警備要員がランナーを囲む厳戒ぶりは、まるで重犯罪人を移送しているようで、
けっして平和の祭典へのプレリュードと呼べるような光景じゃない。
その原因は、中国中央政府のチベットへの圧政にあることはいうまでもない。
「オリンピックは、政治とリンクさせるべきじゃない」
このお題目は耳障りがいいし、いかにも正論のようにきこえる。
しかし、これは理想主義者の夢物語だ。
とかく五輪は、政治に振りまわされがちだ。
幻の東京五輪、ミュンヘン五輪の惨劇、モスクワ五輪のボイコット…etc
これまでも数々の政治による五輪受難の歴史があった。
そもそも国家が五輪を誘致し開催する目的のひとつに、国威発揚があることは否定できない。
残念ながら五輪は、政治や商業と切り離して考えることはできないのである。
中国政府のチベットへの圧政は、たしかに目に余るものがある。
人道的に許されるべきじゃない。
でも、人権団体とか、活動家とかを称する人たちの、
今回の一連の抗議行動には疑問を抱かざるを得ない。
聖火リレーへの妨害行動は、誰にも利益をもたらさないんじゃないかな?
通常、IOC は内政問題には関与しない。
しかし、ロゲ IOC 会長は ANOC 総会の開会式で、北京五輪の聖火リレーが各地で妨害されていることに言及し、
「IOC は深刻に憂慮しており、チベット情勢の平和的な解決を求める」
と、コメントした。
異例中の異例なこと、と言っていい。
また、チベットの精神的指導者 ダライ・ラマ14世も、北京五輪の開催には賛成の立場を取っていて、
「いかなる妨害もすべきではない。聖火リレーの阻止行動は、中国の大衆にチベット人への憎悪を抱かせるだけで無益だ」
と、述べている。
当のチベットの人びとも望んでいない、北京五輪への抗議行動。
これら活動家たちは、いったい何のために、そして誰のために、蛮行を繰りかえしているのだろうか?
僕は、ダライ・ラマ法王の唱える平和的対話によるチベット問題の解決、自治の回復という取り組みを支持したい。
中国政府が武力の使用を停止し対話のテーブルに着くことが、
北京五輪への抗議行動を止める唯一無二の解決策だと思うのだけど…。
僕は、甘ちゃんなのだろうか?
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yutakarlson
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