ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト

NGO ひろしま市民によるカザフスタン共和国旧ソ連核実験場周辺住民(核被害者)への支援・交流

読売新聞に記事が掲載されました。

2018-06-29 08:45:22 | Weblog
核廃絶へ カザフと20年
2018年06月22日


 ◇広島の市民団体

 ◇450回超 実験の地 来月、交流報告会

 旧ソ連時代に450回を超える核実験が行われたセミパラチンスク核実験場のあったカザフスタンと交流を続ける広島市の市民団体「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」が今年設立20年を迎える。7月7日には広島市南区の市留学生会館で記念行事を催す予定で、同団体は「カザフスタンの核被害についてはまだまだ多くの人に知られていない。これからも二つの『被ばく地』を結ぶ役割を続けていきたい」としている。(山上高弘)

 同団体は1998年9月に発足。放射線や医療の専門家や市民が一緒に活動し、慈善団体から寄付を受けるなどして、同国に被曝ひばく医療のための薬や超音波診断装置などを寄贈。市民との交流や、核実験による被曝の実態調査、被曝者の健康診断や治療なども行ってきた。

 両国の橋渡しとなる次世代の育成にも力を入れ、99年以降、延べ約60人の大学生らが訪問団に同行して交流。2000年からは山陽女学園高(廿日市市)で、同団体が選考した現地の高校生を留学生として受け入れ、帰国後は訪問団が現地を訪れた際に通訳を担うなどして、活動を支えてきた。

 今回の記念行事では、第1期留学生として広島を訪れ、その後、同国の在日大使館などで勤務するなどしたアケルケ・スルタノワさん(35)が「広島とカザフスタンの核被害歴史から学ぶ」と題した特別報告をするほか、現地の放射線被害の影響などについて調査をしてきた星正治広島大名誉教授(70)らによるパネルディスカッションもある。

 その後の記念レセプションでは、広島市在住で劇団四季の元団員の歌手道田涼子さん(43)が核廃絶の願いを込めた同国の歌「ザマナイ」を披露する。ザマナイはカザフ語で「時代」の意味で、現地出身の人気歌手ローザ・リムバエワさんがオリジナルを歌い、旧ソ連で反核を掲げる市民運動の象徴となった。道田さんは今年5月に同国を訪れており、現地でザマナイを披露した際の報告などもする予定という。

 設立時から加わる同団体副代表の小畠知恵子さん(66)は「20年間の交流を通し、カザフスタンの人の核兵器廃絶に対する強い思いを感じてきた。原爆の被害を受けた広島市民として、ともに歩んでいければ」と話している。

 報告会は午後1時半~4時。レセプション(参加費4000円。6月30日申し込み締め切り)は同5~7時。問い合わせは同団体(090・6416・5035)。

 【セミパラチンスク核実験場】 四国とほぼ同じ約1万8500平方キロで、カザフスタンが独立した1991年に閉鎖された。旧ソ連時代の49~89年に核実験が行われた。特に、62年までは大気中や地上で100回以上実施され、周辺に放射能が拡散。被曝者数は少なくとも数十万人に上るとされ、新生児が死亡したり、がん患者が増えたりなどの影響が出ていたことが明らかになった。

2018年06月22日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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