きつねゆりセカンドハウス

きつねゆりは「グロリオサ」の和名です。
あの方の復帰を願いながら、
ぶつぶつつぶやいています(o'.'o)

日本の韓流

2016-06-04 15:25:58 | ぺ・ヨンジュン


日本の韓流に未来はあるのか

『冬のソナタ』の大ヒットを契機にして日本で起こった韓流ブーム。
それから12年が経過した。
今でも韓流が日本で根強い人気があるのは確かだが、
様々な問題点も指摘されている。果たして、
日本の韓流はどのようになっていくのだろうか。
どんな社会でも同じだが、日本でも大衆文化を主導してきたのは若者たちだ。
しかし、韓流の場合は違う。
本来なら大衆文化と縁が薄かった人たちが韓国のドラマに夢中になっていた。
これは、とても大事なことである。
今まで若者たちの占有物と思われていた大衆文化が
中年層まで広がり裾野が広がったし、
特に韓流ファンは年齢から言っても
自分が望むものをすぐに買える購買力を持っていた。

単にドラマを見て終わるのではなく、
それと関連する商品を購入することに躊躇しない。
大衆文化に対し経済的に限定される青少年より、
産業振興という点では影響力が大きいのだ。
韓流スターを例に取れば、彼らのドラマや映画だけでなく、
関連するCDや雑誌の売り上げも伸びた。

日本で韓流が大ブームになる前、
先に中国、台湾、香港などで韓国ドラマは凄まじい人気を得た。
それにもかかわらず、各国や各地域では
経済的にそれほど直接的な影響を生み出すことはできなかった。
それは、韓流にはまったのが主に若者たちだったからである。
しかし、日本では若者より40代以上の女性である。
それが経済的には大きなメリットとなっていたのだが、
いくつかの問題点も生まれている。
コンテンツの不足、マーケティングの不備、
アンチ韓流の動きなどである。
日本の人たちが韓国の大衆文化に関心を深めたのは事実だが、
それはわずかなドラマや数人のスターたちに限定されている。
そのことに韓国では危機感を持っている当事者も多い。
たとえば、著名なある監督は、
何よりもスターのパワーに依存する制作システムを変えることが
韓流の危機を解決する方法だと指摘している。

「最近はドラマ制作において、俳優の力が強くなりすぎています。
キャスティングがあまりに重視され、
様々な要素を俳優だけに合わせなくてはならない状況になってきています。
けれど、シナリオと演出の重要性は、時代が移っても変わりません」
こう語って、あまりにビッグスターに依存する傾向を批判した。

日本で韓流ブームが下火になっていると判断している人たちは
異口同音に、「スター中心のマーケティング」に限界があると主張する。
しかも、アジア各国での受けを狙った韓流企画ドラマの多くは、
作品の完成度という面で批判を浴びている。
たとえば、たくさんのドラマが主に日本の市場を見据えて作られたが、
それらは特別な成果をあげられないままに終わった。
こうした作品の共通点は、まさに未熟なコンテンツを
韓流スターのイメージでカバーしようとしたことだった。
このような現象が反復された場合には、
当然ながら、韓流ドラマも競争力を持つことが難しくなる。

韓流早期消滅論を唱える人たちは、
特にコンテンツ不足の問題がいちばん深刻だと主張する。
実際に、日本のテレビ局では韓国ドラマの放送時間がかなり減った。

もう一つ大きな問題は、
日本で行なわれる韓流スターのイベントの料金が高すぎることである。
相場を超える料金設定は、
「稼げるときに稼ごう」と見られても仕方がない。
また、関連グッズにしても、相場を大きく上回っている。
こうした料金に疑問を持つファンがいるのも当然だ。
いくら人気だからといっても、
図に乗るとアンチの動きが活発になるのもやむをえないだろう。

かつて韓国でも日本の大衆文化を受容するときに様々な声が起こった。
今度は日本で逆のことが起こってきている。
確かに、韓流ブームは日韓両国の大衆文化に新しい窓を開いた。
もともと日本は今でも世界的な大衆文化の大国であり、
その日本で韓国の大衆文化が一つのジャンルを確保した意味は大きい
日本における韓流の成功事例は、
韓国人の内面に深く漂っている肯定的な文化的価値を
改めて再確認させたし、
これからも持続的に維持して開発していかなければいけない
という意欲を向上させてくれた。
とはいえ、日韓両国がお互いの大衆文化を受け入れるときに、
経済的な効果ばかりに執着すると混乱が起きやすい。

韓国では、
制作側が短期的な利益にこだわりすぎるという指摘も生まれている。
質のよくない作品が増えたり
著作権をきちんとクリアしないで契約を進めたりしたら、
日本の韓流ファンはかならず離れていってしまうだろう。
振り返ってみれば、韓国の人は日本の韓流ブームという現象で、
大衆文化の力がどんなに凄いかということを悟った。
何10年もかかって国交正常化を果たした両国の努力を、
ドラマ一つが軽く越えていったという認識すらある。
しかし、大切なのは持続することだ。

日本において韓流をジャンルとしてさらに定着させるためには、
まず韓国国内で高い評価を受ける作品を作るべきである。
日本での受けを意識して内容を曖昧にしてはいけない。

何よりも、日本の韓流ファンが求めているのは、
いかにも韓国的で日本にない作品なのだから……。

文=朴 敏祐(パク ミヌ)+「ロコレ」編集部




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