海外の男子人名に多いイエスの「十二使徒名」
西洋人に多い男子名の「ジョン」や「ピーター」それに「トム」など、日本人にも馴染みが深いようです。それだけ多くの人に付けられている名前といえるでしょう。
「ジョン」の名前がつく人物としてまず思いつくのは……筆者の独断と偏見によれば、まず『ビートルズ』の「ジョン・レノン」、次にダラスの凶弾に倒れた「ジョン・F・ケネディ」米国大統領でしょうか。
しかし、映画大好き人間の筆者には、三人の「映画監督」がすぐに浮かんで来ます。
『駅馬車』や『荒野の決闘』の「ジョン・フォード」、『天地創造』や『荒馬と女』の「ジョン・ヒューストン」、それに「七人の侍」を西部劇にリメークした、『荒野の七人』の「ジョン・スタージェス」監督です。
同様に「ピーター」は、『ピーターパン』や『ピーター・ラビット』、それに映画『アラビアのロレンス』の主役「ピーター・オトウール」。また「トム」は、ハリウッドスターの「トム・ハンクス」「トム・クルーズ」それに歌手の「トム・ジョーンズ」など。ゴルフファンには、「トム・ワトソン」が想い浮かぶかもしれません。
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実は、この「ジョン」や「ピーター」そして「トム」は、「イエス・キリスト」の「十二使徒」の名前から来ています。
とはいえ、「アルファベット」を主言語としない日本人には、ピンとこないのかもしれません。というのも、上記の名前は “英名” 読みであり、『旧約聖書』は本来「ヘブライ語」で書かれ、また「十二使徒」が登場する『新約聖書』は、「ギリシア語」で書かれているからです。
結論を言えば、「ジョン(John)」は「ヨハネ」、「ピーター(Peter)」は「ペテロ」となります。そして「トム(Tom)」は、「トミー(Tommy)」同様、「トマス(Thomas)」の愛称であり、この「トマス」は「トーマス」ともなります。
子供に人気のあの『機関車トーマス』であり、『魔の山』の作者「トーマス・マン」、発明王の「トーマス・エジソン」、さらには「米国独立宣言」の起草者として、後に第3代の大統領となった「トーマス・ジェファーソン」がいます。
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「十二使徒」は、他に「ヤコブ」の「ジェームス(James)」、「アンデレ」の「アンドリュー(Andrew)」、「マタイ」の「マシューMatthew)」、「シモン」の「サイモン(Simon)」、「ピリポ(フィリポ)」の「フィリップ(Philip)」や「フィリップス」があり、またあまり馴染みのない「バルトロマイ」や「タダイ」、それにイエスを売った「ユダ」もいます。 (※十二使徒中には、「ヤコブ」という名の弟子が二人いました)。
「ジェームス(ジェームズ)」には、映画『エデンの東』の主役「ジェームス・ディーン」をはじめ、俳優の「ジェームス・スチュワート」、さらには歌手の「ジェームズ・ブラウン」が挙げられるでしょう。
スコットランドや英国には、「ジェームズ」という名前の「キング(国王)」が何人も出て来ます。
ところで、『イエス・キリスト』の「英名」は何でしょうか?
★ ◎2020年12月12日 午後 加筆修正 花雅美 秀理