスによりますと、先月11日の最高人民会議に出席した姿が国営テレビで確認されたものの、2回目の米朝首脳会談を伝えたことし3月5日以降、国営メディアでヨジョン氏の名前は伝えられていないということです。
 さらに、先月、ロシアで行われたロ朝首脳会談にも同行しなかったことから、ヨジョン氏の動静や役割の変化に関心が寄せられていました。

■官房長官「個別の分析は事柄の性質上 控える」
 菅官房長官は記者会見で「わが国として北朝鮮の動向には重大な関心を持って常日頃から情報収集と分析に努めているところだが、個別の具体的な分析については事柄の性質上、控える」と述べました。
 また、安倍総理大臣が日朝首脳会談の実現を目指していることについて記者団が「独裁者と会談する意義をどのように考えているのか」と質問したのに対し、「拉致問題を解決するためには、やはり最高責任者とひざを交えて話すべきではないか」と述べました。

  ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です

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