ウルトラマンアーク
第12話「お前はギヴァス」、現時点で、最も感動させられるストーリー展開でした。ユウマとアークが新たな力を手に入れるのかなって予想は、ものの見事に大外れでしたが、それでも何ら構わない、と思えないくらいの厚味でした、今回は。
「ギヴァス」、この言葉を地球の言語に翻訳した時、『敵』を指すモノになる、と判明し、ギヴァスにも意思があるのではないか、と期待を持っていただけに、愕然としてしまうユウマ。畳みかけるように、防衛軍がギヴァスを敵と見做し、攻撃する決定を下した、と石堂から伝えられ、動揺のあまり、ユウマは彼へキツい一言をぶつけてしまい、激しい自責の念に襲われてしまいました。
そんな若さゆえの苦しみを負うユウマに救いの手を差し伸べたのが、彼の「まず信じる」ってスタンスで救われたクロコ星人ってのが、これまた、グッと来ますよね。情けは人の為ならず。ユウマは、自分の得になるから、なんて下心なく、いつでも、誰かを助けているからこそ、自分が苦しい時に、その誰かが助けてあげたいって気持ちになってくれるんでしょうね。まぁ、クロコ星人が自分の意志で、ユウマを助けたい、と思ったのもあるんですけど、石堂さんがこっそり、ユウマに力を貸してやって欲しい、と頼んでいたんですけどね。石堂さんの、不器用だからこそ、真っ直ぐな気遣い、刺さりますねぇ。
皆のおかげで立ち直ったユウマは、ギヴァスが優れた文明を誇っていたメグマ星人によって作られたモノであり、メグマ星人がパイロットとして登場している可能性、それに懸け、ギヴァスへ単身で乗り込む決意を固めました。ウルトラマンに変身できるようになったとは言え、人間のままで超人的な身体能力が発揮できるわけじゃないので、ユウマは落下死の危険に歯を食い縛りながら、懸命にギヴァスの装甲を登り、ついにコクピットに辿り着きます。しかし、そこで、ユウマは搭乗していたメグマ星人が長旅によって、とっくに命が尽きている現実に直面し、そして、メグマ星人が「誰か」に託した最期の願いを知る事になりました。アークキューブが、ユウマが事実を知ってから、力を貸す事を示すように光る、この粋さ、グッと来ない者はいないでしょうね。
ウルトラマンアークは、ギヴァスとオカグビラの戦いに割って入ります。ギヴァスはもちろん、アークはオカグビラを倒す気も持っていません。確かに、地上に出てきて暴れはしましたが、オカグビラだって好きで暴れた訳じゃありませんし、ギヴァスの強さに恐怖したからこそ、自分の身を守ろうとしただけ。だからこそ、アークは自分が傷付くのも厭わず、ダメージを与えるような攻撃を繰り出さず、戦いを止める、それだけに力を注ぎました。この思いが伝わったのか、は定かじゃありませんが、オカグビラは地中に戻ってくれました。残ったのは、自分の「ギヴァス」を欲して、まるで寂しがりやの子供のように暴れるギヴァス。そんなギヴァスに対し、ユウマは、あえて変身を解除し、一人の人間の青年として、自分の気持ちをぶつけ、自分がお前の「ギヴァス=友」になる、と伝えました。ユウマの覚悟が、確かに伝わり、ギヴァスは彼との間に友情を築くと、地球を後にします。アークもブレーザーのようにミサイルを消し飛ばし、人間に不信感を抱かれるようにならなくて良かった、と安堵する一方で、メグマ星人が求めた「月」、これが何なのか、は疑問が残りますね。今後、それが解決し、同時に、ストーリーを大きく動かすんでしょうか・・・
爆上戦隊ブンブンジャー
バクアゲ36「夢へと走る道」は、今、リアルタイムで悩んでいる人を応援してくれる内容であると同時に、『機界戦隊ゼンカイジャー』を視聴していた戦隊ファンを興奮させてくれるストーリー展開になっていました。
今回は、ダブルメインって感じでしたね。一人は、ブンピンクに変身する未来。もう一人が、未来の親友でもあり、同時に、未来に対して劣等感を抱いてしまっている秋。この秋を演じていたのが、『機界戦隊ゼンカイジャー』でフリント・ツーカイザーを溌溂と演じていた森日菜美さん。当時から、ある程度の年数が経ち、その間に多くの事を経験して、演技力を強めていたんでしょう、自分の現状に対する苦しみや親友を妬んでしまう自分に対する嫌悪感、そして、そんな自分を変えたいって願望を持っている秋の個性を、しっかりと際立たせていました。
夢を叶えられずに無力感を覚えている時に、親友がキラキラしていて、周りからチヤホヤされ、その状況に驕る事なく、人間的な魅力を発していたら、そりゃ、嫉妬の一つや二つくらい抱きます。それが人間ってもんです。だから、親友の大切なモノを盗んで良いって擁護するつもりは微塵もありませんが、秋のブンブンチェンジャーを返さず、持って返ってしまい、なおかつ、苦魔獣にブンピンクへ変身して立ち向かう事で、今の自分を脱却しようとした無茶、そこに関しては、理解を示せます。やり方はさておき、自分を変えるための行動を起こした、その点は素晴らしいんじゃないでしょうか。
