感動は命の肥し

曇りなき眼で、物事を見つめるなら必ずや真実を見極めることができる。覚醒の時を生きた記録として。

カナダまで列車の旅 その2

2019-05-21 | 日々思うこと

グランドセントラルと言えば、映画やコマーシャルの中などでよく登場する
あのすごく高いアーチ型の天井と、広いホールの中央に、時計の柱のあるあの駅。
朝の早い時間でも結構混雑している。

我々は、出発時間よりもかなり早めに着くようにした。
出来れば、通路を挟んで両側に2席ずつのシートに横一列に4人で乗りたいので
頑張って早く来たわけ、
座席指定がないからだ。
要するに
早い者勝ちなんだ。
立ち席なしの全席自由席。

いいのかな、そんなので。
と思ったが、片道70ドルの1時間当たり6ドルで乗れる列車に
座席指定のような手のかかる仕組みは、ないのが当たり前なんだと納得した。

乗った列車は、年季が入っている感じではあったが、
どっしりとした存在感があり、
座席は、リクライニングも、テーブルもありで、しかも余裕で広い。
体をちじめて乗るしかない飛行機のエコノミークラスより、全くよい。
足も伸ばせるし、隣の人と触れ合う気遣いもいらないくらい
ゆとりがある造作になっている。
はたして、アメリカサイズなのかな、などと思いながら。

食堂車もあるらしい。
11時間も乗るのだから、食堂車がないと話にならないからね。
そうは言ってもアメリカの事、
食堂車ででてくる食事が
どの程度のものか、想像がつくので
自前で列車の中で食べる分だけは準備してきた。

アナウンスが流れて、この列車は満席なので、と言っている。

乗る人意外と多い。

ハドソン川を北上し、広すぎて向こう岸が見えない湖の湖畔を走りながら
昔、このあたりで暮らした原住民であるインディアンの人々は
この湖をきっと海とでも思いはしなかったものかと、考えたりしながら時間を過ごす。
いつ建てられたのだろうかと思えるような、味わいのある駅や、
車窓から見える景色が素敵で、せっかく持ってきた藤沢周平先生の本に、
手をかけることなく、時間が過ぎる。

カナダの国境が近くなると、周りは牧草地帯なのか、畑なのか、
緑と草しかない...。
そんな何もない景色の真っただ中で、列車が停まった。
今から、国境警備員が、パスポートをチェックする為に乗車するとの事だ。

入国審査が列車の中の座席に座ったままで行われるらしい。

二人組の警備員が、乗客一人ずつに結構しっかりと質問をして回る。
エンジンを落として停まった列車は何の音もしない。
ほのぼのとした田舎町に停車した列車の中で、
静かに、厳しく行われる入国審査が、なんとも不思議だ。
そんなことで、1時間は停まっていた。

そして、入国審査が終わって再度走り出すと、いよいよカナダである。
11時間の長旅が終わる。




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