答弁原稿の指示「知らなかった」=鳩山首相
鳩山由紀夫首相は27日夕、内閣総務官室が自身や平野博文官房長官らの国会答弁の原稿作成を各府省に指示していたことについて、「わたしも知らなかった。過去の慣習だから、官房長官が撤回させたと理解している」と述べた。28日から始まる各党代表質問での答弁に関しては、「できる限り、自分の言葉で答えたい。ただ、必要なら下準備を(官僚に)してもらう可能性はある」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。(時事通信2009/10/27-20:39)
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国会答弁、「官僚頼み」続々=かすむ政治主導
内閣総務官室が臨時国会での鳩山由紀夫首相らの答弁原稿の作成を各府省に文書で指示していたことが判明し、鳩山内閣が27日、火消しに追われた。平野博文官房長官は文書撤回を指示したが、内閣が掲げる「脱官僚」の旗印に疑問符が付いた格好だ。
「過去の慣例で、(総務官室が)事務的にやっていた」。平野長官は27日の記者会見で、指示文書への自らの関与を否定。さらに「(文書は)政治主導の考え方からまるで逆行している」とも強調した。
文書は22日付で、内閣総務官室が作成。答弁原稿の作成に当たっては、「総理答弁にふさわしい格調高い表現にしてください」「役人にしか分からない表現は使わない」などと細かく指示している。
鳩山内閣は、国会審議でも「政治主導」を貫く立場から、首相や各閣僚が官僚に頼らずに答弁する方向を打ち出している。民主党の小沢一郎幹事長は、官僚の国会答弁を禁じる国会法改正案の今国会提出に意欲を示している。
しかし、今国会では、与野党議員から事前に質問内容を聞き出す「質問取り」は、従来通り官僚に行わせる方針。国会での官僚答弁についても、小沢氏は26日の会見で、今国会に限って容認する考えを示した。背景には「鳩山政権にとって初めての国会論戦。無難にこなしたい」(政府関係者)との事情がある。
国会は28日から、与野党の論戦がスタートするが、野党からは「答弁で間違いなくボロが出る。お手並み拝見だ」(自民党中堅)、「政治主導と叫んでいるのに矛盾している」(公明党幹部)と批判する声が上がっている。(時事通信2009/10/27-20:22)
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国会答弁は官僚頼み?=原稿作成を各省に指示-首相官邸
内閣総務官室が各府省に対して、鳩山由紀夫首相や平野博文官房長官らの国会答弁用の原稿を作成するよう文書で指示していたことが27日、分かった。国会での質問取りを当面官僚に任せることと合わせて、鳩山内閣が掲げる「脱官僚」政治に逆行しかねないとして議論を呼びそうだ。
文書は22日付で、各府省に送付され、「総理答弁等にふさわしい格調高い表現にしてください」「質問の趣旨を的確に踏まえた簡潔な内容に」などと、答弁用の原稿について細かく指示している。文書について、平野長官は27日午前の記者会見で、「われわれは、そういう指示はしていない」と述べ、総務官室の判断であることを示唆。同時に、「不適切であれば、(文書の)撤回も考えている」と語った。
自民党政権下では、各府省が官邸に提出する答弁用原稿を秘書官がチェック。首相や官房長官は原稿に沿って答弁することが広く行われていた。(時事通信2009/10/27-13:33)