平成30年11月3日(土)、秋田大学を会場に「航空機産業界セミナー」が開催されました。
本セミナーは、主催が秋田県と長野県。後援には秋田大学、秋田県立大学、秋田複合材新成型法技術研究組合、秋田銀行。
長野県の取組紹介
長野県は従来から精密機械工業が活発な地域特性。
航空機産業は今後、現在の22,000機から2037年までに33,580機に航空機の増産が続く見込み。
受注形態も、今後はとりまとめの中核企業化の下で、一括受注グループを組成する傾向にある。
県内でも航空機産業では飯田市が集積地となっている。
航空機産業を区分すると「機体構造」「エンジン」「装備品」に分類される。
信州大学 柳原教授
日本の航空機産業では、特に「装備品」市場が極端に小さいのが特徴。
新型飛行機のMRJが日本の航空機市場を開拓しようと奮闘している。
日本の目標は、「MRJでの市場獲得」と「装備品市場の拡大※」である。
※ 装備品市場の内容としては、“装備品のシステム化”である。
日本の目標(ビジョン)達成に向けたシナリオ
・人材育成
・試験研究開発(共同研究)
・実証試験
旧飯田工業高校を産業育成と人材育成の拠点として、毎年設備の導入を行っている。
秋田県の取組(秋田県齋藤室長)
県で行っている技術開発は「複合材料」と「航空機システム」である。
2006年から取組がスタートした。
秋田県の航空機関連の歴史…戦時中の能代工場の存在、道川のロケットセンター、JAXA基地の所在、三菱重工田代試験場等が古くからの関連がある。
県内では三栄機械が先行参入し、その後2016年12月にコンソーシアムが組成された。
その後、秋田精工が参入し現在のリーディング企業となっている。そして、先刻「東北研究会」が組成された。
そのほか、東光鉄工が国際認証Nadcapを取得したほか、山本精機の誘致などと続いている。
県の主な取組は「認証取得」「設備投資支援」「人材育成」となっており、
そのテーマは“複合体低コスト成型法”と“航空機システムの電動化”となっている。
IHI 大依氏
「2020年に電動化システムの首都になれるか」をテーマに講演。
航空機は車に比べて格段に低燃費な移動手段。航空機の燃費は50㎞/ℓ。
その背景は、高度1万m上空を飛ぶことから空気が薄く、抵抗が少ないことがある。さらに200hPaと低気圧があることもある。
ただし、使用電力は多く、約480軒相当の電力を要する。
航空機の電動化を研究するため、県では「アキタリサーチイニシアティブ(ARI)」を2018年に組成した。ここまでの県のスピード感は素晴らしいものがあった。
県立大学 大上教授
エンジン燃料システム電動化試験を行っている。
通常のモーターは3000回転なのに対し、航空機は30,000回転となり、それを実現するためにも大きいものや高速回転のモノを作ることを得意とするIHIの力が必要。
秋田大学 村岡教授
航空機向け複合材の新成形法開発を行っている。
素材である「メタルナノコイル」を共同研究中。
炭素繊維複合材・・・軽くて強い、腐食しない、金属疲労がないという特性がある。
ジャムコがストリンガー自動連続製造法を確立した。
エアバスジャパン 野坂氏
エアバスの製品戦略について。
市場シェアは50%。取扱品は、航空機+ヘリコプター+防衛機。
当社の歴史は徹底した「技術革新」にある。現在は、空飛ぶ車の開発や電動飛行機の開発等を行っている。電動化と軽量化の面で日本と協力していきたいとの考え。
現在の受注残が7838機あり、年間700機製造できるので、10年先までの受注を抱えている。
現在までに21000機を製造し、将来的には47000機を製造する。
その内訳は、小型機が28000機、中型機が5400機、大型機が1700機、超大型機が1500機。
受注の内、1/3はアジア市場からのもの。
日本のインバウンド需要が2020年までに4000万人を目標としており、航空機市場は伸び続けている。
東京大学 鈴木教授
「航空機産業の特徴と日本の進むべき道」をテーマに講演。
日本における航空機産業の機会として、世界では旅客輸送量の伸びが4%成長している。アジア地域の伸び予測に対し、日本の航空機産業に係るGDPに占める売上シェアが低いことから、可能性は十分にある。
航空機産業の特殊性…少品種、少量生産であり、20年以上使用するという特徴がある。また、特に技術革新が必要な特性がある。さらに市場動向(石油、自由化、LCCの成長等)に左右される、極端な安全性・信頼性が要求される。
売上 技術波及効果 産業波及効果
航空機 11兆円 103兆円 12兆円
