東京マラソン２００９

東京マラソンの抽選結果が来ました。今回当選しなかったら、参加方法が変更されないかぎり、もうやめようと決めて臨んだ申し込みでしたが、残念ながら今年も当選はしませんでした。
見事、東京の街を走るチャンスを手にできた方はおめでとうございます。


そもそも抽選で走る人を決めると言うのはどうでしょう。
このマラソンブームに乗って、というよりこのブームを牽引した東京マラソンです。この大会を走りたくてマラソンを始めた人も大勢いるでしょう。私も2005年のホノルルマラソンを走りたくて走り始めた一人です。

7時間というフルマラソンの制限時間は参加できる人達の可能性を大きく広げました。そのこと自体は素晴らしいことです。ホノルルマラソンは制限時間がありませんから、日本の、それも首都で開かれるメガマラソンはランナー人口増加のひとつの大きなけん引役を果たしたと言えるでしょう。

そして、マラソンを走る目的も人それぞれです。健康のため、タイムの更新、友人とのコミュニケーション等、各地の大会を観光するのもいいでしょう。マラソンは普段みることの出来ない風景を見ることができますから。

抽選と言うのはある意味公平性があるかもしれません。誰にでもチャンスがあるからです。最近、人気のある大会は申し込みが始まったらすぐに締め切ってしまうほどマラソンブームです。しかし、私はそれでいいと思っています。本当に走りたい人は、日曜日という貴重な休日の全てを優先して申し込みをし、参加費を支払います。数ヶ月、長ければ1年も前から日程を調整し、トレーニングをしてその大会に臨みます。
では東京マラソンに参加する方はどうでしょう。本当にそれだけの思いで全ての人が申し込んでいるのでしょうか？
30000人の定員に対して10km・フルマラソンで10倍近い人が申し込むのはある意味異常な数字です。悲しいかな、この抽選のために走らない人の名前を使って申し込んでいるという話も聞きます。
私もホノルルマラソン2回、シドニーマラソン、ベルリンマラソンと大都市を走るマラソンを走りましたが半年以上前から申し込み、日程を調整し、準備をし臨みました。どの大会も早く申し込んだ人は参加料も若干の優遇があります。しかしそれは飛行機などの予約と同じです。走りたいと強く願う参加者が優遇されるのはある意味正当性があるのではと思います。

抽選結果の文面です。

「このたびは東京マラソンにご応募いただき誠にありがとうございました。
お陰様をもちまして定員を大幅に上回る申込があり厳正なる抽選を行いました
ところ、誠に残念ながら今回はご意向に沿えない結果となりました。
今後、参加料の未入金者が多かった場合には、追加当選者を出すことがございます。
その場合、11月下旬頃に再度『東京マラソン追加当選のお知らせ』にて通知させて
いただく予定です。
つきましては、下記に記載される『追加抽選のスケジュールについて』を
ご一読ください。なお、追加当選の状況に関する問い合わせには対応できません。
また、追加当選に該当しなかった方には再度の通知はお出ししませんので、
何卒ご了承ください。」

私は今回が2回目の抽選です。大会事務局にとっては定員30000人分の1を選ぶ抽選かもしれませんが、申し込んでいる人の気持ちは1分の1なのです。
初回大会から今回で４回すべてに落選した人もいます。2回の私ならまだしも、その人には冗談でも「運が悪いんだよ」とか「日ごろの行いが悪いからだよ」などとは言えません。
何回も落選した人に「誠に残念ながら今回は・・・・」は酷でしょう。

東京は私の生まれ故郷です。その街の中を普段は見れない景色を見ながら走るというのは感慨深いものだと思います。
いつか機会があれば走ってみたいという気持ちは変わりません。しかし、この走りたいという思いが反映されない参加条件が変更されない限り、来年以降申し込むことはないでしょう。


当選された方、本当におめでとうございます。
今年は私のまわりでも昨年より多くの方が当選されたようです。ぜひ楽しんでいただきたいと思います。
しかし、忘れないで下さい。30万人のうち27万人の人が走れないと言う事実を。
だから本気で楽しんできてください。
完走を目指して。