2007・3・23 京都一周トレイル:東山コースの後
東山・祇園界隈“京都慕情”
銀閣寺に下ると13:00だった。自転車でここまで来たのだという先ほどの二人連れともここでお別れだ。法然院が静かで雰囲気がいいと伺ったので、訪れることにした。レンタサイクルでの洛北巡りは、時間的にも窮屈なので次の機会に譲ることにして哲学の道から東山界隈をそぞろ歩きすることにした。
人力車が観光客を乗せて緩い坂を上がってくる。歩き始めから楽しいではないか。
哲学の道より1本上の通りにある法然院に先ず立ち寄ってみる。
椿の見頃には少々早かった。ここはダイナミックな南禅寺や知恩院とは対照的である。人も少なく落ち着いた大人の雰囲気が味わえる。
水を落とすのにも葉っぱを1枚かませた粋な手入れが見られた。それはそれは緑豊かな静かなステキなお庭であった。
規模は小さいながらもこういった場所が俗化されてない京都の空気が感じられる貴重な存在だ。
哲学の道に入る。桜はご覧の通り3/23ではこれからであった。下の写真から想像していただきたい。満開の桜の中をゆったりはんなり歩けたらそれはそれは情緒溢れる小道だったろうに。
そんな中、着物姿のお嬢さん二人と出会う。京都の大学生であった。こういうところを着物姿で歩こうという心意気が気に入った。
お二人は千晴をひどく気に入ってくれ、ハイ、ポーズ!すれ違う外国人からは絶好の被写体として何度も呼び止められて、ファインダーに収まっていた。
二人とも南禅寺に行くと言うので、そこまでは諸々のお話をしながらそぞろ歩きだ。
サクラはなくとも華やいだ哲学の道であった。
さて、南禅寺といえば食通の方では“湯豆腐”である。このお店が目に入ると南禅寺はすぐそこだ。
お気に入りの南禅寺到着。哲学の道から石川五右衛門の「絶景かな、絶景かな・・・。」で有名な三門を仰ぐ。
バンザ~イ!屋根の張り出しと腕の角度がピッタリ!
山門をくぐる。 / 内側から仰ぐ三門。
裏手にある疎水閣は、エキゾチックな雰囲気をかもし出す。ここだけ見ていると禅寺の中とは思えない。レンガの風合いといい、モダンなデザインといい絵になる風景である。この上部にはこのような水の流れがあり、その脇は遊歩道になっている。この先、桜の満開の頃は多くの人で賑わうお花見スポットでもあるらしい。
南禅寺といえば、三門以外にも大方丈に広がる枯山水庭園・虎の子渡しなどの見所があるが、今回は時間の都合上割愛である。しかしながら、かつてお庭を愛でながら頂いた一服のお抹茶の余韻が想い出される。
名残惜しいが三門をあとに、蹴上の交差点を目指す。何と温度計は20度であった。歩いていて熱いわけだ。
粟田神社の先を左へ。神宮道を進む。写真の後方の赤い鳥居は平安神宮である。
白川小学校の前を過ぎると大好きな青蓮院である。ここを訪れるにはタップリと時間を設けないといけない。特に、夜間ライトアップされた美しい庭を愛でながらの琴の生演奏を聴くのが最高に情感豊かで素晴らしいところなのである。残念ながら、この日は門前の大楠の木の前で足を止めただけでスルー。
京都の名所ながらどういうわけか1度も訪れたことのなかった知恩院へGO!
知恩院のここは三大三門のひとつである。圧倒的な大きさである。全景を写真に収めるには道路を渡った駐車場の入り口から狙うしかない。逆に、そこまで下がると石段を昇り降りする人間がアリのように小さく見える。
三門をくぐる。
奥の石段をさらに登る。
御影堂:これもまたでかい。知恩院七不思議のひとつに数えられる左甚五郎所縁の忘れ傘は、目を凝らしてよ~く見ないと見落としてしまう。
大鐘楼(重要文化財)高さ3.3m、口径2.8m、重さ約70tの鐘は重厚感溢れる。
NHKの行く年来る年でお馴染みの鐘である。親綱1人、子綱16人の総勢17人がかりで掛け声もろとも体当たりのようにして突く知恩院の除夜の鐘は、京都の冬の風物詩である。
名残惜しくもう一度三門を仰ぐ。某有名中学校の修学旅行だ。通常は授業を普通に行い、春休みの閑散期を修学旅行に当てるとは流石。懐かしいな~修学旅行!
これをベースにして何回か訪れるうちに本当の京都のよさがじわじわ分かってくるのである。中学生諸君、大人になってまた来いよ!
道なりに進むと円山公園へと入っていく。“いもぼう”老舗平野家の暖簾が・・・。
円山公園は京都一の桜の名所であるが、その雅な祇園枝垂桜はやっと花をつけ始めたところであった。満開の豪華な様子をイメージして散策する。
園内に一人の外国人がギターの弾き語りをしていた。明るい雰囲気の公園だが、なぜか悲しげなバラードが多い。しかし、人柄は大変気さくで、おばちゃんとにこやかにインターナショナルな交流を深めていた。
7月の祇園祭や、年越しのをけら参りで有名な八坂神社へ。
「祇園さん」の名で親しまれ夕方の時間帯でも参拝の人は絶えない。
祇園のど真ん中「花見小路」を逍遥する。南北約1キロの道だ。格子作りの茶屋や料理屋が建ち並ぶ。値段は銀座と同じく高めで、ぶらりとは立ち寄れないところである。有名な一力茶屋などの京都らしい風情の景観であった。
突き当りまで来ると建仁寺の境内となる。
時間がなく方丈周辺を一回りしてくる。夕暮れ時、まさに“京都の恋”である。
祇園の交差点まで戻り、白川沿いをのんびり歩いてYHに向かう。
柳の新緑が美しい。優雅な簾である。
読書をするにも、散歩をするにも雰囲気のいいところである。
たくさん歩いた第2日目であった。歩いてこそ旅である。
この続きは「京都慕情 ぶらり旅(3)」に続く。いよいよ最終日である。
人出で、こんなにも雰囲気が違うものだとびっくり!
静かな京都も巡ってみたくなりますね。
それにしても、カモシカさんの写真はその場所に行った気分にさせてくれますね^^
基本的に山も旅もお金を賭けないで楽しむというのが基本路線です。
人間は好きですが、雑踏や人混みは好みません。
カメラはポケットカメラですよ。写真は心動かされるままに感性で撮っているだけです。何の技術もないんですよ。
静かなありのままの京都、是非是非。山とは別の意味の良さがありますね。