刺激的な演劇会場、「シゲキバ」
筆者の「三月観劇」シリーズは後半戦となっていました。先々週と先週の土曜夕刻、いずれも「九州大学演劇部」(伊都・箱崎キャンパス)の作品を、同じ「会場」で観ることができました。
この2作品については、本「演劇鑑賞」で触れるつもりですが、「シゲキバ」という「会場名」もさることながら、全体で「42㎡」ちょっとの “広さ” に驚きました。「会場全体」の「床面積」から「舞台部分」を差し引いた残りが「観客席部分」といった感じでしょうか。と言って、「舞台」と「観客席」とが、明確に分離している訳ではありません。
“狭い” と言えば狭いし、そうでないと言えば、それはそれで “何とかなる広さ” なのでしょうが、“刺激的な場” であることは確かです。絵画関係の「個展会場」にもなるというのも頷けます。
「京間」(ちょっと広めのモジュール)感覚「和室」の「六畳」が「四室」といったところでしょう。最小限の照明灯などが組み込まれているため、「天井高」は通常の「居室」よりちょっと高い「2.8m」となっていました。
その “狭さ” ……いえ、“広さ” がもたらす実際の2作品の「舞台」……。ともにそれぞれの感性と想像力を駆使した “創造性豊かな舞台” であったことは確かです。
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さて、「九州大学演劇部」(伊都・箱崎キャンパス)の「新入生歓迎公演」の詳細が決まったようです。今回の作品は、「演出」を担当する「田中利沙」嬢のオリジナルとなっています。
「タイトル」と「あらすじ」からして、どことなく、“それらしき雰囲気” が漂って来ませんか? 若き女流の感性と想像力、それに「世界観」……楽しみにしています。
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なお、「2015年新年度」より、従来の「学生演劇の公演案内」という「カテゴリー」のタイトルを「福岡の演劇案内」としました。これまでのように、「大学演劇部」中心からの脱却です。
筆者自身、もっと自由に “いろいろな劇団” の「舞台」に接したいと思うようになりました。学生・非学生、プロ・アマ問わず、“本当の舞台演劇” なるものを発掘したいとの気持ちが強くなったからだと思います。
そういう意味において、新たな「福岡の演劇案内」の初回に、「九州大学演劇部」の「作品」を採り上げたことは、偶然とはいえとても意義深いものがあります。
筆者と演劇との “きっかけ” となったのが同部であり、この「演劇部」に脈々と流れる高い問題意識や貪欲なまでのチャレンジ精神は、 “あるべき劇団” の一つの理想形のように思えるからです。 特にこの1年半ほどの活動には、目を見張るものがあります。
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九州大学演劇部 2015年度春季新歓公演
『段ボール少女』
●作・演出/田中 利沙
【あらすじ】
当たり前の温もりがそこにはなかった。
彼女は限界を感じ、助けを求め、新たな居場所を見つける。
傷つけ、傷つき、傷つけ、傷つき…
精神は疲弊し、感覚は麻痺していく。
そして彼女はある扉を開ける。
●日 時/ ☆公演は「月曜」と「火曜」です。開場は開演の30分前
4月20日(月) 18:40~
4月21日(火) 18:40~
●場 所/九州大学伊都キャンパス
学生支援施設:音楽練習室4
●料 金/100円 (九州大学の新入生は無料)
クリック! ◆九州大学演劇部公式HP
※上記「HP」は、「伊都・箱崎キャンパス」のものです。