〈来栖の独白〉
本日、芸術劇場へ行き、吉田文さんのパイプオルガン演奏を聴いた。その後、いつものように家人(近くにオフィスあり)と食事。更にその後、三省堂で本を物色。
東大法学部卒、東京地裁、大阪地裁などの裁判官を経て、現在弁護士・・・といった著者の経歴から、ま、いいか(悪い本でもなかろう)、と『なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか』を買った。
が、やはり、この買い物は失敗。過去から現在に至る死刑事件を、年代順に駆け足で書き出している。裁判官だったというが、清孝の事件も、昔のメディア報道をなぞって、走り書き。「被害者は22人に上るとも言われている」とのお気楽さ。薄い新書版であるので、致し方ないのだろうが、これなら何も、本にするまでもない。Twitterでも事足りる。元裁判官であるなら、資料に当たり、読み込んで戴きたいものだ。すべての事件を概観し、そのなかから、なぜ日本人は世界の中で死刑を是とするのか、を論じるなど、新書でやれることではない。
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吉田文さんのコンサートは、満足できるものだった。芸文センターの「彼女」(パイプオルガン)の音色は、力強く華やかだ。日本最大級の大きさだという。
今年に入って、私はバッハに回帰!した。精神的に疲労感が強いこともあって、こんなときはバッハに依り頼む。本日の吉田さんの演奏曲目にも、バッハが2曲あった。
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◆ 森 炎 著 『死刑と正義』 市民裁判時代の死刑と哲学 / 人命の価値は死刑の根拠にはならない 2012-12-19 | 読書
◆ 『死刑と正義』著者・森炎インタビュー 人命の価値は死刑の根拠にはならない/人命以外の死刑を決める価値 2012-11-17 | 死刑/重刑/生命犯 問題
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