けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

この道へ

2011-05-19 04:51:33 | エベレスト2011

けんけん@エベレストBCです。

ブログアップできずにすみませんでした。
応援ありがとうござます。


今は雪が降っています。
少し前には大きな音で雷もなりました。

アンナプルナやダウラギリ方面も荒れているらしいです。
マナスルでは2名の犠牲者が出ているそうです。

なんか怪しい天気が続いて、
昨年の秋を思い出してしまいます。

 


春らしくなって、暖かくなって、
周りの氷はどんどん融けてしまい、

ダイニングの前にはしっかりした川ができ、
プジャ祭壇の周りは池になってしまいました。

メンバーたちのテントも周りが崩れたり、
床がボコボコになったりしたので引越しが相次ぎ、

テーブルストーンのようになってた
高ちゃんのテントを変更したのを最後に、

けんけんテント以外の全てのテントが
リペアされました。

 


さて、隊の進行状況ですが、
天候不順のためにBC待機が続いています。

登頂できるチャンスとしては、
最終ラウンドとなってしまいました。

現在の不安定な天候が通り過ぎ、
モンスーンが来襲するまでのわずかな期間で
山頂に近づくしかないと考えています。

そのため、帰国日も延期せざるおえず、
本日、下山後の日程などいろんな段取りを
考えたり可能性について調べたりしました。

そして、そのために必要な最終的な荷揚げのために
ダデンリ、チェパ、パサンはC2へ移動しました。

 

でも、


さらに、


C2に移動した目的に加わった事があります。


AG隊にはサポートしなければならない事ができました。

 


尾崎隆さん。

 


日本でも、もうとっくにニュースで流れてますよね。

たった10mお隣のテントにいたんです。

AG隊のみんなは、尾崎さんのオーラをしっかり感じてたよね。
一緒にお茶したし、日本応援ブログにメッセージもくれました。

 


僕が1983年冬季チョモランマ北壁隊に参加した時、
南側からのチームに参加して大活躍した先輩です。

当時、学生だった僕にとっては、
まるでスーパースターのような存在でした。

その尾崎さんと、エベレストを前にして、
北壁のスーパークーロワールの核心部の話を
リアルにできた事がどんなに嬉しかったか。。。

 


ロブチェからBCに戻ってきた夜に、
AGメンバーに初めて遭難のことを話しました。

そして、尾崎さんがどんな凄いクライマーだったかも
知ってる限り話しました。

大きな大きなショックだったと思いますが、
モコパパもkumiちゃんも事実を受け入れてくれました。

 

 

プラチリもダデンリも
何度も尾崎さんと一緒に遠征に行っているんです。

尾崎さん、ずいぶんと高いところでおやすみになって
しまってるんですが、

日本にいる仲間の人たちとも相談して、

なんとか下に帰ってきてもらおうと…
意見がまとまり方法を考えました。

 


スケジュール的に協力してもらえる
ネパールガイドをベースキャンプ中で探して、
なんとか5人の有志があつまりました。

そして、ダテンリがリーダーとなって、
6人の屈強な仲間で尾崎さんを迎えに行きます。

これからの天候の条件は厳しいですが、
なんとか行動できる今夜から明後日にかけての
短い間にC2から超速攻で一気に往復します。

 


微力な僕らの装備とマンパワーでできることは限られています。
だから、ほんとに、できるところまで。


絶対に無理しないように!
絶対に無事に下りてくるように!

強く言い聞かせてます。

 

「なぜ?」

 


お願いします。
今は見守ってください。

お願いします。
強い祈りをください。