一昔前まで、沖縄の民家の庭先ではキダチアロエをよく見かけた。
アロエはそれだけ身近な薬草であり、ヤケドをしたときや切り傷を
負ったとき万が一のためにと庭やプランターで栽培している家庭も多い。
アロエのことを沖縄では方言で「ルグヮイ」または
「ドゥグヮイ」という。
南アフリカや地中海沿岸が原産のユリ科の多年生植物。
中国を経由して数百年前に渡来したといわれている。
本土では古い言葉で「ロカイ」と呼んでいたという記述がある。
薬用に使われるアロエの葉は肉厚があり細長く、茎から放射状に広がる。
葉のふちにはトゲがある。アロエの薬効は古くから知られており、
紀元前1500年頃の医学書の中にもアロエが出てくるそうだ。
有名な話ではヨハネ伝にイエスの身体にアロエの液を塗って葬ったと
伝えられている。
沖縄は気候的にもアロエの栽培に適しており、葉長さが20センチ以上伸びる。
中には1mを超えるものもある。
多肉でエキスが多いアロエベラも、健康ブームで大量に栽培されて
いるところもある。
アロエを原料とする健康関連商品は、ドリンクから化粧クリームまで
多岐にわたり、注目されている薬効も、ヤケド、切り傷、虫刺され、オデキ、打身、
肌荒れから便秘、二日酔いと幅広い。
沖縄では「イシャイラズ」と呼ばれるものがたくさんあるが、
その代表的なものの一つがアロエである。