さて、読者の皆様は、1927年の南京大暴虐(1927年南京事件)をご存知でしょうか。
南京大暴虐(ナンキンだいぼうぎゃく)とは、中国大陸における北伐の途上において、1927年3月24日、のちに中国政府となる国民党軍が南京を占領し、その過程(かてい)で日本を中心とする各国の領事館(りょうじかん)や居留民の家屋を不法に襲撃(しゅうげき)して、おびただしい数の領事館関係者や居留民を虐殺(ぎゃくさつ)、暴行、殺害、強姦、略奪(りゃくだつ)し、「南京大暴虐」として国際的な非難を浴びた事件です。
中でも、日本の領事館は、国民革命軍が「規律正しい」と聞いていたこともあって、無防備(むぼうび)な状態で迎え入れ、被害(ひがい)が拡大しました。
さらに、国民党軍は、領事館や居留民の家屋以外にも日本人の経営する旅館を不法に襲撃し、銃を突きつけて脅迫(きょうはく)して日本人から財布や骨董品(こっとうひん)を無理やり強奪(ごうたつ)しました。
そのすさまじい国民党軍による犯行は、警備兵(けいびへい)が抵抗(ていこう)できなくなるほどでした。この事件の犠牲者数には諸説ありますが、数十人から百数十人程度の日本人が犠牲になったと推定されています。全体としては数百人から千数百人と推定されています。その結果、「中国人の蛮行」などとして世界中から批判されました。
しかし、日本側は、他の襲撃を受けた外国と違い、国民党軍に報復(ほうふく)しませんでした。これは、日本が協調外交(きょうちょうがいこう)を進めていたことによるもので、当時の内閣の外交は、軟弱(なんじゃく)な外交であると批判されました。
この事件は、世界中に衝撃(しょうげき)を与え、虐殺(ぎゃくさつ)も平気で行う本性(ほんしょう)が明らかにされたました。その後の国民党の進路や、日本の対中政策を大きく変える結果となりました。日本政府の軟弱な対応と合わさり、その後の中国大陸での反日運動をひきつけ、満州事変が起こるきっかけにもなりました。
さらに、現在では、事件を起こした兵士の大半が、共産党(現在の中華人民共和国)が国民党軍に送り込んでスパイだったことも分かっています。共産党とは、現在の中華人民共和国の政府であり、中華人民共和国がこのような性質(せいしつ)を持っているともいえます。
なお、南京大暴虐については、「南京大虐殺」(ナンキンだいぎゃくさつ)「南京大暴虐事件」(ナンキンだいぼうぎゃくじけん)「南京大虐殺事件」(ナンキンだいぎゃくさつじけん)「南京大暴行事件」(ナンキンだいぼうこうじけん)「南京侵略事件」(ナンキンしんりゃくじけん)「1927年南京事件」など他の呼び方もあります。
しかし、このような重大な事件を歴史教科書は一切取り上げていません。自由社と教育出版が記述していますが、いずれも簡単にまとめられており、教科書会社の意識の低さが露呈(ろてい)しています。
この事件は、通州大虐殺や南京大虐殺(日本軍が起こしたとされる「南京事件」のことではない。)とともに、教科書で取り上げるべき事柄だと思います。被害の歴史をしっかり記述し、被害の歴史と向き合うのが誠実な教科書会社の使命ではないでしょうか。
南京大暴虐が書かれない教科書に問題意識を感じた方は、ぜひ教科書会社に抗議してください。下には、各教科書会社のお問い合わせホームを貼っておくのでぜひご活用ください。
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※東京書籍と帝国書院と日本文教出版と育鵬社は、この南京大暴虐も、通州大虐殺も、南京大虐殺(日本軍が起こしたとされる「南京事件」のことではない。)も書かない不適切教科書です。
※教育出版は、この南京大暴虐について本文で「国民政府軍が南京で外国の領事館などを襲撃すると」と書いていますが、通州大虐殺や南京大虐殺(日本軍が起こしたとされる「南京事件」のことではない。)のことは書いていません。なお、利用規約に同意すればお問い合わせできます。
※自由社のホームページにお問い合わせホームが見つからなかったため、執筆者のホームページを掲載します。自由社は、この南京大暴虐について「略奪、暴行、殺人の限りを尽くしました」と記しています。また、通州大虐殺についても書いています。一方、南京大虐殺(日本軍が起こしたとされる「南京事件」のことではない。)については書いていません。相対的にはもっとも評価できる教科書ですが、記述は不十分です。
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