通りすがりに「かわいいねえ」ってよく言われる。
犬が。
大群の自転車女子高生が追い越しざまに「ぎゃ~!モフ尻マジかわいい~!」って叫ぶ。
犬の。
行き過ぎた男の子二人組が、振り返ってじーっと釘付けになってることがある。
犬に。
エレベーターで一緒になったツンデレ女子が、エントランスでパパの車に飛び乗るなり、振り返ってカシャカシャ写メ写メ。
犬を。
エレベーターに乗り込んだら、お肌スベスベの中二メガネ女子が、いいなあ、いいなあ、って、笑いながら頭なでてくれる。
犬の。
まだ喋れないちびっこが、目キラキラ、鼻の穴まんまる、両手広げて、大興奮でかけよってくる。
犬に。
じいさんばあさんおじさんおばさんがわらわらと「あれえ~」「んまあ~」などいいながら近寄ってくる。
犬にな。
まあ、どの場合も、大抵嬉しいですよ、飼い主は。
だけどもっとかわいい犬、ほかにいっぱいいるのに、なんでだろう、という疑問はありますけどね。
どこから見てもごく普通の、なんの変哲もない犬なので、なんで?っていう疑問がね。
なんでそんなに?それがわかりません。
まあ、いいですけどさ。
犬が喜んでいるかどうかは、わかりません。
大抵は困った顔をしていて、あんまりうれしくはなさそうです。
「だって、おれこ、こわがりなんですもんね」
でも「かわいい」が「いいこと」であることは、ちゃんと、わかってる気がします。
↑ ね?