東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

川岸からでは見えない世界 1

2010年06月21日 | トンボ
日曜日は先日アオハダトンボを撮影した河川へ再び足を運んだ。
実はアオハダトンボを撮影中に目の前から小さなサナエトンボらしき羽化直後のテネラル個体がいくつも飛び立って行き、この時は見失ってしまい確認できなかったので、今日はそれを確認しようとやってきたのである。

梅雨時期の天気予報などあてにならないので雨が降らない事を願い、どんよりとしたいやな曇り空の中出発、現地に着いてみると予想以上に良い天気?とまではいかないが時々晴れ間が差す程よい天気といったところ。
早速入水して辺りを見回すと先日は多く見られたアオハダトンボの姿がだいぶ少なくなり僅か数頭しか見られない。アオハダトンボを横目に目的であるサナエトンボの羽化固体を探すため、草が生い茂る川岸添いの水面ギリギリのラインに目をやり羽化個体を探す。するとそこら中に羽化殻が!草がオーバーハングした薄暗い中や日当たりのよい石の上など限られたポイントという訳ではなく、所かまわず何処にでもといった感じで羽化殻がある。

その数は想像を絶する数で何百、いや何千にも達しているだろう数であり1.5cm位の物から2cm位の物もある。僕は羽化殻で種別判断(同定)はまだできないレベルであり只今勉強中。

もちろん全ての羽化殻を回収カウントしているわけではないので想像上の目安数と言う事で誤解のないように。
でも本当に物凄い数!

探している最中にも目の前から羽化直後のテネラル個体が何頭も飛び立って行く。

急流域よりも流れが緩やかな淀みに生える草の根元付近に目をやると白く輝く翅が見えた!オジロサナエ羽化終了固体。

綺麗に伸びた淡い半透明の翅と薄っすら黄色く体色がつきはじめている素晴らしい瞬間!
撮影するとわかるのだがこの状態の時はトンボは物凄く光を反射している為にカメラの露出設定をアンダー(マイナス)気味にしないと光ってしまい白つぶれしてしまう!それだけ光を集め、吸収して早く成熟させているのであろう。外敵から狙われやすい時でもある。

すぐ近くの石の上で羽化をはじめた固体を見つけた。こちらもオジロサナエ

この状態から時間がかかるだろうと思っていたのだが、あれやあれやと殻から抜け出て歩きだし、見る見るうちに翅が伸びてしまうので慌ててカメラを変えて広角で撮影した。


羽化が始まってから飛び立つまで30分かかっただろうか?クロスジギンヤンマの羽化時間と比べると物凄く早いので驚いてしまった!

彼らの生域に一歩足を踏み入れる事によりオジロサナエの羽化シーンを真近で観察でき、脳裏に焼き付けられた日だった。

川岸からでは見えない世界がそこにあるのだ。


D80+Sigma 15mm F2.8 EX DG Diagonal Fisheye
D300s+AF-S VR Micro Nikkor ED 105mmF2.8G(IF)



撮影地:東京都多摩川水系


つづく...


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