断魚渓・観音滝県立自然公園
この公園は、江の川の支流濁川(にごりがわ)に展開する断魚渓(だんぎょけい)とそれをとりまく山域及び鹿賀谷川(しかがたにがわ)に懸かる観音滝と一帯の山域の2つの団地からなっています。
断魚渓は、濁川によって約4kmにわたって深く侵食されたスケールの大きい渓谷で、嫁ヶ淵、連理ヶ瀑、神楽淵など見どころに富んでおり、昭和10年に国の名勝に指定されています。新緑の春から紅葉の秋まで楽しむことができます。キャンプ場も整備されています。
国道261号の沿線に位置するため交通の便が良く、多くの人が訪れています。
観音滝は、鹿賀谷川に懸かる高さ約35mの大滝で、石英斑岩質安山岩の大岩壁を急流落下する様が観音像に似ているともいわれています。
1.断魚渓
景勝は石英斑岩系の山麓脚下を落下する濁川の渓谷美で、現在の川床は流紋岩の流状構造を現わしています。
【流紋岩(りゅうもんがん、英語: rhyolite)】火山岩の一種。 花崗岩に対応する成分の火山岩である。 「流紋岩」の名称は、マグマの流動時に形成される斑晶の配列などによる流れ模様(流理構造)がしばしば見られることによる。
断魚渓、観音滝、龍頭が滝、千丈渓など20余りが江の川左岸の瀑布線を形成しています。
<断魚渓の案内図>
深篠川分流点から断魚鉱泉までの蛇行距離は3.6Km両地点間の比高差は120mで勾配は1/36。
近くの千丈渓の勾配(1/17)に比べると凡そ半分あたり、浸食地形としては壮年期を過ぎ大瀑布を欠いています。
これは千丈渓のある日和川と比べ濁川の水量は約3倍でありそれだけ開析が進んでいることになります。
千畳敷:流紋岩の大広場で流状層理の特色があり、節理に沿う幅1mにみたない水路を岩樋川といい、深さは6~9mの奔流が走っています。魚切の名はここから起こっています。
通仙橋:岩樋川に架かる橋。
小石潭・駒頭:岩盤上大小の石礫が散在する。駒頭はその形をした巨石。
連理ヶ滝:谷間を落ちる水段二つの滝。
<千畳敷の入口から入りました>
<途中、雪害で木が倒れていました>
<遊歩道の殆どが通行止めになっていました>
<千畳敷>
2.観音滝
観音滝は、江津市桜江町の断魚渓観音滝県立自然公園内にあります。滝は、江の川支流鹿賀谷川渓谷に懸かり、石英斑岩質安山岩の大岩壁を、高低差50メートルの瀑布となって落下するもので、県下有数の名瀑となっています。
現在(2019-8)断魚渓、千丈渓、龍頭が滝は通行止め(一部又は全域)などの規制がかかっていますが、観音滝だけは普通に行けました。
滝は高さ50m、二段になり、渇水期の落水は一度中途の滝つぼに入って溢れ、40mの絶壁を落下します。
増水時には落水は中断を越えて、一躍50mの断崖を落下し、飛沫は濛々と巻き上がります。
<完>
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