『黒狗』の小屋

毎週、(金)に特撮作品の感想、(日)に漫画の感想を書いてます。

三大特撮感想(2024/8/25)

2024-08-30 21:57:28 | 日記

ウルトラマンアーク

第3話「想像力を解き放て!」は、ユウマが初めて、ウルトラマンアークに変身した日を振り返る内容になっていましたね。

ユウマは、両親を助けられなかった、その負い目を幼い頃から、ずっと抱いており、それが裏返って、危険な怪獣の脅威に曝されている人を一人でも救いたいって焦燥感も抱いているようです。それはそれで危なっかしい気もしますが、今のユウマの平常心と言うか、怪獣に立ち向かう勇気になっている気もします。

当然と言えば当然ですが、やはり、ウルトラマンアークには、まだ、謎が多いですね。最初に目撃されたのは、16年前。ただ、この時は、ウルトラマンって感じじゃなく、光り輝く巨人ですね。この光り輝く巨人が、ユウマの抱く、「最強のヒーロー」のイメージ像と結びついた事で、ウルトラマンアークとしての姿形と戦闘力を得た感じでしょうか?

かつて、両親と共に訪れたキャンプ地で暴れたモノゲロスに酷似しているディゲロスを目の当たりにした事で、当時の恐怖が蘇り、軽いパニック障害を起こしかけたユウマを立て直らせたのは、先輩であるリン。彼女の喝で、どうにか恐怖を振り切ったユウマですが、ディゲロスが祖母がボランティアしている幼稚園の側にいる、と解るや、思わず、走り出してしまいました。この思い切りの良さは、ウルトラマンの変身者に相応しいですね。

その道中で、ユウマは自分を助けてくれた光り輝く巨人と、ミラーワールドで再会を果たし、誰かを守る力を託されました。自分が巨人の戦士に変身した事に戸惑いながらも、光り輝く巨人からのアドバイス、「想像力を解き放て」を心の支えにして、ディゲロスに真っ向から立ち向かっていきます。初戦って事で、多少は窮地にも陥りましたが、戦闘センスをユウマは持ち合わせているようで、ディゲロスが張ったバリアを迂回する光線を放ち、撃破に成功しました・・・ビームを曲げるって、想像力でどうにかなるもんなのかな?

それにしても、石堂さん、コーヒーが好きすぎんか? 地球人にしちゃおかしいってほどじゃないにしても、コーヒーを常飲していないと行動に支障を来たしちゃう体質の宇宙人だったりして・・・

 

爆上戦隊ブンブンジャー

バクアゲ26「宇宙の秘密」は、あえて言うなら、総集編的なテイストが漂っている回でした。もちろん、新章に突入した事を暗示するように、ラストでは驚きの展開も魅せてくれていました。

今回、しみじみと思ったのは、何だかんだで、サンシーターってのは憎めない奴等だよなぁ、ってこと。確かに、地球人からギャーソリンを奪うために色々としちゃいますんで、悪党っちゃ悪党なんですけど、前回、ぶっ倒されたキャノンボーグのゲスっぷりが酷かった事もあってか、割と、憎めない感じは出ちゃってますね。

そう思う理由の一つには、マッドレックスの存在も大きいでしょう。キャノンボーグが酷かった事も、やっぱり、上乗せされて、サンシーターたちはマッドレックスを上司として、未だに慕っているようです。確かに、マッドレックスは粗暴な部分があって、オラオラ系ですが、仕事で結果を出せない部下を冷酷に切り捨てず、熱い気合を漲らせて引っ張ってくれます。そりゃ、サンシーターたちもマッドレックスに恥じない仕事をしよう、と気合が漲る訳です。

そんなサンシーターたちが、今回、ギャーソリンを得るべく生み出したのが、トイレットグルマー・リミテッド。かつて、射士郎を恐怖と恥辱のどん底に叩き落とした、とんでもない能力を持ったトイレグルマーの復活種。しかも、この個体は人間から芯を引っこ抜いて、やる気0にしちゃう新能力も持っていた。その手の能力を持った怪人は、他戦隊にも出てきているが、どいつもこいつも厄介なのは確か。

そのトイレグルマー・リミテッドを倒すべく、「届け屋」の仕事を中断して、戦いの場に駆け付けた射士郎は、トイレットグルマー・リミテッドの姿を見て、血相を変えてしまう。やっぱり、彼の中で、あの体験は未だにトラウマらしい。大也に何かが起きてしまったら大変だ、と彼を庇う射士郎を他所に、トイレットグルマー・リミテッドの水を浴びても、ブラック、ピンク、バイオレットは変化なし。全員、裏表がなく、常に本音で喋っているキャラだからか、と思ったが、実は違う。どうやら、この個体、新能力を獲得した一方で、元から使えた能力を失ってしまっていたらしい・・・意味ねぇやん!?

