女子大学生に「タリウム」を摂取させて殺害 宮本一希容疑者逮捕 2023/3/4

2023-03-04 | 身体・生命犯 社会

「タリウム」殺害事件 容疑者 “せき止まらなくなり看病”
   2023年3月4日 17時46分 NHK 事件

 京都市の集合住宅の一室で21歳の女子大学生に毒性の強いタリウムを摂取させて殺害したとして知人の男の容疑者が逮捕された事件で、容疑者が逮捕前の任意の調べに対し「大学生の部屋で酒を飲んでいたら、せきが止まらなくなり看病していた」などと説明していたことがわかりました。

 逮捕後の調べに対しては黙秘しているということで、警察が詳しいいきさつを調べています。
 京都市左京区の不動産業、宮本一希容疑者(37)は、去年10月、京都市北区の集合住宅の一室で、この部屋に住む知人で大学生の濱野日菜子さん(21)に毒性の強いタリウムを摂取させて殺害したとして殺人の疑いが持たれています。
 捜査関係者によりますと、2人は濱野さんのアルバイト先で知り合ったとみられ、事件当時、飲食店で食事をしたあと濱野さんの部屋で酒を飲み、その後、体調が悪くなったということです。
 当時の状況について、容疑者は逮捕前の任意の調べに対して「部屋で酒を飲んでいたら急にせきが止まらなくなり看病していた」と説明していたということです。
 警察によりますと、濱野さんはタリウム中毒による重度の呼吸困難で死亡していて、吐しゃ物からはタリウムが検出されたということです。
 逮捕後の調べに対しては黙秘しているということで、警察が詳しいいきさつを調べています。

去年10月の2人の様子は
 捜査関係者によりますと、2人は濱野さんのアルバイト先で知り合ったということです。
 警察によりますと、去年10月11日、2人は京都市内の飲食店で食事をしていました。
 このあと、京都市北区の濱野さんのマンションに移動し、部屋で酒を飲んでいたということです。防犯カメラの映像では、移動している間、濱野さんに変わった様子はみられなかったということです。
 日付が変わって12日になると濱野さんがせきをし始め、朝になってもせきが続いていたことから、容疑者が濱野さんの母親に連絡したということです。
 両親が迎えに来て病院に連れて行きましたが、症状が重く対応ができないとして大阪府内の総合病院に意識不明の状態で運ばれ、3日後の15日に死亡しました。
 症状を診た医師が不審に思い「事件かもしれない」と警察に通報したということです。
 濱野さんの吐しゃ物からはタリウムが検出され、警察が遺体を詳しく調べたところタリウム中毒による重度の呼吸困難だったことがわかったということです。

濱野さん 夢は「イラストレーター
 亡くなった濱野さんの複数の知人によりますと、濱野さんは大阪府内の私立の中高一貫校を卒業したあと、立命館大学に進学したということです。
 明るく礼儀正しい性格で、友人からは「ひなちゃん」とか「ひなこ」と呼ばれて親しまれていました。
 絵を描くのが得意で、小さいころには「イラストレーターになりたい」と将来の夢を話していたということです。

宮本容疑者の知人「事件を起こすように見えず」
 数年前に宮本容疑者と知り合ったという男性は、容疑者について「食べたものや酒の話をしたことがあり、羽振りはよさそうで、いろんな飲食店に通っているようだった。丁寧に接してくる人で、事件を起こすようには見えなかった」と話していました。
 最後に会ったのは去年12月で、特に変わった様子はなかったといいます。
 また、1、2年前から容疑者が濱野さんとみられる女性と一緒にいる様子を見かけるようになったということで「2人でいるところを最後に見たのは去年の夏ごろだったが、仲のいい様子だった。女性は若い印象はあったが、大学生というよりは社会人のように大人びているように感じた」と話していました。

送検時 宮本容疑者の様子は
 殺人の疑いで逮捕された宮本容疑者は、4日午後1時ごろ大阪地方検察庁に送られました。
 容疑者は黒っぽいめがねをかけていて、車の後部座席に座り、まっすぐと前を見ていました。

劇薬のタリウムとは?
 毒物に詳しい東京大学の唐木英明名誉教授によりますと、タリウムは、自然界にも存在する重金属で、水に溶けたものは味や臭いはないということです。
 毒性が強く、摂取すると腹痛やおう吐のほか、めまいやけいれんなどの神経症状も出て、成人の場合、およそ1グラムが致死量とされています。
 かつてはネズミの駆除に使う殺そ剤などに使われていたため、薬局などで市販されていましたが、現在は、殺そ剤を含め市販されているものにタリウムは入っていないということです。
 一部のタリウム化合物は法律で劇物に指定されていて、販売する場合は氏名、職業、住所の確認が求められているほか、18歳未満への販売は禁止されています。
 唐木名誉教授はタリウムの入手について、一般的には、試薬品を扱う業者からの購入しか方法はないとしたうえで「現在は規制が厳しく、殺そ剤として使われなくなってからは、一般の人が入手するのはかなり困難だ」と指摘しています。
 また、摂取したときの症状については「摂取してから2、3時間たって体内に吸収されると、自律神経に影響を及ぼしてせきなどの症状が出ることもある」と話しています。

<過去の主なタリウム事件>

【名古屋の女子大学生による事件】
 2015年、当時、名古屋大学に通っていた女子学生が、高校2年生の時に仙台市で同級生2人にタリウムを飲ませていたとして、殺人未遂の疑いで逮捕されました。元女子学生は殺人未遂のほか、別の殺人など6つの事件で罪に問われ、無期懲役が確定しています。

【静岡の女子高校生による事件】
 2005年、静岡県伊豆の国市の当時16歳の女子高校生が母親にタリウムなどを摂取させたとして、殺人未遂の疑いで逮捕されました。その後、審判を開いた静岡家庭裁判所沼津支部は、少女を医療少年院に送る決定をしています。

 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です


* 名大生 タリウム事件 被害の高校同級男子生徒「元の体に戻してほしい」…2人目はタリウム増量か 


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