2016年12月3日(土)、千代田区立日比谷図書文化館で
タバコ問題首都圏協議会(MASH) が主催する2017望年会が開催されました。
その時の模様は、当ブログ『タバコ問題首都圏協議会2017望年会が開催されました』で
紹介しておりますので、まずはその記事をご覧ください。
MASHでは、この事態を重く見て千代田区に抗議しましたが
今年7月に入って確認したところ、喫煙室がまだ存続していることがわかりました。
喫煙室を設置していることに関して抗議があったにもかかわらず
区が喫煙室撤去の可否の返事もしないことについて憤りを感じ
千代田区に要望書を郵送したのが7月19日(水)のことでした。
要望内容は以下の1~3で
区長・日比谷図書文化館管理責任者・健康推進課の回答を要望しました。
1.区立日比谷図書文化館は公的施設であり、未成年を含め、不特定多数の利用者が訪れている場所と認識しております。健康増進法第25条では、劇場、観覧場、集会場、展示場その他の多数の者が利用する施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならないとされています。現状では、通路に漏れ出るタバコ臭により、受動喫煙を防止できていません。喫煙所の撤去を要望します。
2.健康増進法25条に違反しながらも屋内喫煙所を設置している根拠をお示しください。
3.区のホームページ上でも、禁煙支援に関して、「たばこが健康に悪影響を与えることは明らかであり、禁煙はがんや循環器病等の生活習慣病を予防する上で重要です。また、喫煙者自身だけでなく、周囲の人の健康にも大きな影響を及ぼします。」とあり、「たばこの先の部分から出る煙(副流煙)は、喫煙者が吸い込む煙(主流煙)に比べ、有害物質が多く含まれます。」と、受動喫煙の害を認めておられるにもかかわらず、何ら対策を取らず、施設利用者を受動喫煙に曝す行為は、行政の不作為です。見解をお示しください。
わざと複数の部署に跨って回答を要望したため、時間がかかるとは思いましたが
2か月経っても回答がないため、9月末日までに何らかの回答を得られるよう
千代田区のホームページ「区政へひとこと」から催促のメールを送りました。
すると、9月27日(水)に文化振興課からメールで返信があり、その内容をかいつまむと
・時間がかかったことへの詫び
・受動喫煙に関しては、国内外で様々な議論が行われている中、区立施設における対策を検討しているところなので、今しばらく時間がほしい
・すべての利用者が快適に利用できる環境づくりに対して、今後もより一層の努力を重ねるので、理解してほしい
ということでした。
そこで、再度私から
・7月19日付の要望書の回答は「今しばらくお時間」ではなく、いつもらえるのか
・「すべての利用者の皆様が快適にご利用いただける環境づくり」の、「快適」とはなにか。受動喫煙の害が立証されている現在、一方的に受動喫煙の機会に曝される環境を自治体で維持・整備することが、「快適」な環境づくりに努力していることになるか
・国内外での議論の推移を見守りつつ、「すべての利用者」に反発を受けないための調整をすることを、日和見主義と言う。日和見主義ではなく、毅然として、区としての見解・方針を打ち出すよう切に望む
・区ホームページの「千代田区生活環境条例のあらまし」にあるように、「住民の悲痛な叫びに応え」てほしい
という趣旨を、メールで送りました。
待つこと約1週間、10月5日(木)に、文化振興課・健康推進課・安全生活課の連名で
正式な回答を得ることができました。
回答の内容は、私が7月19日に要望した1~3のうち、2と3については無回答です。
これまで喫煙室を設置してきたことに対する行政の弁明すらなく大変不愉快ですが
1についての回答によると、分煙対応している日比谷図書文化館を含む区立施設が
建物内禁煙になることは間違いないでしょう。
千代田区では、施設利用者への周知期間をとった後
本年12月頃から、分煙対応している区立施設の禁煙化を実施するとのこと。
これで、タバコの煙や臭いによる体調不良を起こすこともなく
区立施設を利用することができるようになります。
皆さんが声を上げることによって、少しずつでも環境が改善され
いろいろな施設が不安なく安全に利用できるようになったら、と思います。
区の回答にあった「12月頃から」を目途に区の施設の建物内禁煙が実施されたかを
しっかり見届けることも、私たちの大切な役目です。
私も、千代田区が回答したことを実行するよう、注視していきたいと思います。
千代田区議会の平成29年第2回定例会(第3日)(2017.06.13) にて、岩佐りょう子議員が指摘されており、議事録には
「また、オリ・パラのレガシー「風格ある千代田」を標榜しているのですから、国際的な潮流である受動喫煙防止の取り組みとして、せめて区の関係する施設では屋内禁煙を実現するべきではないでしょうか。現在、本庁舎、麹町出張所、日比谷図書文化館には喫煙場所があります。区有施設内の完全禁煙、分煙施設の閉鎖、撤去をすべきと考えますが、区の見解をお聞かせください。」とあり、
区長は、「ところで、建物については、国が、法律は、今回はないようでございます。東京都が条例という動向があるようでございますが、この考え方は将来出てくるだろうと思いますけど、我々のほうは岩佐議員からご質問がありました、まず当面、区の公共施設については禁煙化を図ります。したがって、この庁舎も含めてこの措置はとらせていただきたいと思います。」と答えてますね。
http://asp.db-search.com/chiyoda/dsweb.cgi/documentframe!1!guest04!!27932!1!1!1,-1,1!7313!441117!1,-1,1!7313!441117!10,9,8!4!4!483032!25!1?Template=DocOneFrame
禁煙化の方向性だけならこの答弁の時点で決定していたと読めそうです。その具体的な日程の検討に時間がかかったのでしょうか。
MASHが区議会議員に陳情された結果の質問なのか存じませんが、施設に苦情・要望出すだけでなく議員への働きかけは有効なのでしょうか?
ご経験あればご教示願いたいと思います。
質問をされた議員は「海外では路上での喫煙は当然」と強調しており、千代田区生活環境条例に疑問を呈してるようで警戒が必要かも知れません。
また、詳細な区議会情報をありがとうございます。
お尋ねの件ですが、MASHでは岩佐りょう子議員、千代田区議会議員に対して、陳情はしておりません。
個人的に議員と知り合いで、お話しされた方がいるかどうかはわかりませんが、MASHとしては日比谷図書文化館に抗議をしたのみです。
私は9月まで、MASHの運営委員でしたので、確かです。
回答が遅れたのは、恐らく東京都の動向を窺っていたからではないかと推測しています。
都が、受動喫煙防止条例を早期に制定すれば、喫煙室撤去の理由を都条例に帰すことができ、区が責められることはなくなるからです。
私は議員への陳情をしたことがないのでわかりませんが、知人によると、陳情は方法の一つではあるけれども、陳情する議員に有権者として尽くす気持ちと行動がなければ、議員が動くことはないと話していました。
正当な理由があっても、その1回の陳情でどうにかなるということは、ほぼないと思った方がいいそうです。