そんな劣等感を、嫌われるのも承知で剥き出しにした秋に対して、未来は怒りを露わにします。もちろん、気の好い彼女が、ブンブンチェンジャーを盗んでいて、なおかつ、自分に暗い感情を抱いていた事くらいで怒るはずがありません。未来が秋に怒りを剥き出しにしたのは、秋が自分自身の素晴らしいトコを全く認めていないから。未来は未来で、自分の夢を全力で追いかけていた秋の事を、心からリスペクトしていたのです。だからこそ、未来は、秋に、今は回り道をしているだけ、と励ませたんでしょうね。こんな自分を嫌うどころか、好き、と言ってくれた未来の強さに触れ、秋は葛藤が焼失したのか、素直にブンブンチェンジャーを返してくれました。
予告で、ブンピンクが二人いてビックリしたんですよね、私。なので、てっきり、途中まで、ブンブンがスペアを作っていたか、もしくは、大也たちからブンブンチェンジャーを借りて、未来と秋でブンブンチェンジするのか、と思ってたくらいです。けど、未来はチャンピオンジャケットの能力でパトカー2の分割の特性を活かし、分身して、苦魔獣と戦ったんですね。レイゾウコグルマー・二代目とソウジキグルマー・二代目、巨大化しただけでなく、合体してレイゾウコソウジキグルマーになったのはインパクト大でした。ただ、まぁ、相手が悪すぎました。ブンブンジャーロボチャンピオン以外であれば、善戦は出来たでしょうねぇ。未来との友情を強めた事で吹っ切れた秋は、回り道を楽しみ、そこで得た経験を糧にして、自分のハンドルを離さず、夢を叶える、と親友に誓うのでした。そんな麗しい友情に笑みながらも、大也と射士郎はISAの暗躍を懸念している様子・・・それに、スピンドーも動き始めた。こっから、ますます、戦いは色んな意味でカオスになっていきそうです。
仮面ライダーガヴ
第10話「特盛り!キャンディ砲!」は、バトルに興奮必至な回でした。ファンで好みは分かれるでしょうけど、私は巨大化した敵怪人に、自分もビッグサイズになって立ち向かう戦法、結構、好きな方です。
ヴァレンに邪魔をされた上、子供を標的にした狩場も露見してしまったグラニュート・ヤードは、そこに執着はせず、新たな狩場に移動します。この辺りの切り替えの速さっつーか良さは、素直に素晴らしい、と言うべきでしょう。まぁ、もっとも、それを仮面ライダーたちが許すはずはありませんけども。
約束していた場所にきらりがいない上に、ヤードが店主に化けていたケーキ屋のロゴが菓子の包装を見つけた絆斗は、やはり、その菓子店の店主がグラニュートだ、と確信し、店の情報を幸果にゲットして欲しい、と依頼に来ます。さすが、あれだけ豪語するだけあって、情報収集スキルは折り紙付きだったらしく、あっという間に、幸果さんは店舗の情報を獲得します。しかし、そこに向かうも、やはり、店舗はありません。道路に残った傷や何かを引きずる音を聞いた、そんな怪情報から、グラニュートが何らかの手段を用いて、店舗ごと移動したのだ、と確信するショウマと絆斗。
自分が追われ、なおかつ、接近を許しているとは露知らぬヤードは、シータとジープの命令で、質の良さを重視し、幼稚園を狩場に選びます。これまで登場してきたグラニュートも、闇菓子に魅入られた者らしく、人を自分の欲望を満たすためのモノとしか見做していないゲスでしたけど、ヤードは輪をかけて外道ですね。自分の菓子で幸せにした子供らを狙う、そんなコスいやり方をしているヤードに、甘いものを食べない絆斗ですらブチ切れ。ヴァレンに続き、ガヴも参戦した事で追い詰められたヤードは、ニエルブによって付けられた新たな能力を発動。
幼稚園の建物を取り込んで巨大化したヤードは、その巨躯に見合った防御力を有しており、生半可な攻撃が通じません。ヴァレンはガヴからブルキャンガトリングを借り受けるも、その重量と火力を制御できません。足止めには成功した、とガヴはバクキャンアシストで装備したロックバクキャノンをぶっ放します。その威力は凄まじく、ヤードの重厚な外殻を破壊します。ヤードは、そこにヒトプレスした子供らを保管していたので、ガヴは慌てますが、ここで、ヴァレンがフォローに入ってくれました。良い感じの共闘が出来てますね、ガヴとヴァレン。そして、見事に必殺技「バクキャンブラスト」でヤードを撃破し、囚われていた人々を救出しました。ホッとするヴァレンですが、変身するために必要なチョコドンゴチゾウが心許ない、と不安になり、思い切って、ガヴに力を貸してくれないか、と頼みます。ガヴはいつも通り、誤解し、ヴァレンに眷属を分け与えます。これを機に、絆斗もゴチゾウと仲良くなれますかね。それにしても、酢賀、ほんと、怪しいなぁ・・・