産経ニュース 2015.10.20 20:25更新
習政権、無人機で抗議のウイグル人を殺害 カーディル議長 「現在進行の人権侵害追及を」と国連批判
会見する世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長=20日、東京都千代田区(荻窪佳撮影)
中国から逃れた亡命ウイグル人の組織を束ねる「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長(米国在住)は20日、都内の参院議員会館で会見し「習近平政権の下でウイグル人への弾圧が一段と激しくなっている」と訴えた。また国連に対し、「歴史的な問題は追及するのに、なぜ現在進行形の人権侵害は追及しないのか」と疑問を呈した。
カーディル氏は、中国当局が新疆ウイグル自治区で一般の宗教活動も非合法化するなど、取り締まりを強化していると指摘。ウイグル人の抗議活動に対しては、治安当局が無人機などによる攻撃で殺害していると非難した。また未婚女性を強制的に自治区外に移住させ、「民族浄化」を行っているとも主張した。
カーディル氏は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(IS)」と自治区内の一部勢力との関係を中国当局が示唆していることに関して「弾圧を正当化するためにIS問題を利用している」と強調。
一方、8月にタイの首都バンコクで発生した爆弾テロ事件でウイグル人とみられる男が逮捕されたことについては「真相がわからないが、もしウイグル人の犯行なら激しく非難する」と語った。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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2015.10.23 09:00更新
【世界ウイグル会議・カーディル議長】会見詳報「中国の弾圧は国家テロ」「国連はなぜ黙っているのか…」
亡命ウイグル人組織を束ねる「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル議長が20日に都内の参院議員会館で記者会見を開いた。カーディル議長の主な発言とやり取りは次の通り。
《世界ウイグル会議は2004年に設立された。ノーベル平和賞候補にのぼる一方で、中国政府が「分離独立主義者」「テロリスト」と非難するカーディル氏。発言は全てウイグル語で行われ、同会議日本・東アジア全権代表のトゥール・ムハメット氏が通訳を務めた》
■「国連は大国のやることにはノータッチ」
「習近平(国家主席)が政権を取ったこの2年あまりはウイグルに対する弾圧が一段と激しくなっている。政権は弾圧を隠蔽しているが、まったく抵抗しない普通の農民や市民らを殺害している」
「私は国連に驚いている。歴史的な問題を彼らは追及するが、現在行っている殺戮(さつりく)に対してはなぜ黙っているのか。なぜ現在進行形の問題については追及しないのか。大国のやっていることには何もタッチしないという態度なのか。中国当局はウイグルの資源を略奪し、その金を世界にばらまいて、民族浄化を正当化している」
「今、彼らはウイグル人に対する銃殺の権限を末端の警察官に与えている。2001年の米中枢同時テロ以降、反テロを利用して無実のウイグル人を大量に逮捕し、テロ分子を処刑したという名目で人権侵害を行っている」
《中国政府高官は今年3月、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国(IS)」に、「新疆の一部のテロ分子」が参加していると言及した》
「世界各地からいろんな人が中東に(戦闘員として)渡航している。そのことで出身国がテロ国家とされることはない。正確な情報はわからないが、ウイグルからも何人かがそこに入り込んだ可能性がある。私たちウイグル人は2千万人の人口を持つ大きな民族だ。中国は弾圧を正当化するためにIS問題を利用しているだけだ。自分たちの人権を守る戦いは、決してISとは同じものではない」
「私たちのすべての抵抗は、まったくテロとは無関係だ。中国当局はウイグル人を毎日殺し、無実の人を数万人単位で投獄している。これはどうしてテロといわれないのか。国際社会のテロに対する基準ははっきりされるべきだ。“国家テロ”によって抑圧されている民族の状況を考慮すべきだ。人権侵害を激しく受けている民族の抵抗をテロに結ぶ付けるのはとても理不尽なことだ」
《カーディル氏は、未婚女性の強制移住によりウイグル民族の“浄化”が進められていると訴える》
「私たちは長い歴史と独自の文化を持ち、人種的にも中国とまったく違う。私たちの美しい文化文明を中国はつぶしてきている」
「中国当局はわれわれを浄化するひとつの手段として、未婚のウイグル人女性を就職の名目で中国本土に強制連行している。それを阻止しようとしたウイグル人たちはさまざまな名目で弾圧を受けている」
「一方で中国政府は中国人を百万単位で(新疆ウイグル自治区に)移住させている。彼らは就職も資源開発も何をやっても自由だ」
