「愛されないことがどんな事か、僕にはわかるんだ。」
そう話すロビー君、8歳のフロリダに暮らす少年だ。
彼は、地域のアニマルシェルターに足を運ぶと、最も老いてみすぼらしく、誰かの家にもらわれていく可能性は限りなく低いであろうと思われる犬がどれかを探し、その犬のケージに入ってもいいかと係りに人にたずねるらしい。
どんな犬が好きなのと問われると、老いた犬だと答える。なぜならば、老いた犬に自分の姿を見るからだ。
「彼は、愛されない事、かまってもらえないことがどんな事かよくわかってるのよ。」と彼の養母であるマリアさんは話す。アメリカのフォスターケアシステムに助けられる前、ロビー君はひどい扱いを受けてきたと言う。頭の怪我での2度の入院も経験している。それは一緒に暮らす身内の者からうけた虐待が故であろうことは言うまでもないだろう。そして、今から2年前にマリアさん夫婦は、里子としてのロビー君を自分たちの家庭に養子として迎え入れ、今は一緒に暮らしている。
彼は長い道のりを越えてきたけど、まだ彼は泣くことができなかった。それは、彼の暗い過去の経験からなのか、それとももしかしたら、虐待してきた人たちのせいなのか、彼はまるで石のようだった、この1か月前まではと彼女は話すのだ。
1か月前、彼が可愛がっていた老いた犬、バフイーを送らねばならない時が来た時、彼は彼女を最後までずっと抱いてあげたいと言い、その過程をマリアさんが写真で残している。その中には、バフィーを抱きしめ泣いている彼の姿が映っている。もちろん、もちろん彼はバフィーが死ぬ事はわかっている、それが悲しくて泣いただけではなかった。
すべてが終わって、彼はマリアさんにこう話したという「僕は、愛されない事、かまってもらえないことがどんなことかわかるんだ、だから、僕のペットを一匹でもそんな風にはしたくないんだ。」それは、里子に出された子供たちがそんな扱いを受けてはいけないと言う事を彼の言葉は意味しているのだ。
「みんなは、ただ赤ちゃんが欲しいんだ、大きな子供や老いた犬は嫌われる。」ロビーは話す。
いつか自分が大きくなったら、大きな子供たちの里親になりたいと話す。でもそれまでは、自分のその誓いを何らかの形で見せるために、マリアさんたちが許す限りの範囲で老いた犬をアダプトして育てる事にしたんだと、今彼の元には6頭の犬たちがいる。
最近、彼らはモリ―という老いた犬をアダプトした。モリ―の飼い主が介護生活を受ける事になり、モリ―の行く末を案じていて、その苦しみをしっているロビー君がモリ―に新しい住む家を与える事になったのだ。
ありがとう優しいロビー君。