SIDEWALK TALK

冬灯雑記

Pine未明に降りだした雪が、まだ断続的に舞っている。
気温は充分寒いと思うのだけど、積もったりはしていない。
もっとも、積もってほしくはないけど…。
舞っている雪をみながら、漠然と沖縄のことを考えている。


沖縄でまた、米兵による少女暴行事件が起きた。
これは刑事事件であり、人権にかかわる問題。
政治問題化して騒ぎたてるのは、本末転倒だろう。
犯人には、厳罰をもって対処すべきだ。


犯人を擁護する気も、ましてや被害者を責め立てる気など毛頭ないが、
これは被害者の自衛によって回避できた事件じゃなかっただろうか?
沖縄に基地を押しつけている僕らにはいう資格はないが、
暴兵が駐屯している地域に住んでいる婦女子の心得として、
あのような時間にあのような場所にいることはいかがなものだろう?
自分をもっと大切にしてほしかった。


もし岩国市長選がこの事件後の投票だったら、
選挙結果は自ずから違ったものになったにちがいない。
岩国市民は、どう感じてるんだろうか?


唐突だけど、「源氏物語」についてふれたい。

いつ書き上げられたのか、正確な時期はわからない。
けど、「紫式部日記」には、
少なくとも作品の一部が当時の貴族の間で読まれていたことを示す記述がある。
いずれにしても、平安初期には成立していたことはまちがいなく、
世界最古の長編小説という栄誉は変わらない。


ことしは、「源氏物語千年紀」とされている。
源氏物語のスゴイところは、
文章日本語がまだなかった時代に、その豊かな構想力を美しい文体で著した
ということだ。
文章を発明しながら小説を書いた、といっても過言じゃない。


現在 僕らが使用している文章日本語は、夏目漱石によって完成をみた。
自分の心情も語れるし、政治問題についても議論ができ、
哲学思想も探求できるし、痴話喧嘩さえも生々しく表現できる。
万能といっていい。


かな文学でさえ未成熟だった当時、
紫式部独自の手法なのか?それとも、そういう文体が貴族社会にあったのか?
とにかく源氏物語の成立は、ミラクルとしかいいようがない。


「源氏物語」を発見?し、世界に紹介したのは、
ドナルド・キーン(Donald Keene)氏だ。

キーン氏と日本語(日本文学)を結びつけたのは、皮肉にも戦争だった。
米海軍日本語学校で学んだのち情報士官として海軍に勤務し、
太平洋戦線で日本語の通訳官を務めた。
おそらく、その卓越した語学力を駆使して、わが邦の暗号も数多く解読したにちがいない。
そんなことは、どうでもいい。
僕ら日本人は、キーン氏にいくら感謝してもし足りない。


悪名高き二千円札には、沖縄の首里城守礼門と源氏物語がフィーチャーされている。
だからか、今回の少女暴行事件のことを考えていると、
源氏物語やそれを世界に紹介してくれた元米兵キーン氏のことなどに想いが至った。


きょうは主題など、とくに設けてない。
雪灯りに明滅するように、以上のことが頭をよぎった。
思いつくままに書いてみた。

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