久々に図書館へ行ってきました。
ジェーン・オースティンのを2冊、
小泉八雲の怪談2冊、随筆1冊、
ヴァージニア・ウルフを1冊。
最近ドラマがつまんないとか、
視聴率が悪いとか聞くたびに、
マーケティング結果にまどわされず、
オースティンだったり、
ディケンズの小説をベースにした、
"普遍的なテーマのもの"
をつくりゃーいいのに、とか思う。
橋田センセイのお作が人気なのは、
やっぱり普遍的な話題が中心だから。
オースティンなんていうのは、
誰と誰が結婚するとかしないとか、
その紆余曲折の中に見せる人間の描き方の見事さは、
昨今のドラマを高校野球とするならば、
魅せるプロ野球の醍醐味そのもの。
誰も死なないし、誰も殺されない。
騙されたり、陥れたりも、あまりない。
だけどもすこぶる面白い。
1頁目からぐいぐいと引き込まれるのだ。
オースティンに関して、
サマセット・モームは、
「大した事件が起こらないのに、ページを繰らずにはいられない」
夏目漱石に至っては
「Jane Austenは写実の泰斗なり。平凡にして活躍せる文字を草して技神に入る」
と、ともに大絶賛なんだけれども、
シャーロット・ブロンテや、D・H・ロレンス、
マーク・トゥエインなどの作家には酷評されている。
ちなみに夏目センセイが褒めている作家をその弟子的存在で、
私のもっとも敬愛する芥川龍之介はどう見ていたのだろうか。
どこかに書かれていないだろうか。
谷崎の「細雪」は、正真正銘、船場の若奥様であった、
松子夫人の影響もあるだろうけれども、若干、
J・オースティンの影響があるのでは?なんて想像してみる。
そういうのも実に楽しいのだ。
ところで小泉八雲こと、
ラフガディオ・ハーンさんは、
怪談はもちろん、随筆も見事です。
その日の出来事、日常の中のちょっとした思い、
文章だけを読んでいると、
母国語が日本語でない方のものとは思えない、
まったく、こちらが恥ずかしくなるような、
実に美しい日本語でつづっているのです。
(ただし八雲は日本に帰化していますが)
現代用語ばかりで生活していると、
時々自分のなかの日本語が飢えてくることがあり、
明治~昭和中期時代の書物を読み漁ることにしています。
実に実に美しい日本語ばかり。
新緑の中を歩いたように生きかえるわ~。
そういえば、
八雲が退いたそのあと、
帝大の教授職に就いたのは、
夏目漱石だったそうです。
二人は同じ時代を、
みていたのですねえ。
興味深いです。
この週末はあちこち出かけたり、
約束もあったりで、自由な時間がないけど、
たくさん本を読みたい気分です。
出してばかりだと枯渇しますからねえ~。