筋ジストロフィー。筋肉が壊れてしまう先天的病。
歩くこともできない。呼吸すら補助がないとできない。
そうであっても、人を励ますことができる。
書くことができる。歌うことができる。
目の前のその人の力になり、喜びになる。
エッセイと五行歌が収められています。
写真を撮られたのは、ろう学校を出られた方。
文字も写真も、すべてが心地よかった。
嘘がなく、まっすぐで、本当にできること、したいことでできていて。
心に、じわーと広がる。
先天的なもの、さらに後天的な社会悪とたたかう芯の確かさに打たれる。
その
ひとりの人に
喜びと力を
もたらす
歌で あれ (97頁)
詩人としての、あるいは一職業人としての、プロ魂を感じた。
見習わなければ。
もう一つだけ。
やはり生きようと
思ったのは
人に逢いたかったからだ
恐れなど
崩れていくほど心から (140頁)
ほんとにそうだと思う。
この本と出会えてよかった。
岩崎航著/斎藤陽道写真/ナナロク社/2013
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます