たつのこ半畳記 350

坐禅会情報・四季折々の様子を伝えるときどき日記。
令和3年に開創360年を迎えている起雲山大龍寺のブログです。

★台湾・台北 訪問記 その1 「旧曹洞宗台北別院へ」

2012年12月26日 | まなび
お釈迦さま開悟の日(12月8日)を目前に控えた12月5~7日、
世界仏教徒青年連盟主催の行事に参加するため台湾(台北市)に行って参りました。

 「日本の台湾統治時代(1895~1945)に
   曹洞宗が台湾で教化活動をしていた足跡を確認したい」

との思いをかねてから抱いていたことも含めて、現地を訪問しました。







台北に行くには2つの空港があります。
1つは桃園空港。こちらは設備の整った規模の大きな国際空港ですが、台北から少し離れています。
もう一つは松山空港。こちらは小規模ですが、市内を網羅する地下鉄の駅も接続していて便利です。

今回は、東京(羽田)―台北(松山)の空路を選びました。





羽田を飛び立ち水平飛行に移るとすぐ、富士山上空を通過。





松山空港で悠遊卡(easy card)→■を購入。
セブンイレブン、地下鉄などで使えるプリペイドカードです。
地下鉄を乗り継いで宿泊先ホテルに荷物を置いて、真っ先にお目当て場所に向かいました。












そのお目当て。背後にビルが迫る石造り2階建ての建築物です。
これこそ、日本が台湾を統治していた時代の曹洞宗台北別院「山門・鐘楼堂」です。

曹洞宗台北別院は明治43(1910)年に建立され、
現地に居住していた日本人を対象とした曹洞宗寺院であったようです。
それが昭和20(1945)年に台湾統治が終わると日本人は引き上げ、
代わりに別院の敷地内には現地の人が住み始めたとのことです。

この状態は区画整理で伽藍が解体、用地が接収される平成5(1993)年まで続き、
跡地に、それまでの雰囲気を一変させる「青少年育樂センター」が建つに至りました。







かつての曹洞宗台北別院です。
現在と同じ2階が鐘楼堂となっている山門があり、その先には本堂も見えます。







山門の背後にまわって仰ぎ見ると、まさか直後にビルが聳え立っているとは思えません。





ところが、この山門の近くに、統治時代から残されている建物があります。
山門横から続く小径を進むとその先に赤煉瓦造りのお寺があります。











飾り気の無い山門に永平寺と總持寺の寺紋を付した額が掲げられ、「東和禅寺」と記されています。
ここは現在「曹洞宗両大本山台北別院」を名乗る、台湾人を対象としたお寺です。

元々は統治時代の大正3(1914)年に、台北別院内の観音禅堂として建てられましたが、
日本による統治が終わると同時に「東和禅寺」と改称され現地台湾人に受け入れられ、
今日まで台湾の曹洞宗として存続してきたのです。





★台湾・台北 訪問記 その2 「東和禅寺で法要随喜」へ
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