池上彰氏「国会議員たちは『議員定数を減らす』と公約していなかったかな」
ぎいんていすうぜせい【議員定数是正】――池上彰「WEB 悪魔の辞典」
池上彰さんの新連載「WEB 悪魔の辞典」では、政治や時事問題に関する用語を池上さん流の鋭い風刺を交えて解説します!
【議員定数是正・ぎいんていすうぜせい】
選挙前は「削減」のことであり、選挙後は「増員」のこと。
【池上さんの解説】
国会議員たちは、「身を切る改革」などと言っていなかったかな。「議員定数を減らす」と過去に公約していなかったかな。
参議院の議員定数を6増やし、比例区に特定枠を設ける自民党の公職選挙法改正案が参議院本会議で可決されました。法案は衆議院に回され、今国会中に成立する見通しになっています。
国会議事堂 ©文藝春秋法案は衆議院から審議しても参議院から審議してもいいことになっています。今回は参議院の定数を増やす話なので、参議院から先に審議を始めました。
議員の定数を決めるのは国会。つまり自分たちで決める話なので、「定数を減らそう」とは、なかなかなりません。
過去に参議院の「一票の格差」を縮小するために「島根・鳥取」「徳島・高知」の合区を実施しました。2県から当選するのは1人だけにしたのです。
でも、これでは「わが県から代表を出せなくなる」という不満が噴出したことから、埼玉選挙区で2増やし、比例区の定数を4増やす法案が国会に提出されました。
ここで党利党略だと評判の悪いのは、得票数に関係なく優先的に当選できる特定枠を新設することです。
だったら選挙をする意味がどこにあるのか、と突っ込みを入れたくなります。
こんな変な制度に変えようとしているのは、合区のために立候補できなくなった県の候補者を比例区に回して特定枠で当選させてあげようという意図があるからです。
選挙の前と後で言うことが違う。これだから政治不信が募るのです。
池上彰「WEB悪魔の辞典」のコーナーでは、池上さんの解説を聞いてみたい新用語を募集しています!
おまけ:
小沢氏「安倍3選は暑さでどうかした喜劇」自民批判
8/10(金) 11:50配信
自由党の小沢一郎共同代表(76)が10日、ツイッターを更新し、自民党の総裁選挙について「自民党議員の大半が安倍総裁三選支持だという。夏の暑さのせいでどうかしてしまったのかと驚くレベルであり、ある意味でこれ以上の喜劇はない」と酷評した。
小沢氏は「憲法が嫌いで、国会も嫌いで、親友のために特区を悪用し、国有地の不正売買では現場に犠牲者も出ていて……」と、安倍晋三首相が強い意欲を見せる憲法改正、批判が高まる加計学園問題、森友学園問題を指したと思われる批判を展開。その上で「『権力の私物化』を公約にでもするのだろうか」と安倍首相を痛烈に批判した。
小沢氏は4日にも「それにしても不思議である。この総理が自民党総裁選で圧勝の勢いだそうである。自民党議員は一体どこをどう見て支持しているのだろう。国会をだましにだます虚偽工作や改ざん、お友達のための特区の悪用に国有地のたたき売り。裸の王様と実はわかっていても、保身のために支持をする。一番悪質である」(コメントは原文のまま)と、安倍首相と自民党総裁選に、真っ向からダメ出しをしている。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます