きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

歌唱と体力♪

2016年03月28日 | 音楽のこと
去年の秋に、久々のピアニストとのジョイントリサイタルを行った際、
体力が落ちていることに気づいた私。
テニスを毎週1回、それも結構ハードにやっていたので、運動もちゃんとしているつもりでいました。

それなのに、ちょっと体力がいる曲を歌うと、支えが途中でなくなってしまう!?
体の中心にあるはずの柱が、音をあげてガラガラ崩れてしまうかのように。。。

もしかしたら、「体幹」が弱っているのかも!?
と、思って、ヨガを始めたのが去年の9月。
教えてくださるヨガの先生が、教え方も素晴らしく、そしてめちゃくちゃ素敵で
惚れ込んでしまい、月に5回のレッスンを受けています☆

そして半年経って、明らかに違いを実感できるのです!
その証拠に、先日のコンサートではソロ、デュエット合わせて10曲以上歌ったのに、
全く疲れが出なかった!!
次の日も元気はつらつ♪

さらに!
違うのです!声も☆
今まで時々しか出なかった高音が、パンパン出る♪
ものすごく練習を要したコロラトゥーラのパッセージが、いきなり苦も無くす~らすら♪
そして何より、楽なのです。歌うのが!!!

やっぱり歌唱力と体力は、表裏一体なんだと、わかっていたつもりだけれど、改めて実感。
体力をつけることで、歌唱力を鍛えるための練習量が少なくて済む=声の消耗を防げる!
と、言うことが分かったので、ヨガも極めていきたいなー。

と、いうわけで、体の中の筋肉を、ちょっとずつ増やし蓄える、最近のみやこです。
修業はまだまだ続く。。。

でもすでに、ずーっと前から歌いたくて仕方がなくて、でも高音の危うさからあきらめていたある大好きなオペラアリアを、ウキウキしながら練習しています。次のコンサートでは歌えるはず☆乞うご期待♪

春~Spring~ 無事終了しました♪

2016年03月13日 | 音楽のこと
ちょっと寒かったけれど、お天気にも恵まれる中、無事にコンサートを終えることができました!

ジャンルをまたいだコンサートで、ちょっとちぐはぐだったり、「音」に対しての意見の食い違いがちょっとあったりで、
本当に新しいことに取り組んだ感があって、挑戦がとりあえず終わった!!
という達成感があります♪

クラッシックの音楽家だけで作るコンサートと違って、考えること、話し合うことがたくさんあって、
色々とても勉強になりました!
この経験を活かして、また楽しんでいただけるコンサートができたらいいな☆
と願うみやこです。

何より、本当にたくさんの方々に応援していただき、ご協力いただいて、心の底から感謝感激しています。
ご来場の皆さま、お手伝いくださった沢山の皆さま、本当に、本当にありがとうございました!
ありがとうって、100回も1000回も言いたい気持ちでいっぱいです!!!

モーツァルトの歌曲「すみれ」 ドイツリートの魅力♪

2016年03月07日 | 音楽のこと
ドイツリート(ドイツの歌曲)の代表格の作曲家、シューベルトの作品を先にあげたけれども、
今回もう一曲、モーツァルトの作品も歌うことにしました。

歌曲とは、クラッシックの声楽曲の中の1ジャンルで、英語では「アートソング」なんて呼ばれることもあります。
芸術性の高い歌の総称で、歌曲と言っても歌が主役、ピアノは脇役、という位置づけではなく、
歌も伴奏も音楽を形成する重要な役割を果たしています。

先に紹介した「春への想い」は、歌が冬から春へと移り行く季節を人生に例える詩を歌い上げ、ピアノはその情景を美しく表現します。

そして今日ご紹介する「すみれ」は、歌曲の中でも、ストーリーが展開する作品です。

野に咲く可憐な1輪のスミレ
そこに可愛い少女が鼻歌を歌い、スキップをしながらやってきます。
スミレは思います
「ああ、ぼくがもう少し大きな目立つ花だったら。。。
そうしたらきっと、彼女は僕に気づき、つみあげてくれるのに。。。
彼女の胸に押し付けてもらえたなら、どんなに幸せだろう」

そこへ何と、彼女が近づいてきます!
そしてどんどん近づいて。。。哀れなスミレは気づかれることもなく、踏みつぶされてしまいます。。。
そしてスミレは思います。
「ああ、彼女の足の下で死ねるなんて、ぼくはなんて幸せ者なんだ!!」

これをモーツァルトが表現すると、なんとも可愛らしい、なんともひょうきんな、そして何とも物悲しい
何とも言えない絶妙なバランスの、見事な歌曲が出来上がります。

この曲では、ストーリーとスミレは歌を、そして、ピアノは情景だけでなく、女の子の鼻歌、スミレの心の移り変わりを表現しています♪

今回初共演の、瀬戸さんとの素敵なコラボをお楽しみに☆

春への想い~シューベルト♪

2016年03月04日 | 音楽のこと
3月12日のコンサートで歌わせていただく曲の中で、一番古いレパートリー
シューベルトの、「春への想い」。
まだロンドンに行って間もない頃に偶然ホームステイ先が一緒だった声楽家の先生について始めた歌のレッスン。
発声から始まって、何曲かイタリア古典歌曲を習ったのち、
「今度はドイツ物をやってみようか」
と、言われて頂いたのがこの曲です。
もちろんドイツ語の知識はゼロ。英語だって、人々が言っていることが半分もわからない10代の私に、
1から発音の仕方を教えてくれて、ドイツリート(歌曲)ってどんなものかな?というのを教えてくれて。。。
私のドイツリートの原点となる曲です。

なのに!何故だかプログラムに入れたことはほとんどない!?
とても素敵な曲だけれど、前にもブログでつづったことがありますが、何を隠そう私、シューベルトが苦手。
そもそも何が良いのかよくわからない(笑)
だったのです。つい最近まで。
最近になって少し、シューベルトの奥ゆかしさの中に、ピーンと筋の通ったような緊張感や、
表面は静かだけれど、奥にふつふつと、はどはどとするような想いが隠されている感じの良さが、
わかるようになってきて、プログラムに有名曲以外のシューベルトを入れる気持ちが芽生えてきました。
そこで、原点にかえって選んだのがこの曲、ということになります。

優しい風が呼び起こす
夜も昼もささやきかけ
どこもかしこも創造する
ああ、新鮮な香り、ああ、新しい音!!
弱い心よ、恐れないで
今、すべてが変わってゆかなければ

日々世界は美しく変化する
私たちは、まだこれからどうなるのかを知らない
花々の開花はとどまることを知らず
どんなに深い谷間も美しく飾る
弱い心よ、苦しみなど忘れて
今、すべては変わってゆかなければ

私の、ほぼ直訳に近い、即興で書いた(汗)訳詞ですが、この歌詞にシューベルトが音楽をつける。
本当に神がかった組み合わせだな、と思います。
私のイメージするシューベルトそのもの♪
そして、なんてこの時期にぴったりの歌なんでしょう!!

この、新しい芽が次から次へと出てくるような素敵な歌を、さわやかに、でもひめやかに
歌いたいな、と思っています☆