七人の侍続き

今回、奇跡ってあるとすごく感じた。

私は交通費を払ってたった一本の映画を見に

東京まで、高松から行くことに

少し罪の意識があった。ぜいたくじゃないか、、、

でも、本当に好きだから、そう思いなおして

どきどきして、バスの中でうれしくて

こんな奇跡があるんだと思うと、涙がじわってでてきた。

　そうして、やっと映画館について

となりの待合で何の気なしに

おばあちゃんと話をした。

彼女はもう80歳。でも毎日黒澤監督の映画を見に来ていると言う。

うらやましい。

　私がこの七人の侍を見に四国から来た事をつげると

おばあちゃんはえらく感心して

映画について延々話をした。

　となりにいた映画好きの30歳くらいのおにいちゃんや

マニアっぽい40歳くらいの女の人も

いっしょに話した。みんなどんなに、監督がすてきか

三船敏郎が素晴らしいか、話した。

　楽しかった。

そして話の中でおばあちゃんが後で、私と一緒に

食事しましょうと、いう話になった。

　彼女は80歳にしては、とても理知的であると

思ったが、彼女の一番好きなのは（赤ひげ）だったので

（七人の侍）はいまいちだったようだ。

すんだ後で「それで侍は何人死にましたか？」とたずねられ

ずっこけそうになった。今いっしょに見たでしょう、と

おもわず突っ込みそうになるのをこらえ

「結局3人生きてましたから、4人は死んだんです。」

と答えた。
　
　ふたりで食事をしにいく途中

驚いたことにおばあちゃんは、映画のグッヅコーナーで

黒澤監督のＤＶＤを5本ほど買っていた。

それは、解説本とともに新しくだされたＤＶＤで

ちょっと重い。それでわたしが持つことになったのだが

「あなたは七人の侍がお好きなんだから」と

なんと、そのＤＶＤを私にくれるとおっしゃる。

私は三千円以上もするものだし、辞退したら

どうしてもくださると言ってゆずらない。

そこで、「じゃ、私も四国のおいしいものを送ります」

と言うと、「それは止めて」と言う。

　「私はもう明日のことはわからない。明日どうなっているかわからないんです」

「だからあなたにこれをあげたいの」そうおっしゃるので

なんだか私も感激して頂くことにした。

　食事をしたら、またおごってくださり、御縁とはいえ

私は奇跡ってあるんだと、感激した。

私は自分ができることでお返ししよう。

私は自分の本を送ることにした。それなら受け取ってくださると

おっしゃったので、住所をきいて、お別れした。

奇跡はおこる。自分の大好きを追いかけよう！