きりのみやこ

ソプラノ歌手「みやこ」の音楽する日々

夢と目標

2011年08月18日 | 音楽のこと
先に、自分の進路について、特に自分の歌について「これ」と言うものがない事は書いた。
では、将来のビジョンがないのかと言われれば、決してそんな事はない。

今歌手である事は、私の場合、「結果」ではなく「過程」だと思っている。

先に、いくつかオペラについての記事を書いてきた。
私の夢は、それに強く関連する。

それは、オペラをもっと日本でポピュラーにする事。

だからと言って私の場合、オペラ座を作ったり、本格オペラ団を作るような力もコネクションも何もないし、それらを作る事は私の直接の目標に一致しない。

なぜなら、オペラ座にしてもオペラ団にしても、作るのには多大のお金が必要で、
それを還元するためには、また多大な入場料を取らなければならない。
それでは観客は、オペラファンのみになるに決まっているし、オペラ=敷居の高いものという意識を強めてしまうだけだから。

それよりはもっと、時代に合った、誰もが楽しめるオペラが出来ないか。

実は、私の頭の中ではこの事は、かなり具体化されつつある。
あと必要なのは仲間か。

同じような考えを持っている方がもしいらしたら、是非ご一報を☆

オペラって、どんなもの?

2011年08月14日 | 音楽のこと
先のブログで、オペラが全然日本でポピュラーでない理由をあげました。

ではオペラって、どんなものでしょう?
日本語では「歌劇」。文字通り、演劇です。

演劇との大きな違いは、ほとんどの台詞は「歌」によって表現されます。
(例外がありますが、ここではいわゆる著名で典型的な、ロマン派までのオペラについて書きます。あ、それでも例外がありますけど。。)

伴奏はオーケストラの生演奏で行われます。
(舞台の前下の「オーケストラピット」と呼ばれる所に入って演奏します)

基本的に、それだけです。

後は、普通の演劇と同じく、もちろんストーリーがあり、役があり、
一人で台詞を言う「独白」の時はソロ。
2,3人で会話をするときはデュエット・トリオ
人数が増えれば5重唱、6重唱、

いわゆる「エキストラ」(通行人とか、村人とか・・・)は合唱によって行われます。

そして、もっとも特徴的なのが「レチタティーヴォ」。
上記した、ソロやデュエット、合唱などをつなぐ、「台詞」の部分で、
歌っているけれど台詞をしゃべっているような感じの部分を指します。

オペラって・・・

2011年08月13日 | 音楽のこと
先のブログでも書いたのですが、クラッシック音楽が好きな方でも、意外とオペラについては知識のない方が多かったり。
もちろん日本でも、熱烈なオペラファンの方はいっぱいいるけれど、
一般的に見て、意外とちゃんと知られていない「オペラ」の存在・・・

それもそのはず、日本ではオペラはとても遠いですね。
本場イタリアや、ドイツなどでは、すべての都市にオペラ座があって毎日のように上演されている事を考えたら、日本でのオペラ上演の回数は極端に少なくて、しかもオペラ座が存在しない。

「そりゃだって、本場じゃないから当たり前だよ」

って声が聞こえてきそうだけれど。。。
でもそんな事を言ったらクラッシック音楽自体本場ではないのに、たとえば東京でのコンサートの数は、ロンドンのそれとさして変わらない。
立派なコンサートホールの数も、他のヨーロッパの首都のそれにまったく劣らないのです。
コンサートの質だって、世界の一流演奏家がどんどん来日しているし、日本人演奏家の質もどんどん上がっていて、365日、いつでも良い音楽を生で聞きたければ聴けます。(ちょっと高いけど。。)

じゃぁどうしてオペラは・・・??
理由は沢山あるけれど、まずオペラ座がない、と言う事実がとても痛いです。
少し前にブログでも書いた小沢征爾氏と武満徹氏の対談「音楽」と言う本を読んで知ったのですが、バブルの時代に、オペラ座を日本に作ろう、と言う動きはどうやらあったけれど、実現しなかったようですね。

オペラ座と普通のコンサートホールの差は何かと言ったら、まず、舞台裏のスペース。
オペラは演劇なので、巨大な舞台装置がいくつも必要です。
そして衣装。出演者は、コーラス含め、数十人に上るので、その数も大変。
そしてその人数を収容できる控え室。。。

それをすべて備えているホールって言うだけでもほんの少ししかないのに、
その「音楽」という本によると、たとえば東京文化会館の大ホールでも、舞台装置をたとえば、前日の夜に搬入させてもらえない。
公立のホールなので、時間もしっかり決まっていて、まったく融通がきかないので、とても大変などと書かれていました。
たとえば夜7時に開演の場合、当日朝からセッティングをしていたら、リハーサルの時間がとても限られてしまう。。

そんなこんなで、日本のオペラファンの方は、ヨーロッパまで観に行かれる方が多いですね。
日本にオペラが浸透していないのも、無理はないな、と、とても残念に思っています。