07’・8・25 奥穂~ジャンダルム~天狗岳~間ノ岳~西穂
ここからが今回のメインコース;ジャンダルムを乗越して奥穂~西穂への縦走が始まる。
奥穂山頂で360度の展望を楽しんでからの出発だ。
奥穂の頂から西穂へ嶮しい岩稜が続く。
自分の進路を確認し、静かに出発に備える山男の背中が印象的だった。
メモ:
ジャンダルム(フランス語で憲兵。転じて前衛峰の意)は、奥穂高岳西部にある岩稜であり、標高は3163m。
こちらは元気はつらつのカップル。ヘルメットに闘志が溢れる!
朝日を浴びて凛々しく聳えるジャンダルム。容易に人を寄せ付けない威圧感が漂う。
笠ヶ岳の稜線に滝雲が流れ落ちる。
思えばあの槍からの縦走路。
いよいよ出発だ。縦走路は歩くと乾いた音を立てる浮石の多いガレの道から始まる。最初はそこそこ幅の広い尾根だが、程なくゴジラの背のようなやせ細った岩稜を行く。
まるで平均台の上を歩くようなものだ。体操の平均台ならマットが敷いてあるが、ここは垂直に感じられる絶壁が数百メートルも切れ落ちているだけだ。
最初の難所、ナイフリッジの「馬の背」に入る。
ピークからナイフリッジを下る。前後の写真から高度感がお分かりだろうか?
奈落の底に落ちていく感覚である。間合いを取る意味からもしばし高みの見物。
ご覧のような幅しかなく垂直に落ちていくような岩稜である。大抵の人は武者震いするところである。(でも、カモシカはこれが大好物である。ちょっとスリリングでいいじゃないか!)
足元から両側ともスパッと切れ落ちている。
幸い岩はしっかりしていてホールド・ガバは探せる。空中に飛び出す感覚を伴うが思い切って身体を外に出し、<背中に感じる風は空中高くに居る感はある>岩から身体を離してバランスよく降下することだ。怖いからといってへばりついたり、エッジを跨ぐのはNGである。手足の可動範囲が狭くなり、視野も狭くなるので次のステップが見つからずかえって危険だ。肝要なのはバランスの良いフットワークだ。
下りきったところから後続の登山者を見やる。オレンジのウエアの人の所から見下ろしていたのだ。
これぞ穂高の真骨頂!
青い人、大丈夫かや?
へばりついてちょっとぎこちないけど、ガンバ!左足の置き場所が悪いので右足が困ってる。 岩を読んで!
奥穂と馬の背。こんな感じで下ってくる。
非常に脆い浮石だらけのガレ場の急下降。幅は広がるが斜度は馬の背と変わらない。落石多発地帯である。今回上から落とされ左肩をかすめた!間一髪であった。
少し近づいたジャンダルム。
山頂には先客が居る。
馬の背とロバの耳の鞍部より。 登るロバの耳の斜面を見上げる。
ロバの耳を垂直に登り、途中から右に飛騨側をトラバース気味に回りこみながら登る。
垂直壁を登っている人(赤ザック)。右端の人<青>はトラバースに入ったところ。
中ほどに赤いウェアの方がいる。
馬の背の急降下とは別の味わいで、ロバの耳の垂直に感じられる斜面の登りもスリリングだ。
登りに、登る。
ジャンダルムの基部の稜線に出る。 展望が味わえるポイントだ。
いいね、いいね!間もなくジャンのテッペンからこの山岳風景を味わえるのである!
アルピニストの憧れ、ジャンダルムは目の前に大きく聳え立つ。
恐れをなしてか、西穂側に回りこんで裏を巻く人もいるがもったいない。ジャンに登るために来たんでしょ!
カモシカは当然直登である!
呼吸を整えて、紺碧の空へとそそり立つジャンダルムの岩肌の感触を確かめる。
「また逢いに来たよ!」 慎重に登る。
3163m ジャンダルムの頂。 北穂~槍方面。
2009年「槍穂大縦走」の山行記録の補足として 既出記事の抜粋でした。
迫力の大判の写真は
「ジャンダルムへの道 2009」をご覧ください。
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