産経ニュース 2014.11.29 08:52更新
【甘口辛口】落合GMは立場が変われば人も変わるのか…中日の契約更改は奇異な様相に
無風だった中日の契約更改交渉の場で初めて嵐が吹き荒れた。落合GMが交渉役となって2年目。大島洋平外野手(29)と平田良介外野手(26)が相次いで保留した。ともにアップ額を不服としたもので、特に大島はその後の記者会見でぶち切れた。「このまま調停にいく覚悟です」と声を震わせた。
異様なのは、その後の中日球団の対応。会見したのは落合GMではなく、西山球団代表で「査定はきちっと出しているので変わらない。(調停についても)選手の権利だから、そういうつもりがあるならやったらいい」とそっけないコメント。交渉役の落合GMは無言を貫き、大島との2度目の交渉には出ないという。
コストカッターとして評価された(?)昨年、落合GMはチームの成績不振を背景に、主力選手の年俸を大幅に下げた。大島も7500万円から減額制限いっぱいの25%ダウンを飲んだ。今回の昇給額はダウン前の金額に及ばない7400万円。リーグ4位の打率・318をマーク、ゴールデングラブ賞を獲得した大島の心のバネは「頑張って球団の評価を見返す」だった。
ところが、落合GMは「今年の守備だったら、俺(が監督)なら使わない」とバッサリ。個人的に成績を残しても、チームの成績がBクラスなら、年俸は大幅には上げないという解釈を示した。さらに一連の球団の対応は、話し合いの場であるはずの契約更改交渉が球団側からの一方的な通告の様相になっている点でも、奇異に映る。
落合GMの選手時代は、万年Bクラスのロッテの中で選手の権利を主張し、昇給を要求してきたはず。立場が変われば人も変わる…こんな言葉を絵に描いたような更改劇ではないか…。 (植村徹也)
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中日ナインが大島、平田に徹底抗戦期待
東スポWeb 11月28日(金)16時15分配信
中日ナインの間から、契約保留中の大島洋平(29)、平田良介(26)両外野手に「落合GMに負けるな!」との大エールが飛び出している。
22日の交渉で大島は1775万円アップの年俸7400万円、平田は1200万円アップの4700万円の提示を拒否。球団側は金額を見直すつもりはなく、両選手ともに年俸調停も辞さない構えだが、ナインも「歩み寄りが見込めない以上、2人には調停まで持ち込んで白黒つけてほしい」と後押し。「保留した2人にそれぞれ希望額はあるだろうけど、調停をやって球団提示額から1円でも上がれば、GMに勝ったことになるからね」とある選手。別の選手は「俺たちでもGMに勝てるんだ、という自信を持って来季に臨みたい」とまで言うのだ。
これは交渉の席での落合GMの鋭い眼光に威圧され、完全に納得できないままサインしてしまった選手が少なくないからでもあり「(大島と平田の)2人が保留すると分かっていたら自分もしたのに…」「交渉最終日だった2人の順番がみんなより早い日に設定されていたら、保留者連発の流れができたかもしれなかった」との声も。ドミニカ共和国へ武者修行に行っている又吉を除く他の選手はすでにサインをしてしまっており「僕らの来年以降のためにも、大島と平田には落合GMらフロント陣と、とことん闘って希望額になるまで絶対に折れてほしくない」というわけだ。
年俸調停となれば、中日では1991年2月以来。皮肉にも今回は査定側に立つ落合GMが、日本人選手として初めて2億2000万円の球団提示額を不服として、2億7000万円を本人希望額としてコミッショナーへ調停申請。結果、調停委員会は球団提示額を支持し、選手・落合は“敗訴”したが「今回は調停に持ち込んでも勝てるはず。特に大島は絶対に球団提示額からの上乗せを勝ち取れる」とナインは猛プッシュ。大島、平田の年俸闘争はナインVS落合GMの構図にもなってきた。
最終更新:11月28日(金)16時19分
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◇ 楽天・星野SA、中日低迷の要因「落合GM失敗…立派なスタジアムがガラガラ」/ オリ・金子千尋は何がしたい? 2014-11-27 | 野球・・・など
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◇ 落合流コスト減が失ったもの オーナーの信頼の下、絶大な権力を掌握した中日・落合博満GM 2014-01-05 | 野球・・・など
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落合批判の声が強いですが、僕は若干違う見方をしてるんです。
