この頃とみに、子供のころにいた風景に、もう一度戻ってみたい、と思う。
町並みや、商店街にただよう香り、風のにおいのようなもの、そんなもののすべて。
それが恋しい。
自分たちがしていた遊びも懐かしいが、そのころの大人たちの格好や、歌っていた歌、
乗っていた車、流行っていた持ちもののことなどを思い浮かべると、それだけで楽しくなる。
「コロンボ刑事」とか見るとさらに楽しい。
わー、あんなでっかい車乗ってるわー、なんて、当時の風俗をおもしろがる。
そういうものに、大人たちがあこがれていたことを、少し覚えているからかな。
もしいけるなら、今のアメリカじゃなく、60年代か70年代にタイムスリップしたい。
大きなポテトチップの袋を持って、チョコドーナツと牛乳と、マンガを持って、ソファをぶんどり、セサミストリートを見る。
アメリカには一度も行きたいと思ったことはないし、格好いいとあこがれたこともない。
でももしタイムスリップできるなら、あの頃のアメリカを見に行ってみたい。
今ではもう見かけない、懐かしい人々。くるくるのカーリーヘアーに、へんなひげ、ラッパみたいなジーンズ。
でっかいティアドロップめがね、後ろ髪長い男の人、腰の高い位置でベルトをとめるワンピースの女の人。
あー。なっつかしー。
タイムスリップしていても、公園へ行くときにはね、犬も一緒よ。
犬はいつでも、おかあさんと一緒よ。
だから安心してよく寝るのだよ。