あーん、きのうはとてもシアワセだった歌舞伎座観劇でしたが、
きょう、大失敗をしてしまいました
夜の部に関しては、問題なかったのですけど、
昼の部の感想を(実は別のブログに書いています)アップしていて、
かなり辛口なことを書いてしまったのです
ところが!
あとで、知り合いの劇評家の先生が、特に「熊谷陣屋」について、
「あれは、芝翫型をモチーフにしている」と劇評をアップされたので
おもわず愕然!!
わーん どうしよ~!
なんだか「どうしてこんな不思議な演じ方をするんだろう?」と
おもっていたら、芝翫型だったとは!
なにがなんだかさっぱりわからない方のために解説すると、
「熊谷陣屋」というお芝居には、大きく分けてふたつの演じ方があります
ひとつは、きっちーさまをはじめ、いろいろな方がやっておられる「團十郎型(だんじゅうろうがた)」と
芝翫さんがこのほど襲名で復活させた「芝翫型(しかんがた)」というのがあります
團十郎型と芝翫型の違いは、まず顔のこしらえがちがいます。
芝翫型は赤ッ面(あかっつら)にします。
で、今回幸四郎さんがなさったのも、この赤ッ面なのです。
そして、衣裳も、黒ビロード地に赤地の裃(かみしも)を付けて、
とても派手なやり方です。でも、幸四郎さんは今回、團十郎型の衣裳です。
いろいろ細かいところで演じ方も違います。
たとえば、妻・相模(さがみ)への情の見せ方、
高札の扱いの仕方など・・ずいぶん違うのです。
また「十六年はひと昔」という名台詞も
團十郎型は、花道で言いますが、
芝翫型は、本舞台で言います。
ずいぶん印象がちがってきますね
舞台の引っ込みも違います。
團十郎型だと、丸坊主にした出家姿で、熊谷はひとりで引っ込みますが、
芝翫型だと、妻の相模(さがみ)と一緒に引っ込みます。そして髪型は
有髪(うはつ)です。
ところが、幸四郎さんは、團十郎型で、ひとりで引っ込みました。
どうして今回、そんな型の折衷案をとったのか、
わたしもよくわからないわけです・・・
(といって、まさか幸四郎さんに伺うわけにもいかないとおもうんですが^^)
過去には、二代目松緑丈(いまの松緑さんのおじいさまですね)が折衷型をやっていますが
評価はいろいろわかれたようですね。
でも、幸四郎さんの意図がよくわからないので、
余計に、「なぜかなぁ?なぜかなぁ?」と思っているうちに
芝居がおわってしまった、という感じだったのでした
とおもっていたら、幸四郎さんとしては
心情的には芝翫型で演じたかったというわけです
ビックリです!
そこを間違えて書くと、大変失礼になるので、
大慌てでブログを直しました。
で、もう一度、昼の部も見に行くことにしました(^^)
「幸四郎型」ということになるのかなぁ・・・。
夫婦愛をみせたい、ということなので、
あらためて、よく見たいと思いますが(^^)
実は、歌舞伎というのは、この「型」によって決まる、
と言っても過言ではありません。
大変奥深くて、いまだに私も、いろいろな先生に教わって
うかがっています。
型の違いがわかると、歌舞伎はにわかにおもしろくなるそうです。
そういう意味でも、きっちーさまの「型」へのあくなき追求は
すばらしいものがありますし、余人の追随をゆるしません
きっちーさまの舞台を通して、私もたくさん学ばせていただいています
この仕事を始めたころは、まだなにもかもよくわからないので
なんでもノートにメモをとってみていました(^^)
「型」にはひとつひとつ、意味があり、
歌舞伎の芝居をとてもスケール大きくする要素があります。
たとえば、「吉野川」の舞台ひとつとっても、
精緻な型の美しさを楽しむ芝居でもあり、
録画された方は、特に、きっちーさまの、花道でのお芝居を
よくごらんいただきたいとおもっています(^^)!
あー、この仕事は一生勉強です!!!がんばるぞ~(^_^)/