かりめろのゆったりのんびりライフ

主婦兼ライターのかりめろです♪中村吉右衛門さん、パーヴォ・ヤルヴィさんが好きです。お気軽にお立ち寄りくださいね。

えっ、芝翫型?!・・かりめろ、大失敗の巻(;^_^A そして「型」のおはなし。

2017-04-04 | お仕事ネタ

あーん、きのうはとてもシアワセだった歌舞伎座観劇でしたが、

きょう、大失敗をしてしまいました

 

夜の部に関しては、問題なかったのですけど、

昼の部の感想を(実は別のブログに書いています)アップしていて、

かなり辛口なことを書いてしまったのです

ところが!

あとで、知り合いの劇評家の先生が、特に「熊谷陣屋」について、

「あれは、芝翫型をモチーフにしている」と劇評をアップされたので

おもわず愕然!!

わーん どうしよ~!

なんだか「どうしてこんな不思議な演じ方をするんだろう?」と

おもっていたら、芝翫型だったとは!

 

なにがなんだかさっぱりわからない方のために解説すると、

「熊谷陣屋」というお芝居には、大きく分けてふたつの演じ方があります

 

ひとつは、きっちーさまをはじめ、いろいろな方がやっておられる「團十郎型(だんじゅうろうがた)」と

芝翫さんがこのほど襲名で復活させた「芝翫型(しかんがた)」というのがあります

 

團十郎型と芝翫型の違いは、まず顔のこしらえがちがいます。

芝翫型は赤ッ面(あかっつら)にします。

で、今回幸四郎さんがなさったのも、この赤ッ面なのです。

そして、衣裳も、黒ビロード地に赤地の裃(かみしも)を付けて、

とても派手なやり方です。でも、幸四郎さんは今回、團十郎型の衣裳です。

いろいろ細かいところで演じ方も違います。

 

たとえば、妻・相模(さがみ)への情の見せ方、

高札の扱いの仕方など・・ずいぶん違うのです。

また「十六年はひと昔」という名台詞も

團十郎型は、花道で言いますが、

芝翫型は、本舞台で言います。

ずいぶん印象がちがってきますね

 

舞台の引っ込みも違います。

團十郎型だと、丸坊主にした出家姿で、熊谷はひとりで引っ込みますが、

芝翫型だと、妻の相模(さがみ)と一緒に引っ込みます。そして髪型は

有髪(うはつ)です。

ところが、幸四郎さんは、團十郎型で、ひとりで引っ込みました。

 

どうして今回、そんな型の折衷案をとったのか、

わたしもよくわからないわけです・・・

(といって、まさか幸四郎さんに伺うわけにもいかないとおもうんですが^^)

過去には、二代目松緑丈(いまの松緑さんのおじいさまですね)が折衷型をやっていますが

評価はいろいろわかれたようですね。

でも、幸四郎さんの意図がよくわからないので、

余計に、「なぜかなぁ?なぜかなぁ?」と思っているうちに

芝居がおわってしまった、という感じだったのでした

 

とおもっていたら、幸四郎さんとしては

心情的には芝翫型で演じたかったというわけです

ビックリです!

 

そこを間違えて書くと、大変失礼になるので、

大慌てでブログを直しました。

で、もう一度、昼の部も見に行くことにしました(^^)

「幸四郎型」ということになるのかなぁ・・・。

夫婦愛をみせたい、ということなので、

あらためて、よく見たいと思いますが(^^)

 

実は、歌舞伎というのは、この「型」によって決まる、

と言っても過言ではありません。

大変奥深くて、いまだに私も、いろいろな先生に教わって

うかがっています。

 

型の違いがわかると、歌舞伎はにわかにおもしろくなるそうです。

そういう意味でも、きっちーさまの「型」へのあくなき追求は

すばらしいものがありますし、余人の追随をゆるしません

きっちーさまの舞台を通して、私もたくさん学ばせていただいています

 

この仕事を始めたころは、まだなにもかもよくわからないので

なんでもノートにメモをとってみていました(^^)

「型」にはひとつひとつ、意味があり、

歌舞伎の芝居をとてもスケール大きくする要素があります。

 

たとえば、「吉野川」の舞台ひとつとっても、

精緻な型の美しさを楽しむ芝居でもあり、

録画された方は、特に、きっちーさまの、花道でのお芝居を

よくごらんいただきたいとおもっています(^^)!