《企業家だったカーディル氏は、中国の国政諮問機関「全国政治協商会議」の委員在職中に中国指導部を批判して投獄。05年に釈放され、米国に移っている》
「中国当局は最近、国際警察にラビアはテロリストだとアピールしているようだ。私はウイグル人に、平和的な手段に訴えることを呼びかけている」
■「無実の若者が刑務所にあふれている」
《国家分裂罪で無期懲役が確定したウイグル族学者、イリハム・トフティ氏にも話は及んだ》
「トフティ氏はウイグル人と中国人との平和共存を主張する大学の教授だ。そういう方でさえも投獄されて無期懲役となった。この件からも、ウイグル人がいかにひどい対応を受けているかわかると思う。何の罪もないウイグルの若者たちが中国の刑務所にあふれている」
「私たちの街は中国の軍・警察であふれている。ウイグルにおける著しい人権侵害が日本でも話題になり、国会や日本政府もこの問題に関心を寄せることをお願いするため、今回日本を訪問した」
《カーディル氏の約20分の発言に続き、質疑応答が行われた》
--日本政府へのお願いという話だが、政府の反応は
「国会議員の方に私のお願いを伝えた。みなさんは真摯(しんし)に受け止め、国会の中でこの問題を議論し、対応するという約束をしてくれた。今後いい方向にいくのではないかと思っている」
《記者会見前、参院議員会館ではカーディル氏らと国会議員との懇談が行われていた》
--国会議員との懇談ではどのような言葉を交わしたのか
「議員の皆さんからは、外務省がウイグル問題をきちんと扱うべきではないかという意見があった。また『ラビアさんはウイグル民族の象徴的なリーダーであり、平和的な方向でウイグル問題を解決していく上では(チベット仏教の最高指導者)ダライ・ラマ法王と同じような役割を果たすのではないか』と大変高く評価していただいた。日本におけるウイグルの人権問題は、より広く深く扱われる条件が整ったのではと考えている」
■「最も犠牲者が多いのが習政権」
--現在投獄されているウイグル人の数は
「中国の弾圧はすさまじく、公表されているデータの統計では(中華人民共和国成立後の)66年間で百数十万人の犠牲を出している。最も犠牲が多かった期間の一つが習近平政権の2年余りだ。1964年から始まった原爆実験の犠牲者も入れると莫大な数になる」
《中国では自治区内で武装グループが警察署などを襲撃、鎮圧されたとの報道がしばしば流れるが、カーディル氏は異を唱える》
「2014年7月にカシュガル地区ヤルカンド県でイスラム教のラマダン(断食月)明け直前に、12人の女性や子供たちがある家に集まり、夜のお祈りをささげていた。中国当局は宗教活動を非合法化して取り締まっており、ある村人がこれを密告。警察の特殊部隊が押し入り、その家の幼児からお年寄りまで殺害してしまった。役場に抗議にいった男性たちも殺害され、さらに広まった抗議活動に対しても無人機を使って相当な数を殺害した。ヤルカンドで殺害されたのは2千人以上といわれている」
--中国ではテロ対策を強化する「反テロ法」が審議され、近く成立する見通しだが
「ウイグル人もテロに反対している。しかし中国の反テロ法は彼らの“国家テロ”を正当化するためだ。ウイグルの人権問題を直視し、その行為を阻止しなければ将来は国際社会も中国の脅威を受けることになる」
オメル・カナット副議長「彼らは反テロ法によって、本来テロの範囲に入らない事柄もテロと定義し、合法的に、より広い範囲で激しく弾圧できる法律をつくろうとしている」
--8月にタイ・バンコクで起きた爆弾テロ事件で、ウイグル人とみられる人物が逮捕されたが
「私たちは本当に真相がわからない。もしウイグル人がそれをやったのであればわれわれは激しく非難する。罪のない人たちが殺されることは痛ましい」
--タイ政府が亡命ウイグル人を中国に強制送還したことが事件の背景にあるとの見方もある
「これまでは東南アジアを逃亡先に選んだことはなかったが、あまりにも弾圧が激しく、われわれとはつながりのない東南アジア諸国を亡命先として選んで逃げた。この2年間で1万人近いウイグル人が家財を手放し家族全員で逃げるという道を選んだ」
「熱帯のジャングルの過酷な環境の中で逃亡生活をし、一部の人たちは現地の政府から投獄されるなどの悲劇も起きている。彼らは母国では犯罪を起こしたこともない普通の人たちだ。人身売買の組織に金を払って東南アジアに逃げたわけだが、大多数は外国語能力はゼロで、現地の言葉もわからないし国際情勢の知識もない。彼らの一部がタイの当局に投獄され、幼い子供たちが何人も死んだ」
「行き場を失ったウイグル人が大量にさまよい、いろんな人たちが彼らをだましたり誘拐したりした。彼らの運命は犯罪集団に決められた。中国も外交力と経済力をつかってこの問題に介入し、ウイグル人を中国に強制送還させた」
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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産経ニュース 2015.9.10 08:00更新
【朝鮮半島ウオッチ】潘基文氏に国連事務総長の自覚はあるのか? 抗日行事で「中国人民の平和への願いが示された…」