深読みしすぎだと言われたらそれまでですが、落合氏がGMとして雇われたのは、正真正銘「コストカッター」としてではないかと。つまり、これだけカットに成功すればこれだけのインセンティブを出すという契約がもしかしたらあるんじゃないかって思うんです。
落合GMは監督時代、そのポーカーフェイスで他球団から不気味がられるほどの存在でした。しかし、あくまでそれは勝負に徹したからこその、ある意味作戦だった。監督の顔色を見るんじゃなくて、敵をみてプレーしろという、まさにオレ流のスタンスだった。
つまり、そこまでできる人なら、立場を変えても自らの仕事に徹してくれる人間だと球団は踏んだのではないかってことです。
そして、昨年はそのもくろみが見事にあたった。監督時代さながらの鋭い眼光で見つめられたら、なかなか本音を言えない選手も多いはずです。結果8億円のコストカットですからね。仮に10%のインセンティブだとしても8000万です。
そして、今年もその‘手腕’を発揮してくれることを期待して交渉の席に送り出したが、ついにその壁を壊す選手が出てきた。それが大島、平田両選手ということではないでしょうか。
記事にもあるように、GM自身が現役時代は散々年俸をめぐって揉めてきた人です。大島、平田にしてみればまだ物心つく前、下手したら生まれてもいない時代の話ですが、そんな話くらいはどっかしらから聞いているはず。「チームがBクラスなんだから、大幅に上げられない」というのが正論なら、あんたはどうなんだと言いたくもなりますよね(笑)
現に、落合GMが現役時代に調停を申請した1991年(正確には1990年オフ)、そのシーズンのドラゴンズは今年と同じ4位に沈み、Bクラスとなった年でした。
その事実をみれば、自分が過去にしたことと今やってること(言ってること)が違いすぎます。GM自身だって、まさか自分のことを忘れたわけではないでしょう。
長くなりましたが、これがインセンティブ契約によって動いていると考える根拠です。
拝読しながら、なぜか思い出したことがあります。昨年、グランパスから2部の松本山雅へ移籍した田中隼磨選手のことです。当時は胸の痛くなるような移籍劇でした。しかし、彼の活躍があって、松本山雅はJ1昇格が決まりました。グランパスは単に自球団の都合で放出しただけかもしれませんが、隼磨という選手は心映えもすばらしいと思いました。
落合さんの場合は、ほのぼのさんのおっしゃる通りかもしれませんね。…結果的に選手にやる気が出てくればいいですが。
以下は、「週刊現代」2014年11月29日号の記事からの抜粋です。
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悩み抜いた末、FA権を行使せず残留を決意した男がもう一人。中日・山井大介(36歳)。今季、セ・リーグ最多勝と最高勝率の2冠を達成。年齢とともに成績を向上させているベテランに、熱視線を送っていた他球団は少なくなかった。
山井が言う。
「10月2日の最終戦が終わった頃は、それほど悩んでいなかったんです。ドラゴンズに残る気だったので、球団はどんな提示をしてくれるかな、という期待感がありました。でも、それから10日間ほど、一切連絡がなかった。時間が経つにつれ、どうするべきか悩み始めました」
ちょうどその頃、他のFA選手の情報がメディアで盛んに報じられていた。「球団は即、複数年契約提示」、「さっそく引き止め交渉に」といった報道を目にするにつれ、山井の期待は不安へと変わっていった。
「阪神、巨人、ヤクルトが山井を狙っている、という記事も目にしました。ドラゴンズから連絡がないところに、それらの情報が入ってくるので心が動いた。他球団の具体的な評価が気になり、話を聞いてみたいと思うようになりました。
思い返してみれば、僕はこれまでの人生、『自分で選択する』ということがありませんでした。高校も大学も社会人もプロも、全て誰かに選んでもらったり、拾ってもらったりして決めてきた。それが今回初めて、自分で決めるという場面に立った。予想以上に不安だらけで、正直、眠れない日もありました」
そんな中、ついに迎えた中日との交渉の場。あれほど深く悩んでいたのにもかかわらず、山井はその場で残留を決意した。きっかけは、落合GMが発した一言だったという。
「球団代表や社長が『本当に残って欲しい』と説得してくれるなか、落合GMは『FAしていいぞ』と言ったんです」
選手の心理を巧みに読み取り、説得するのが落合流の交渉術。落合はあえて「FAしろ」と言葉をかけることによって、逆にFA権を行使しない意志を固めさせた。残留こそが山井の真の希望であることを、落合は見抜いていたのだ。
「GMの言葉に、他球団の意見なんて聞く必要ない、と思いました。愛着のあるドラゴンズが、僕の希望に見合うだけの契約を提示し、評価してくれた。それで十分だと感じました。残留を選んだことに、一切悔いはありません」
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