泉を聴く

徹底的に、個性にこだわります。銘々の個が、普遍に至ることを信じて。

はいあがるもの

2021-07-29 18:21:04 | フォトエッセイ
 近くの神社の石灯籠に。セミの抜け殻。
 夏はセミ。夏は苦手だけど、セミのおかげで地中暮らしの長さを想像できた。
 よくはいあがって成虫となった。もそもそと暗闇を蠢くことしかできなかったのに。
 大いに鳴いている。これもまた命の声。
 命にとって当たり前のことが見えにくくなっている。
 コンクリート。アスファルト。際限のない私物化に商品化。
 敏感な人ほど、自分をも殻でくるんでしまう。
 守るために必要だから。
 私の殻も固かった。
 殻は、内側からしか破れない。
 はいあがるものは、どんな生き物にも備わっている。
 自分の中にもあるその力に、セミの抜け殻がはっとさせた。

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