自動車 320兆円 34兆円 872兆円
本セミナーは、主催が秋田県と長野県。後援には秋田大学、秋田県立大学、秋田複合材新成型法技術研究組合、秋田銀行。
長野県の取組紹介
長野県は従来から精密機械工業が活発な地域特性。
航空機産業は今後、現在の22,000機から2037年までに33,580機に航空機の増産が続く見込み。
受注形態も、今後はとりまとめの中核企業化の下で、一括受注グループを組成する傾向にある。
県内でも航空機産業では飯田市が集積地となっている。
航空機産業を区分すると「機体構造」「エンジン」「装備品」に分類される。
信州大学 柳原教授
日本の航空機産業では、特に「装備品」市場が極端に小さいのが特徴。
新型飛行機のMRJが日本の航空機市場を開拓しようと奮闘している。
日本の目標は、「MRJでの市場獲得」と「装備品市場の拡大※」である。
※ 装備品市場の内容としては、“装備品のシステム化”である。
日本の目標(ビジョン)達成に向けたシナリオ
・人材育成
・試験研究開発(共同研究)
・実証試験
旧飯田工業高校を産業育成と人材育成の拠点として、毎年設備の導入を行っている。
秋田県の取組(秋田県齋藤室長)
県で行っている技術開発は「複合材料」と「航空機システム」である。
2006年から取組がスタートした。
秋田県の航空機関連の歴史…戦時中の能代工場の存在、道川のロケットセンター、JAXA基地の所在、三菱重工田代試験場等が古くからの関連がある。
県内では三栄機械が先行参入し、その後2016年12月にコンソーシアムが組成された。
その後、秋田精工が参入し現在のリーディング企業となっている。そして、先刻「東北研究会」が組成された。
そのほか、東光鉄工が国際認証Nadcapを取得したほか、山本精機の誘致などと続いている。
県の主な取組は「認証取得」「設備投資支援」「人材育成」となっており、
そのテーマは“複合体低コスト成型法”と“航空機システムの電動化”となっている。
IHI 大依氏
「2020年に電動化システムの首都になれるか」をテーマに講演。
航空機は車に比べて格段に低燃費な移動手段。航空機の燃費は50㎞/ℓ。
その背景は、高度1万m上空を飛ぶことから空気が薄く、抵抗が少ないことがある。さらに200hPaと低気圧があることもある。
ただし、使用電力は多く、約480軒相当の電力を要する。
航空機の電動化を研究するため、県では「アキタリサーチイニシアティブ(ARI)」を2018年に組成した。ここまでの県のスピード感は素晴らしいものがあった。
県立大学 大上教授
エンジン燃料システム電動化試験を行っている。
通常のモーターは3000回転なのに対し、航空機は30,000回転となり、それを実現するためにも大きいものや高速回転のモノを作ることを得意とするIHIの力が必要。
秋田大学 村岡教授
航空機向け複合材の新成形法開発を行っている。
素材である「メタルナノコイル」を共同研究中。
炭素繊維複合材・・・軽くて強い、腐食しない、金属疲労がないという特性がある。
ジャムコがストリンガー自動連続製造法を確立した。
エアバスジャパン 野坂氏
エアバスの製品戦略について。
市場シェアは50%。取扱品は、航空機+ヘリコプター+防衛機。
当社の歴史は徹底した「技術革新」にある。現在は、空飛ぶ車の開発や電動飛行機の開発等を行っている。電動化と軽量化の面で日本と協力していきたいとの考え。
現在の受注残が7838機あり、年間700機製造できるので、10年先までの受注を抱えている。
現在までに21000機を製造し、将来的には47000機を製造する。
その内訳は、小型機が28000機、中型機が5400機、大型機が1700機、超大型機が1500機。
受注の内、1/3はアジア市場からのもの。
日本のインバウンド需要が2020年までに4000万人を目標としており、航空機市場は伸び続けている。
東京大学 鈴木教授
「航空機産業の特徴と日本の進むべき道」をテーマに講演。
日本における航空機産業の機会として、世界では旅客輸送量の伸びが4%成長している。アジア地域の伸び予測に対し、日本の航空機産業に係るGDPに占める売上シェアが低いことから、可能性は十分にある。
航空機産業の特殊性…少品種、少量生産であり、20年以上使用するという特徴がある。また、特に技術革新が必要な特性がある。さらに市場動向(石油、自由化、LCCの成長等)に左右される、極端な安全性・信頼性が要求される。
売上 技術波及効果 産業波及効果
航空機 11兆円 103兆円 12兆円
自動車 320兆円 34兆円 872兆円