きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

発声法と体の仕組み

2009年02月13日 | 音楽のこと
発声についての本を読んでいる。

英語で読んでいるが、わからない言葉を辞書で引いても、更に日本語がわからない。
「広背筋」「直筋」あたりは学校で習った事があるような気がするし、どのあたりの筋肉かわかるにしても、「僧帽筋」なんていうのはお手上げである。
筋肉に限らず、「脊柱」「椎骨」「転子」なども、どこの骨なのかさっぱり・・・。

声楽家にとって、楽器は自分の体なのに、ここまで自分の体の仕組みがわかっていないことに愕然としている。

今まで、いかに「感覚」だけで楽器を操ってきたことか・・・。
レッスンを受けても、常に体で覚えてきた証拠である。

こうして理屈で改めて学んでみると、先生の教えとどんどんつながってくるのが興味深い。
感覚は人には正確に伝えにくいが、理屈であればしっかりと人に伝授する事もできる。
自分の中でも、あやふやな部分が確信に変わって行く。

目からうろこの毎日の最近の京である。

筋肉の記憶♪

2009年02月05日 | 音楽のこと
体を動かすには筋肉が必要だ。
我々はすべての動きを筋肉によって行っていると言える。

普段の何気ない動き、いつも行っている動きは、筋肉がしっかり動きを記憶してくれているので、何も考えずに、不自由なく行うことが出来る。
たとえば「食べる」時、指や手や腕の筋肉を巧妙に使ってお箸を持ち、動かして物をつかみ、口に運ぶや否や今度は口の筋肉がうまい事食べ物を砕いて、舌の筋肉を使って喉に運び入れる。
これらはすべて、筋肉が「記憶」して行っていることだ。

いきなり、全然音楽と関係ない事から入ったが、今、発声における筋肉の動きを研究している。
上記した、「筋肉の記憶」が正しくないと、良い声は出ないからだ。
余計な「力み」は、リサイタルにおいて体力の消耗を招くことはもちろん、喉の機能そのものにも支障を起こしかねない。
歌手は、本当に必要な部分の筋肉を有効に使わなければならない。

と、簡単に書いてみたが、歌手だって歌だけ歌っていれば良いわけではないので、実際の所はとても難しい。
私の場合は、ちょっとした緊張などで、歯を食いしばったり、胃に力をいれる癖がある。

「筋肉の記憶」を直すには、3~4週間かかるという。
つまり、私が歯を食いしばる癖をやめようと思ったら、常に意識してあごの力を抜き続けて一ヶ月過ごさなければならない。

ただ、「筋肉の記憶」の怖い所は、「無意識」であると言う事。
自分で力が入っている事に気付かない点だ。
更に、2,3箇所同時に意識するのは不可能に近いと言う難点もある。
私の場合だったら、あごの力を抜くのに一ヶ月、胃の力を抜くのに更に一ヶ月かかるというところか。

まだしばらく、筋肉の研究と訓練は続きそうだ。