 

あー、この仕事は一生勉強です!!!がんばるぞ~(^_^)/

 

 

 

 

 


歌舞伎座にいってきました😃💘

2017-04-04 | 芝居

 

きのうは大変たのしく、歌舞伎座昼夜にいってまいりました

上の写真は、お昼にいただいた「さくら御膳」(3500円!)。

お誕生日ということで、ちょっと奮発してしまいました(笑)

でもとってもおいしかったです

 

昼夜通しでみるのでくたびれるかと思いきや、

これがとってもたのしい体験で、目が終始ぱっちりさえておりました

というのも、お昼は3階席で見ていたのですが、

夜は、なんと奮発して(誕生日なので^^)1階席でみたからなのです




こちらがその演目と役者さんたち。

きっちーさまはいちばん左上にうつっておられます

以前にものせましたが、「吃又(どもまた)」というお芝居で

大熱演されておられましたすてきでした~

 

ところで、とても私が感激し、おどろいたこと

一階席にすわったとき、なんと、

いわゆる「劇評家」の方々のお席のすぐ近くに座ることができました

わたしのようなひよこライターにとっては、大変名誉なことで

うれしかったです

じつは結構お世話になっていたり、顔見知りの方もおられます

 

ところが、劇評家の方で、お名前はふせますが、

「帯屋」というお芝居のときに、すやすや眠ってしまった方がいたのです

そしたら、藤十郎さんというとっても偉い役者さんが(日本俳優協会の会長さんです!)

なんとお芝居中に転んでしまってビックリ

さすがの機転で、がんばっておられましたが、

その劇評家さんも、おもわずぱちくりと目をさまし(笑)

・・・こんなことってあるんですね~

 

わたしはといえば、3階で見ているときのくせがぬけなくて、

きっちーさまはじめ、役者さんたちがでてくるたびに、大きな拍手をし、

笑ってしまう場面では「あーはっはっは(^_^)/」と大いに笑い、

泣いてしまう場面では「ちーん」と鼻をかみ、

思わず胸キュンとなる場面では、

ニコニコしてしまいました(^^)

 

劇評家さん同士の不文律だと、「拍手をしてはいけない」とか(なんで?!)

「笑ってはいけない」とか(どーして?!」とか

あるみたいなんですが・・。

 

でも、私はお金を払ってみてるから、べつにいいんですよね

役者さんたちも、ノリノリでがんばってくださったので

ほんとうにうれしかったです

 

「吃又」についていえば、今月の歌舞伎座のやはりイチオシ

きっちーさまと菊之助さんの夫婦コンビが

実にかわいらしくて、キュートで、いじらしくて、素敵です

とってもお似合いのおふたりでした(婿舅コンビなんですけどね)。

きっちーさまが、まるでぬいぐるみみたいに可愛くて、

だきしめたくなる、もふもふした、らぶりーな又平です

いままでたくさんの(きっちーさまも含めて)又平をみましたが、

過去最高の出来ばえじゃないかしら

 

 

花道のひっこみはカットしているんですが、逆にお客様には親切だし、

テンポがでてよかったとおもいます

吃音の演技がほんとうにすさまじい、きっちーさまですが、

臺頭の舞では、一転、見事な口跡と踊りで魅了してくださいました

名台詞の、「かか、抜けた!」も、とってもかわいくて、

大きな子供、大きな赤ちゃんみたいな又平でよかったですね

 

きっちーさまのすごいところは、師匠の土佐将監(歌六さん)に

「物見せよ(監視せよ、という意味ですね)」といわれて

ひたすら、花道で、瞬きもせずに見ている愚直なところ。

絵師としては天才かもしれないけれど、

とっても無邪気で無垢な魂をもつ又平さんに魅了されました

だから、菊之助さんのおとくも、又平に惹かれているんでしょうね。

とってもそれがよくわかる、いいおとくでした

あんなに、きっちーさまの大きな手を握られる菊ちゃんがうらやましい・・・

 

このほか、とってもよかったのは、

猿之助さんの「奴道成寺」でした

見事な舞いで、よい打ち出しになりました

所化に、尾上右近さん、隼人さん、種之助さん、米吉さん・・・と

平成生まれの人気花形が勢ぞろいして、とっても華やぐ舞踊でしたね

 

ぜひぜひ、今月も歌舞伎座へ(特にキッチ―さまの出ている夜の部)へ!!

たくさんの方のお越しをおまちしています

わたしももう一度いってみようとおもいます