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〈来栖の独白 2020.10.12 Mon〉
いつの頃からか気になっていること、『お腹召しませ』(浅田次郎著)を読んでいて、思い出した。
それは例えば、TVで時代劇などを見ていて必ず出くわす場面だが、着ているものがドラマの時代にマッチしていないということである。時代劇であるから着物(衣装)は江戸時代、それ以前のはずだが、模様は幾何学的、いかにも現代的すぎる。
私は母からたくさんの着物を作ってもらった。すべて母が手ずから縫ってくれたもの。花鳥風月の模様である。幾何学模様の着物など無いと思う。
今一つ、時代劇なら、大人役の女優さんは口は必ず黒くしていた。だが今の時代劇にそんな女性はいない。
私はいつの頃からか、NHKの時代劇を観なくなった。その点、能楽堂での能鑑賞は安心である。
『お腹召しませ』は、「鉄漿」のほかにも、今の流行作家の小説では見掛けられない言葉に出会え、嬉しい。
p61
横山の妻は初め驚き、じきに鉄漿(かね)を引いた口を袖に隠して、おほほと笑った。
鉄漿
「おはぐろ」の読みに鉄漿の字を当てることもある。 御所では五倍子水(ふしみず)という。 民間では鉄漿付け(かねつけ)、つけがね、歯黒め(はぐろめ)などとも
お歯黒 - Wikipedia