かるい風邪程度なら、時にはベッドでウダウダするのも悪くないな。
ふだんなら手をつけない書物などを、閑にまかせて読んだりできるからだ。
きょうは、ボサ・ノヴァともカフェ・ミュージックともつかぬ
オムニバス CD を聴きながら、宗詩の本を繰っている。
陳造という詩人の「田家謡」という作品の中で、タイトルの句をみつけた。
半月天晴れ、一夜雨降る。
特別な意味はない、と思う。
「半月も晴天続きだったけど、一夜、雨が降った」、というだけの内容だ。
この詩は、江南(中国江蘇省)の農家と田園を詠んでいる。
恵みの雨のお陰でようやく田植えができ、稲の苗が一面にそよいでいる。
ただ江南の風景を描写しているだけの句で、
尚かつ、まったくの季節外れだけど、なんとなく心にとまった。
微熱のせいかな?
話は、韓国の方へ、ガラッと変わるけど、
ソウルの「南大門」(崇礼門)が焼失した
というニュースをみた。
出火原因は特定されてないけど、放火の疑いもあるという。
僕は、南大門についてほとんど知るところがないので、個人的にはなんの感慨もない。
けど、ソウルの象徴としてメディアにしばしば取りあげられてたり、
ソウルに現存する最古の木造建造物として国宝第1号に指定されていたりしているところをみると、
単なる歴史的建造物じゃなくて、
ソウル市民(韓国民)の精神的支柱的な役割も果てしてたんじゃないだろうか。
いずれにしても、韓国民だけじゃなく、
人類共通の遺産のひとつが失われたことだけはまちがいない。
隣国の傷心の人たちに火事見舞い以上のお見舞いの言葉をかけたいのだけど、
未だ言葉が見つからない。
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