3日、北京の天安門から軍事パレードの開始にあたり拍手を送る(右から)中国の習近平国家主席、プーチン露大統領、韓国の朴槿恵大統領。左端は国連の潘基文事務総長(ロイター)
抜けるような北京の青空の下、抗日戦勝70周年軍事パレードで習近平国家主席が威信を誇った。その横にはプーチン、朴槿恵、ふたり置いて潘基文の各氏が並んだ。中国に惜しみない“拍手”を送る3人を、国際社会は冷ややかに見つめた。特に潘基文氏の登壇は加盟国193カ国の頂点に立つ国連トップの見識を問われてしかるべきだ。習近平氏との会談で潘氏は行事を「中国人民の平和への願いが示された」などと褒めちぎったが、この国連事務総長の真意は一体、どこにある?(久保田るり子)
■国連内で批判される「目に余る自国主義」
軍事パレードへの懸念に対し潘基文氏は「今回の機会を通じ、全ての国が過去を振り返り未来に進む機会にしてほしい」(事務総長報道官)という立場を強調、5月のロシアでの対独戦勝記念日など複数の行事に参加したことを理由に、参加の正当性を強調してきた。
しかし、中露の式典には出席するが、今年8月の広島の平和記念式典には来ていない。また安倍晋三首相の戦後70年談話に関しては「歴史に対する日本政府の謙虚な反省に基盤をおいた真の和解が必要だ」と批判的な論評を出している。潘氏の軍事パレード出席を「中立性を損なう」と抗議した日本政府には「歴史の教訓を元に未来に進むことが重要」などと「歴史」「教訓」を繰り返した。
潘氏は日本に対するコメントで、事務総長の立場より韓国の主張を強く反映させる。産経新聞前ソウル支局長が朴槿恵大統領の名誉を毀損(きそん)したと市民団体から告発された裁判でも、韓国の報道の自由について潘氏自らは沈黙を続け、問われても「係争中であり、立場は表明しない」などと論評を避けてきた。
中国問題への対応でも、国連より韓国の立場が優先するようだ。朴槿恵政権で中韓関係が「蜜月」となった昨秋、香港で起きた民主派デモに関し、潘氏は「内政問題」として深入りを避け配慮する姿勢をみせた。
国連関係者によると、事務総長は略してS・G(セクレタリー・ジェネラル)というが、潘基文氏の場合は同じS・Gでもサウスコリア・ガバナー(韓国総領事)じゃないの? とささやかれているという。
比較されるのは前任のコフィー・アナン氏(出身国ガーナ、1997-06)だ。アナン氏は米国のイラク侵攻を違法と米国と対立したほか、各地での紛争に自ら調停に当たって難民や貧困問題に意欲的に取り組んだ。その功績に「自国」の影はまったくみえない。潘氏の国連人事は韓国人登用が目立ち、「自国主義が目に余る」と言われ久しい。
■韓国では潘基文・次期大統領の待望論
NYコリア・タウンでの潘人気は絶大だという。
潘基文氏が現れると在米韓国人に囲まれ握手攻めになり、食事もままならないというわけで、「最近の潘氏は日本食レストランによく現れる」(国連ウオッチャー)
韓国での潘人気も非常に高い。韓国世論調査では「次期大統領にふさわしい人物」の上位に挙げられ、2年半後に実施される大統領選に向け次期大統領待望論が取り沙汰されている。韓国人は「国民は潘基文氏を韓国の英雄とみている。大統領より上だ。国連事務総長は世界の大統領だ」(40代男性)
潘基文氏は韓国中部・忠清北道生まれで幼い頃から模範生だった。米国人エンジニアの家族が近所に暮らしていたことで英語に目覚め、猛勉強で高校生のときに米国訪問プログラムの難関を制して渡米の機会を得た。このときワシントンでジョン・F・ケネディ大統領に面会、これが「外交官への夢」につながったというのが韓国でよく知られる「潘基文物語」である。
潘基文氏は2006年、盧武鉉政権の外相時代に国連事務総長選に躍り出た。ポスト・アナンの事務総長選で北東アジアから初の事務総長が注目されるなか、韓国政府は猛烈な攻勢をかけてインド、タイ、スリランカ、ヨルダンの候補を制した。盧武鉉時代の潘氏は盧大統領が反米親北で物議を醸すなか、比較的バランスを取る外交力が評価された。だが、一見温厚な外交官に見えるが、素顔は「野心的な人物」との評は当時からささやかれていた。
現在、潘基文氏は大統領選への出馬を否定しているが、来年2期目の任期が終了して帰国する時期は、まさに韓国の“政治の季節”突入の時期と重なることになる。
潘基文氏は事務総長就任以来、これまで何度も「北朝鮮を訪問したい」と述べてきた。今年も「朝鮮半島の平和と安定のため」として、5月下旬に北朝鮮・開城工業団地を視察するとの名目の訪朝計画があった。このときは実現が見込まれたが、前日に北朝鮮側が理由も明らかにしないまま、訪朝許可を取り消した。潘基文氏は事務総長として訪朝したいのか、次期大統領として訪朝したいのか。いずれにしても、その「野望」は統一問題にあるのではないか、ともいわれている。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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◇ 新疆ウイグル自治区で爆発 ウイグル族は中国共産党政権の民族浄化政策、弾圧に苦しめられてきた 2014-05-01
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