切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

《 ロシア軍、ウクライナ民間人への大量殺戮・・・極めて悪質非道 》   2023.1.16

2023-01-16 23:59:21 | 社会


 プーチン大統領のロシア軍による、一方的なウクライナ侵略戦争が始まってもう間もなく11ヶ月。ロシアが主張するところの「特別軍事作戦」である侵略戦争の長期化は、一定予想されてはいたものの、来月で満1年を迎えることになる。

 この段階に来てロシアは戦闘員損失が激しく、プーチン大統領は見境もなくこの戦争を、さらに泥沼へ引き込もうとしている。すでに非戦闘員の動員、さらにはプロの軍事会社であるワグネルの利用などなど、手段を選ばず一方的にロシアの独断でしかない正当性を主張しとする。そしてなお一層ロシア国民を扇動する。

 そんな最中、昨日はウクライナの東部にある都市、ドニプロに対してミサイル攻撃を行った。一発のミサイルだが、10階建てくらいの集合住宅が大きく破壊され、現時点において少女を含む40名の死者が確認され、さらに30名が行方不明。時間的に行方不明の30名は絶望視されている。最初から民間人を狙ったミサイル攻撃だ。この侵略戦争においては、プーチンに人間性のかけらもない極めて卑劣で悪質な野蛮な戦争犯罪が、繰り返し行われており、戦争初期段階から見てどんどんエスカレートしているのは明らかだ。



 今日のテレビの情報番組で紹介されたミサイルが命中する瞬間の映像は、ストップモーションにおいて、そのミサイルがかなり大きなものであり、おそらく艦船に搭載された対艦船用の中型ミサイルであることがほぼ間違いないだろうということで、報道されていた。本来であれば相手の軍艦に対して用いられるものだが、そういったものが民間人に対して殺戮のために使われたのだ。このことは一体何を意味するのか。

 攻撃を受けたウクライナの都市は沿岸部ではなく、少し内陸部にある。したがってロシアの軍艦が洋上から発射するには、それなりの射程距離が必要だ。逆に言えば陸上攻撃用ミサイルにおいて、それだけの能力を持ったミサイルが不足しているのではないか、ということも予想される。しかし一発で軍艦を破壊し沈めるだけの威力があるものが、民間住宅などに対して使われれば、何の防御もないマンションやアパートなどひとたまりもない。そこに大勢住んでいることが分かっていて、今現在ではピンポイントで正確に狙うことができる。あえて民間人を大量に殺戮するために行われた攻撃なのだ。



 戦争というものにも一定のルールのようなものがあって、相互に相手の民間人や民間施設、特に病院や学校などといったところは攻撃してはならない、という不文律みたいなものがある。戦争するにあたってのルールというのも違和感を覚えるが、それでも最低限、非戦闘員の犠牲を出してはならない。戦争はあくまでも軍人同士が行うものであると言う一つの前提があるわけだ。ロシアはそれを完全に無視している。そしてあえて民間人を大量に殺すことによって、ウクライナの人々の意欲を喪失させるという狙いを持って行なっているんだろうと思われる。

 比較的最近の過去のあちこちでの戦争を振り返ってみると、軍人同士の戦争などというのはほとんどないに等しい。第二次世界大戦においても大量の民間人が犠牲になった。戦争初期では相手の基地、相手の兵器等に対する攻撃であったものが、途中からその境はなくなり一般の人々に銃口が、そして爆弾やミサイルが向けられることになる。原子爆弾はその最たるものだ。それ以前にいわゆる絨毯爆撃と言われる、民間の施設が並ぶ都市に対する攻撃、爆撃というものが、軍民関係なしの卑劣な行為そのものに該当する。

 第二次世界大戦後においても、ベトナム戦争でもそうだし、中東戦争でもそうだし、アフリカ等における内戦なども何十万という民間人の犠牲者が出ている。背景に侵略や民族問題、宗教問題が絡んだりしていても、もはや戦闘行為が行われれば相手の何もかもが攻撃対象になり、戦争犯罪は一気にエスカレートし、とどまることができなくなる。

 人々の間に残るのは勝敗というよりは、相互への憎しみ、そしていつしか復讐、という思いになるだろう。そのような歪められた精神状況を各民族が、あるいは各国民が持ちながら最終的に、和解などというものが果たして本当に成立するのだろうか。おそらくウクライナの国民にとってみれば、少なくともゼレンスキー大統領は最後まで戦うということを明示しており、国民に対して鼓舞している。そしていわゆる西側諸国に当たる国々は、武器援助を続ける。最近では援助疲れなどという表現も現れているが、援助が絶たれれば最終的にウクライナは全土がロシアに吸収されてしまうだろう。もしそうなった場合に、地政学的には西側諸国にとってみれば、今後の政治のあり方、外交のあり方、ロシアの進出というのは、かなり憂慮すべき問題になっていくことは間違いないところだと思える。



 そういった点から、あくまでもウクライナに対しては、後方支援という形を取らざるを得ない状況で進められているが、これはロシアが主張するところの「特別軍事作戦 」との表現が、ロシア本国に対する直接攻撃をしにくくしている側面がある。本来ならばロシアの一方的な侵略戦争であり、それに対する反撃としてのロシア本国への攻撃がなされるべきなんだろうと思う。もちろんプーチン大統領は核兵器の使用を匂わせているだけに、戦術核兵器が実際に使われる可能性が十二分にあるという状況においては、ロシア本土への直接攻撃がは難しいというのは事実だ。

 しかし今回の民間集合住宅への殺戮攻撃を見ても、今後同じようなことをさらに大規模にやってくることは間違いないだろう。これから先、一体何人のウクライナ民間人が犠牲にならなければならないのか。ロシアに対する制裁は実質上あまり効果を上げていない。西側の多くの国が、ロシアのエネルギーに依存してる側面があるだけに、逆に脅しをかけられているという状態だ。そういった点から、ロシアは他国の足元を見ており、いわばやりたい放題にできるということを十分承知の上で行なっている。

 日本においても最近は、ウクライナ情勢に対する報道が明らかに減っている。多くの人々がテレビなどを視聴する時間帯のニュースにおいては、たくさんある項目の一つに過ぎない扱いだ。昼の情報番組などでは、少し時間を取って解説したりしているが、そういった時間帯というのは専業主婦でもない限り、見ている人はいないだろう。更なる支援のためにも事実の報道というものが、さらに必要とされている。そして世界中の人々がロシアへの批判を高め、新しいアイデアの制裁なども今後強めていくべきだろう。

 この間の動きで、ロシアと中国の接近がさらに強まり、北朝鮮もその中の繋がりに入ろうとしている。何をするかわからないロシア。これが典型的な前例となり、次はおそらく中国、そして北朝鮮は核実験のレベルをさらに上げることは間違いないだろう。内陸部における地下核実験から、日本海における水中核実験へ移行する可能性も十分にあると考えておかなければならない。世界は確実に極めて際どい崖っぷちに来ている状態だということだ。


   (画像はNHKより)

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