巨大化したトイレグルマー・リミテッドも、さっさと片付けたブンブンジャーは、「届け屋」の仕事もしっかりと終わらせ、帰路に着こうとした矢先、職員に渡したはずの、中身が極秘の荷物が、ハシリンヤンの新隊長らしい奴の手に渡っちまってる。しかも、そいつの顔を見た瞬間に、普段、飄々としている玄幡がブチ切れ、攻撃を仕掛けた。一体、コイツは何者で、また、玄幡との確執が何なのか、そして、大也の恩人である内藤の動きも気になるトコだ。

 

仮面ライダーガッチャード

最終話「キミと僕のCHEMY×STORY」は、どストレートに言って、最高でした。どんな作品にしてもそうですけど、ファンを「〇〇ロス」にしたのなら、それは、間違いなく、良い作品なのです。

賢者の石を揃え、ついに、最強の力を手に入れたグリオンは、自分の正しさを信じて追い続けた「黄金郷」を実現させるべく、行動を開始してしまいました。夢を追う、それ自体は、決して、悪い事じゃない。夢を叶えるために努力する、それは素晴らしい事です。しかし、グリオンのグリオンだけの幸福は、多くの人を不幸にした上に成立してしまっています。であれば、宝太郎たちは、グリオンを止めるより他ありません。誰かを泣かせる夢を認める訳にはいかないのですから。

最終決戦を前に、宝太郎は覚悟を決めているからこそ、母に事実を告げるべく、家に戻ってきていました。家の中では、お母さんが待っていましたが、その表情は、いつもと違い、悲痛なものに染まっていました。宝太郎は、自分が仮面ライダーである事をお母さんに打ち明けようとしますが、お母さんは、とっくに宝太郎が仮面ライダーである事に気付いていたようです。やはり、お母さんは凄いですわ。息子の覚悟に触れ、成長している事を実感したお母さんは、宝太郎を戦いへ行かせたくない気持ちを押し殺し、「最後まで走り抜きなさい、そして、絶対に帰って来なさい」と約束させた上で送り出してくれました。改めて言う事じゃありませんが、この『仮面ライダーガッチャード』は、宝太郎をお母さんが見守ってくれていたからこそ最高だったのですね。

レインボーガッチャード、トワイライトマジェード、ヴァルバラド黒鋼の並び立った状態での変身は、実に壮観でしたね。レインボーガッチャードに、グリオンを倒す事を任せ、トワイライトマジェードとヴァルバラド黒鋼が送り出したシーンも、仮面ライダー同士の絆を感じました。錬金術で作った坂道をゴルドダッシュで爆走したレインボーガッチャードが、金色のキューブの中で真っ先に見たのは、満身創痍のクロトーでした。グリオンの悪意によって”命”を奪われたアトロポス、ラケシスの仇を討つべく、クロトーは自分の力では勝てないのも承知で、グリオンに戦いを挑んでいたのです。彼女が”命”を落とすのも承知で戦ったのは、宝太郎なら、ここに乗り込んでくる、と信じていたからでしょう。クロトーから思いを託され、彼女の最期からも目を背けなかった宝太郎、カッコ良かったです。

レインボーガッチャードとエルドが戦う裏で、トワイライトマジェード、ヴァルバラド黒鋼も、グリオンが生み出した冥黒王の複製体と激闘を繰り広げていました。一人の戦士として成長したスパナは、もう、偽ギギストを前にしても、怯えず、怒らず、冷静に戦い、撃破します。トワイライトマジェードは、偽ジェルマン、偽ガエリヤに苦戦を強いられていましたが、ウィンドが加勢に来てくれた事で盛り返し、父娘の合体技で撃破しました。生身でも、蓮華、錆丸も自分に出来る事を全力ですべく、大量生産型のドレッドから人々を守っていました。そんな二人の元へ、加治木が助けに来る展開は熱かったですね。

エルドの強さは凄まじく、レインボーガッチャードですら互角の勝負すら出来ません。宝太郎はケミーの力を借り、次々とフォームチェンジして戦いを続けようとしますが、エルドに一蹴され、ホッパー1とスチームライナーも黄金に変えられ、その上、ドライバーを破壊され、変身できなくなった宝太郎。彼も含め、次々に黄金へ変えられてしまう。世界を理想の黄金郷に変え果て、エルドは幸福感に浸ります。しかし、黄金像にされたくらいで死なないのが、ポジティブモンスターである一之瀬宝太郎。彼は黄金像のまま、ゆっくりとエルドに向かっていき、強烈なパンチを顔面にぶち込みました。想像していなかった事態に動揺してしまうエルドを前に、宝太郎は新たなドライバーを錬成。それに伴い、ホッパー1はアルティマホッパー1、スチームライナーはアルティマスチームライナーに再錬成され、ガッチャードはレインボーを凌駕するアルティマスチームホッパーへ到達。基本にして最高の力は、エルドの悪しき強さを寄せ付けません。決着が、必殺キックをぶつけ合うってのが良いですよね、また。全てのケミーの力が上乗せされたアルティマフィーバーで致命傷を負ったグリオンは、宝太郎とケミーたちの絆を目の当たりにし、そこへ真なる美しさを見た事で、自分の敗北を潔く認めたのか、土塊に戻りました。

最終決戦から、いくらかの時が過ぎ、世界には平和が戻っていました。店で接客をしながら、カグヤと会話をしていた宝太郎は大人に呆れながらも、皆の幸せを守れた喜びを噛み締めていました。そんな宝太郎が仲間たちと共に向かったのは、彼が作り出した第二の地球・・・なんじゃ、そりゃ、って感じですね。これまで、色んなミラクルを起こしてきた宝太郎だけど、最終回でそれらを凌駕する超ミラクルをやってのけましたねぇ。ほんと、一年間、ありがとうございました。しかし、気になるのは、やはり、宝太郎の父親。これは、あくまで、私の勝手な推測ですけど、宝太郎パパは、風雅やグリオンに劣らぬ凄腕の錬金術師で、禁忌を犯して、人造的な賢者の石を作り出し、それを核にする事で、成長し、変化し、限界を超えていくホムンクルス=宝太郎を作り出したんじゃないでしょうか。もしかすると、ガッチャードとガヴが共闘する冬映画で、宝太郎パパが登場する可能性はあるんですかね?


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