ちょっとできてよかった。

心に響いたことを記録してみました。

大雑把な金継ぎ

2023-09-24 16:21:21 | 日記

お気に入りの食器を割ってしまいました。

 

粉々に砕けたなら諦めもついたけれど、

きれいにパックリと割れて、組み立てることができたので、

そうだ、金継ぎ(きんつぎ)をしてみようと思いました。

 

金継ぎとは、

割れたり欠けたりした陶磁器をうるしで接着し、継ぎ目に金や銀、白金などの粉をいて飾る、日本独自の修理法。

(コトバンクより)

(日本金継ぎ協会ホームページより拝借いたしました)

 

ハンズのサイトで、金継ぎセットを発見、購入しました。

私が使ったのはこちら。

 

藤井漆工芸 金継ぎ「美」セット│金継ぎ・彫刻・版画用品 金継ぎ用品・漆(うるし)|【ハンズネットストア】

コンパクトサイズで最低限の材料で学べる金継ぎセットです。

ハンズ

 

 

説明書を見たら簡単にできそう。

漆はかぶれることは知っていたから、注意しよう。

 

と、とってもかる~い気持ちで始めたのですが、

これが後々、大変な出来事のきっかけになるとは、この時は、露とも思いませんでした。

 

なんせ、右も左もわからない初心者。

説明書では足りないことが大量に出てきて、なかなかに大変でした。

 

 

まず、陶器の破片をガムテレピン油できれいにします。

 

・・・どうやって油を出すの?

こういう形状の缶って、ペンキ塗りをした時の、ペイントうすめ液と一緒。

そのまま傾けると、絶対にこぼれる。もしくは、缶の上にたまる。

ペンキの時は大量だったから、灯油を入れるときのポンプを使用したけれど、今回はどうしよう。

 

布で蓋をして、一瞬傾けて、布に染み込ませることにしました。

後から、付属品の小皿を注ぎ口につけて、少しだけ出すとこぼれないとわかりました。

 

 

次ぎに、米粒をつぶしたものと漆を混ぜて、糊を作ります。

 

付属品の小皿でつぶそうとすると、皿が小さすぎて、ヘラが大きすぎてつぶれない!

多少粒が残っていても、これくらいでいいや、と思ったら、

漆とうまく混ざらず、つぶつぶした糊になってしまいました。

 

その糊を、陶器の破片にぬりぬり。

(我ながら雑・・・茶色い粒々は、米粒の形そのままです)

 

少し時間をおいて、くっつけます。

ここから湿度が高い箱の中で、約3日間おいて乾燥させます。

人工的な成分の接着剤ではなく、天然の素材で、その酵素の力でくっつけるなんて、

すばらしい技法だなあと思います。

 

欠けた部分には、付属の粉と水で粘土を作って、

漆を混ぜ合わせたものを埋め込みます。

これも、配分が難しくて、糊同様にもろもろになってしまいました。

 

(この日の作業はここまで。ふーやれやれ。

説明書に換気のことは書いていなかったけど、ガムテレピン油と漆のにおいが部屋に充満。揮発性の油だから、換気は必須だと思います)

 

 

3日後、箱から出してみると・・・

ゴム手袋についた漆が、指で触った所全部で茶色くなっている!

(きちゃない・・・猫毛までついてる)

 

くっつけたときは、はみ出たところを布で拭いてきれいになったように見えたけど。

ちゃんと、ガムテレピン油で拭き取らないといけなかったようです。

 

やすりでごしごし、結構力を入れないと取れない。

やすりで取れないところは、マイナスドライバーでごりごり。

微妙に食器が傷ついていく・・・

 

白いマグカップに絵柄を印刷したものは、やすりをかけると、表面がはげた!

こういうタイプには、ガムテレピン油で拭くと取れました。

それに気づくまでに、ちょっとハゲちゃった。くすん。

 

この時のこの作業が一番大変で、「金継ぎ、2度目はないな」と思いました。

ある意味、相当な力でこすっても壊れないくらい、糊の耐久性はあるようです。

つぶつぶ糊でも、ちゃんとくっつきました。

 

つなぎ目に漆を塗って、少し乾かしてから、仕上げの金の粉をふります。

 

説明書に「約20分おく」とありますが、20分たっても漆は乾かず。

最初3日おいて完全に乾かして、そこまでカチカチじゃなくてもいいとしても、

20分で乾くの???

 

もう少しおいても乾かないから、金の粉をふることに。

 

金の粉を筆先につけて落とすのですが、圧倒的に量が少ない。

余分な金粉を真綿ではらい落とすとのこと。

でも、漆が乾いていないから、漆が真綿について、またあちこちに漆が広がっていく・・・

また削る作業かあ・・・

 

さらに、ゴム手袋の指先についた金の粉が取れない。

白い紙の上でして、後で回収しましょうとあるけれど、

コピー用紙の上でしたら、紙に金の粉がついて回収できない。

と、貴重な金のはずなのに、ロスが多く出てしまいました。

 

もう、やぶれかぶれ。

筆先に金粉をつけて、つなぎ目をなぞってみたら、

漆と金粉が混ざって、完成図(箱にある写真)とは全く別物になってしまいました。

 

本当は、こうなる予定だったけど、

 

ま、いっか。初めてだし。

水を入れても漏れないし、器として使えそう。

と、これで終了。

 

しかし、やっぱりそれではよくなかったのでした。

 

(続く)

 

 

ブログを書けてよかった。

 



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