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「運河沿いの白い塔」 透明水彩画 A5(210×148)2017年作 イタリア・ヴェネチア 個人蔵
※会場内撮影のため、作品のイメージが少し違うかもしれません。
今日ご紹介いたしますのは、
イタリア・ヴェネチア、Kokonton Galleryにて2017年に発表させていただいた思い出の作品です。
「運河沿いの白い塔」
この絵はヴェネチアのカステッロ地区にある
Chiesa San Giorgio dei Greciという正教会の大聖堂を描いた作品です。
この教会の白くて細長い塔は少し運河に向かって傾いていますが、
そのなんとも頑張っているような傾き具合がいい感じで、
見るものの気持ちをどこか弾ませてくれます。
昔、ナポレオン軍に占領された時に、教会の所有物をあれこれもっていかれたらしいのですが、
ひょっとすると、この塔はそのときのことを今もしっかり覚えていて、
身体を張って、運河にのりだしてまで見張りを引き受け、
遠くをしっかりと見つめて、頑張っているのかもしれません。
もしかすると、本当の宝物は今も無事で、
大切に守られているのかもしれませんね。
おや
風景から何か聞こえてきましたよ・・・
やれやれ
もう200年も守ってきたね~
でも、いったい何を守ってるのか
忘れちゃったよ!
(大聖堂が話しました)
あれだよ
(白い塔が話しました)
あれってなに?
(大聖堂が話しました)
あれだよあれ
モリバトの巣
(白い塔が話しました)
えっ
ハトの巣なの?
(大聖堂が話しました)
ハトじゃなくてモリバト!
もう200年も前から
鐘を吊るす梁の上に巣があってね
ずっと毎年見守ってるんだ~
(白い塔が話しました)
それって
何代目モリバトってことか?
(大聖堂が話しました)
そうだよ
もう何代目かは数えてないけどね
ハトと違ってね
鳴き声なんかやんわりしてて
「ポォポォーポォーお ポォーポォー」
て鳴いて可愛いんだ
(白い塔が話しました)
もういいよ
それ、お前の個人的なペットじゃないか!
(大聖堂が話しました)
オスの求愛ダンスなんか見たら胸ドキュンだよ♪
(白い塔が話しました)
どうでもいいよ
俺はハトが大嫌いなんだよ
200年もしこたま糞かけられてきたしな
白いお肌が台無しだよ!
(大聖堂が話しました)
だからハトでなくてモリバトだって
(白い塔が話しました)
どっちでもいいよ!
あぁぁ
なにかもっと
別の大切なものを守りたいな~
(大聖堂が話しました)
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