犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

オースティン三昧。

2014年05月29日 | おせわがかり日誌


久々に図書館へ行ってきました。






ジェーン・オースティンのを2冊、

小泉八雲の怪談2冊、随筆1冊、

ヴァージニア・ウルフを1冊。





最近ドラマがつまんないとか、

視聴率が悪いとか聞くたびに、

マーケティング結果にまどわされず、

オースティンだったり、

ディケンズの小説をベースにした、

"普遍的なテーマのもの"

をつくりゃーいいのに、とか思う。





橋田センセイのお作が人気なのは、

やっぱり普遍的な話題が中心だから。

オースティンなんていうのは、

誰と誰が結婚するとかしないとか、

その紆余曲折の中に見せる人間の描き方の見事さは、

昨今のドラマを高校野球とするならば、

魅せるプロ野球の醍醐味そのもの。

誰も死なないし、誰も殺されない。

騙されたり、陥れたりも、あまりない。

だけどもすこぶる面白い。

1頁目からぐいぐいと引き込まれるのだ。





オースティンに関して、

サマセット・モームは、

「大した事件が起こらないのに、ページを繰らずにはいられない」

夏目漱石に至っては

「Jane Austenは写実の泰斗なり。平凡にして活躍せる文字を草して技神に入る」

と、ともに大絶賛なんだけれども、

シャーロット・ブロンテや、D・H・ロレンス、

マーク・トゥエインなどの作家には酷評されている。

ちなみに夏目センセイが褒めている作家をその弟子的存在で、

私のもっとも敬愛する芥川龍之介はどう見ていたのだろうか。

どこかに書かれていないだろうか。

谷崎の「細雪」は、正真正銘、船場の若奥様であった、

松子夫人の影響もあるだろうけれども、若干、

J・オースティンの影響があるのでは?なんて想像してみる。

そういうのも実に楽しいのだ。





ところで小泉八雲こと、

ラフガディオ・ハーンさんは、

怪談はもちろん、随筆も見事です。

その日の出来事、日常の中のちょっとした思い、

文章だけを読んでいると、

母国語が日本語でない方のものとは思えない、

まったく、こちらが恥ずかしくなるような、

実に美しい日本語でつづっているのです。

(ただし八雲は日本に帰化していますが)




現代用語ばかりで生活していると、

時々自分のなかの日本語が飢えてくることがあり、

明治~昭和中期時代の書物を読み漁ることにしています。

実に実に美しい日本語ばかり。

新緑の中を歩いたように生きかえるわ~。




そういえば、

八雲が退いたそのあと、

帝大の教授職に就いたのは、

夏目漱石だったそうです。

二人は同じ時代を、

みていたのですねえ。

興味深いです。




この週末はあちこち出かけたり、

約束もあったりで、自由な時間がないけど、

たくさん本を読みたい気分です。



出してばかりだと枯渇しますからねえ~。