パウロ=ポール
キリスト教最大の伝道者とされる「パウロ」の英名は「ポール(Paul)」です。ビートルズの「ポール・マッカートニー」、名優「ポール・ニューマン」、そして筆者が大好きな「ポール・モーリア楽団」となります。
「マリア」は、歌手の「マリア・カラス」、テニスの「マリア・シャラポラ」であり、英名は「メアリー(Mary)」や「メリー」「マリー」。ミュージカルの『メリーポピンズ』や『メリーさんの羊』の歌、それに悲劇の「マリー・アントワネット」でしょうか。
実は、あの「マリリン・モンロー」の “Marilyn” や「マライヤ・キャリー」の “Mariah” も、この “Mary” から来ています。
「エリザベツ(Elizabeth)」という、聖母マリアの母と姉妹関係にある女性がいます。イエスにバブテスマを施した「洗礼者のヨハネ」(十二使徒の「ヨハネ」とは別人物)の母親ですが、言うまでもなく「エリザベス(Elisabeth)」となり、「エリザベス女王」やハリウッドきっての美女と言われた「エリザベス(リズ)・テイラー」の名前となります。その愛称が「リザ」「リズ」「リサ」そして「ライザ」となるのです。
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いま世界各地で追悼イベントが催されている故「マイケル・ジャクソン」(Michael Jackson)。
彼の「マイケル」は、聖書中最大級の「天使」といわれる「ミカエル」の英名であり、俳優の「マイケル・ダグラス」や元NBAの「マイケル・ジョーダン」がいます。
その愛称は「マイク(Mike)」であり、また「ミッキー(Mikey)」となるのです。実はあの『ミッキー・マウス』も、「ミカエル大天使」から来ています。
ついでにいえば、『トムとジェリー』の「トム」は無論「トマス」の愛称ですが、「ジェリー(Jerry)」は、旧約聖書「エレミヤ書」の作者、預言者「エレミヤ」の愛称です。
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以上は、あくまでも「英名」つまり「英語読み」であり、これが「フランス語」や「イタリア語」となると、またさまざまな呼び方に代わって行くのです。
英名の「ピーター」は、「フランス語」では「ピエール」であり、「ピエール・カルダン」や「ピエール・バルマン」となり、「イタリア語」では「ピエトロ」となります。
「ミカエル」を意味する「マイケル」は、フランスではビートルズの名曲のタイトルにもなった「ミシェル」。ところがロシアでは「ミハイル」となり、旧ソビエト連邦の初代大統領として『ペレストロイカ』を推し進めた、あの「ミハイル・ゴルバチョフ氏」の名前となります。
宮沢賢二の『銀河鉄道の夜』の主人公は「ジョバンニ」ですが、これは「イタリア名」であり、「英名」は「セント・ジョン」つまりは「聖ヨハネ」となるのです。
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以上の名前は、これに[son](息子、子孫、後継者)が付くことによって「派生人名」はさらに増大します。
「ジョンソン(Johnson)」や「ピーターソン(Peterson)」となるわけですが、前者は「リチャード・ジョンソン大統領」であり、米国の医療製品メーカーである「ジョンソン&ジョンソン」などが挙げられます。後者には、ジャズピアノの巨匠「オスカー・ピーターソン」がいます。
[son]は、さらに「トマス」から「トムソン(Tomson)」、「アンデレ」から「アンダーソン(Anderson)」、そして「ヤコブ」から「ジャクソン(Jackson)」を生み出しています。
したがって『マイケル・ジャクソン』は、「ヤコブ(Jacob)の後継者」の意味合いも含んでいることになります。
だが彼は、“地上に降りた最後の天使” ならぬ “歌曲のミカエル(大天使)” として地上に来ていたのかもしれませんね。(了)
★ ◎2020年12月12日午後 加筆修正 花雅美 秀理
何回か教会に行ったり、友人にクリスチャンが何人かいますが、このような話を聞いたことがありませんでした。ありがとうございました。なんだか、聖書の人物を身近に感じるような気がします。